2023年ベストアルバム10選

2023年ベストアルバム10選 黒雑記
2023年ベストアルバム10選
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すっかり更新を滞らせてしまった、昨年後半。
でも実はここにあげないだけで、ちょいちょいチェックしていたんだぜ!
そんな今頃の2023年のベストアルバム10選を。
今年はちゃんと順位付きで。
でもなんか、今年は割と大御所ばっかになっちまったな…。

なお、例によっておっさん趣味でしかないおっさん向けセレクトなのは仕様なのでお許しあれ。

1位:LOVEBITES/”Judgement Day”

LOVEBITES/"Judgement Day"

LOVEBITES/”Judgement Day”

昨2023年はもう早くもこれで打ち止めだろ、とリリース時にワンパン一撃でぶっ飛ばされた大傑作。

そんな、現役jdベーシストfamiを迎えて復活を果たした新生LOVEBITESの4th。
そりゃあ確かにここで中途半端なヤワを出してはこまいと思っちゃいたけど、にしてもここまで鬼気迫る強力無比の危険ブツ叩き込んでくるとはと、呆れ半分ガクブル参りましたな土下座半分。

何せ全編大疾走、実質ほぼほぼ全曲ファストチューンで走りまくりで、何なんこの令和の女サンダースティール、いやそれすらも超えたか。

結果、年間通しての最強メタルに見事確定、勝負あり。
いやはや、お美しいのに剛腕最速とか、無敵かよ!

なおアルバムレビューはこちら

2位:RANCID/”Tomorrow Never Comes”

RANCID/"Tomorrow Never Comes"

RANCID/”Tomorrow Never Comes”

RANCIDさん、この令和に遂に最短アルバムを作ってしまわれる。

キャリア30年超えのいいおっさんパンクバンドによるスタジオアルバム10枚目が、アルバム内最短30分切り。
計16曲、全て3分足らずの、スカなし、Oiあり、勢いありなショートレンジ・ハーコーバレット尽くしときた。

嘘偽りなくここ20年の「オヤジRANCID」にとってのカコイチアルバムな上に、しかも短いだけじゃない、脂の乗った熟みもオジみも貫禄みも備わった作りが流石だ。
現役パンクおやじの格好良さ、ここに極まらん。最高だぜおっさん達。

なおアルバムレビューはこちら

3位:EMPIRE STATE BASTARD/”Rivers Of Heresy”

EMPIRE STATE BASTARD/"Rivers Of Heresy"

EMPIRE STATE BASTARD/”Rivers Of Heresy”

BIFFY CLYROOCEANSIZEのメンツらに、かのデイヴ・ロンバードSLAYER他)が加わったプロジェクトユニットバンド、これがデビュー作。

マイク・パットンのエキセントリシティをTHE DILLINGER ESCAPE PLANにぶちこんでTODAY IS THE DAYMELVINSから抽出した毒素を注いだようなサウンドは、Y2Kカオティックハードコアが令和に蘇生されたら最強チートゾンビでしたが何か?みたいな最凶圧迫インパクト。

デイヴのロンバードさんによるドラムが凄いからってのもあるかもだけど、これを前にして、かつてゼロ年代にデリンジャーEPとCONVERGEのジェーンドゥに出くわして、ああもうしばらくはこれに決まったんだな、って超剛力の力技を腹に落とされたあの峻烈な記憶を20年ぶり位に思い出した。

…っていや違うな、轟音で脳に手ぇ突っ込まれて記憶を引きずり出された、だ正確には。

なので、2023年の猛毒ブライテストホープとして取り敢えずこれ、推しておくのでしくよろ。

4位:BABYEMTAL/”The Other One”

BABYMETAL/"The Other One"

BABYEMTAL/”The Other One”

ドメスティックなアイドル(BABY)から脱して、ワールドワイドなメタルキングダムの女王へと覚醒した羽ばたきの一枚。

つまりは世界戦に向けてこれまでのアイドルの延長線上に描こうと試みた、強烈な一大ベビメタ流和風メタル・ヒロイニック・ファンタジー絵巻。
週間レビューにも書いた通り、執筆当初はそのシリアスな作風にゆとりのなさを危ぶんでいたのだけど、その後もしばらく聴き込んでみると、そうじゃなくてこれはアイドルとしての内向きの甘えを捨てた決別の覚悟表明なのだと理解出来た次第。

いずれにせよデビュー初期から彼女らに限りない可能性を見出している身としては、ここまで至ったかという前作からの感慨に加えて、まだ見える伸びしろに期待したいところ。

しかしSU-METALさんってこの娘、ぼくらが知っていたレベルの8倍以上は軽く天才なんですけど、何なんこの超越的存在感、低めに見積もって上位天使ですよね!?

なおアルバムレビューはこちら

5位:GAUPA/”Myriad”

GAUPA/"Myriad"

GAUPA/”Myriad”

スウェーデンに現れた摩訶不思議な女性Voサイケストーナー、2nd。
そして海外評で「ビョークメタル」と紹介されてて何それと失笑したら、本当にちゃんとビョークメタルだった件。

オカルトドゥームをベースに90年代グランジ、フォーク、サザンロックなどを混ぜ込んだマジカルサブカルなヘヴィサイケを歌いあげる、ビョーキー(何それ)なシンガーのその存在感たるや。

しかもこれが面白い程個性的なマッチング効果を生んでおり、かつて90年代初期におっさんどもが思い抱いていた「初期ビョークにヘヴィロック歌わせたい」なArmy of Me願望を満たしてくれるかの満足感。
なんともクセになるその中毒性を評価して、ここにアゲアゲしとく。

なおアルバムレビューはこちら

6位:藍井エイル/”Kaleidoscope”

藍井エイル/「Kaleidoscope」

藍井エイル/”Kaleidoscope”

ゼロ~テン年代アニソンメタルの幻の女王藍井エイルさん、メンタル超えての満を持して作り込んだ復帰アルバム。

藍井エイルという不遇の才能を周囲が固めていかに引き出すか、とそれが凄く良く出来ている。
彼女らしいグッと引き締めたヒロイズムとエッジ効いたバックに、麗しく世界観作り込んだアルバムの作風。
リハビリ助走から絢爛な大跳躍までうまくまとまっている上に、凛としてカラフル。まさに、こういう彼女の歌を待っていたという作り。

楽曲も粒ぞろいで優れものな、復活を待っていた身からはこれ以上ないご褒美アルバム。

…だったはずなのに、この後再びすぐに長期活動休止&遂にこないだの年末には所属先からも離脱
出たばかりな新曲「青く、青く」もブライトなアップテンポでいいはずなのに、それも彼女から届いたさよならラストソングになってしまうのか…。

ま、今後ゆっくりと活動再開することを期待して、ぼくらものんびり待つとしましょうや。

なおアルバムレビューはこちら

7位:METALLICA/”72 Seasons”

METALLICA/"72 Seasons"

METALLICA/”72 Seasons”

2023年メタル界きっての一大注目株だった、これ。

しかも計12曲で80分近くという、安定のクソボリュームたるLOAD第72章。
で8曲くらいを経た頃にやっぱり脳裏を占める、いつもの恒例行事なこれ。↓

 

MADAOWARANNOCA

とそんなTikTok時代逆行タリカなんだけど、でも今回ばかりは初期回帰の後ろ向き作風に、彼らならではの萌えポイントがしこたま込められてる。
だってそりゃMETALLICAが速いスラッシュやって、しかもそのリフがカッコヨクて、しかもそのテイストが80年代ぽかったら嫌いな男の子(おっさん)なんているわけがない。

つまるところ、ある意味でそんなズルい大人の、立場職権乱用アルバム。
でもそれが出来るバンドが唯一無二で他にいないんだから、そりゃあ仕方ないよねこれはもう(じゅるり)。

え?はあ?「METALLICAは進化だ」、だぁ?
やかましいわ、んな戯言は「St.Anger」でスネアの代わりに叩いてたゴミ箱にでもブチこんできやがれっ!

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8位:RIOT CITY/”Electric Elite”

RIOT CITY/"Electric Elite"

RIOT CITY/”Electric Elite”

CRIMSON GLORYの速い曲×GRIM REAPERの速い曲×AGENT STEELの速い曲×METAL CHURCHの速い曲×「パワースレイヴ」×「復讐の叫び」×とにかく叫び=これ。

「メカジャガーの目からビーム」という知的興奮しかないジャケといい、漂いまくるB級ヘボいメタルスメルの期待値をそのままに、ひたすら速い曲をだだ走り。
その昔の平成初期の西新宿の空気もむせぶ、まさに2023年のメタルハートチェッカー。

なおアルバムレビューはこちら

9位:WARGASM/”Venom”

WARGASM/"Venom"

WARGASM/”Venom”

ロンドンの半裸おっぱいとピンク髪タンクトップという、脳の賢そうな男女デュオ(注:いい意味で)によるハイパーDQNインダストリアル、これがデビュー・アルバム。

サウンドもその通りに、薄っぺらのペラッペラ。(注:いい意味で)
90年末期~ゼロ年代初頭あたりに佃煮にしても食べきれない程湧いていたインダスフォロワーみたいな胡散臭いパチもの感(注:いい意味で)にギドギドしい人工オイルポップと治安の悪さまぶしたかの(注:いい意味で)、健康に全く良くなさそうなコンビニ駄菓子感覚が、懐かしくも新し…くは、ないか絶対に。(注:いい意味で)

つまりは、腐敗臭がプンプン匂い立ってるNINGENITORTURERSMETHODS OF MAYHEMPRODIGYのカニ味噌とあと「SPAWN」の映画サントラをぐっちゃぐちゃに混ぜ込んで(注:いい意味で)、そこに腹下し予防でニューメタル添加物ぼったり加えて、おあがりよ。(えーっ)

しかもM7“Bang Ya Head”なんて「それなんてリンプwww」と苦笑いしていたら、ちゃんと本人(フレッド・ダースト)が律儀に参加してて苦笑を噴飯に変えてくれるサービスあり。(注:いい意味で)

ちなみに今年、来日ツアーをするらしい。見なくてもいいとしか思えないが。(注:いい意味で)

10位:FOO FIGHTERS/”But Here We Are”

FOO FIGHTERS/"But Here We Are"

思えば昨年、個人的に一番ヘヴィロテしたアルバムが、これだった。

尤も別にこのアルバムがフーファイ史上屈指の傑作とは思わないし、どころか何だったら彼ら中で最も地味でパッとしない一枚になるのかもしれない。
何せ、おそらくはデイヴ・グロール自身の心の鎮めのために作られた、プライベートな意味合いの強い、戸惑いと鎮魂のアルバムだ。

結果、世間的にもあんまり話題にもならんかった。
だってそりゃそうだろう、そういうアルバムなんだから。
だけどそれが、色々とあった去年の私的な気分に何より共振してて、あのバカみたいにクソ暑い2023年の夏からずっと繰り返し、繰り返し聴いていた。

嗚呼、そういえばそうだっけ。
あの夏は、ほとんどこれしか聞かなかったものな…。

で。
この今になって振り返って、やはり思う。

昨年、これを超えた名盤はもっと一杯あったろう。
でも最後の10位に、2023年の心象に最も馴染んだこれを選ばないとやっぱり嘘になるんじゃないか。そう自分と向かい合って、ここに入れておく。

なおアルバムレビューはこちら

 

以上、2023年のベスト10枚でした。

ちなみに次点というか、入れようかずっと迷ったのはBLINK-182「One More Time」
やっぱりこの三人なんだよ!

BLINK182/"One More Time"

BLINK182/”One More Time”

昨今のトラヴィス・パーカー人気と、直撃世代だった若手HIP HOP側からのプッシュを受けて昨今やたらと高まってきているパンク熱。
その機にのってのトム・デロング復活によるこの三人での活動再開、そしてアルバムリリース…と、満を持してのBLINK復活劇。
そんな期待に答える本作が、明朗ポップ&パンキッシュで悪いわけがない。

そりゃあエモエモしい「BLINK-182」も、何なら「Neighborhood」も大好きな身だけど、でもやっぱりBLINKと言われたらこれだろ、というかっ飛びどストレートな、極上珠玉の真っ向ポップパンク乱れ打ち。

しかもこれ一見エネマアルバムの作風意識とか言われそうだけど、でもその実もっとぼくら初期のチョッパヤハーコー時代のほうを強く含んでいるのが、素晴らしいところ。

あと、かつてのおバカさが大人パンクになって、遊びに余裕が育まれてるのもかっこいい。
憧れなRAMONESを真似て映画「ロックンロール・ハイスクール」をパロったPV(↓)もバカバカしいアホさで、何とも彼ららしさに溢れてた。

てか今も聴いているんだけど、本当に彼ららしい復活作だなあ。
やっぱこれ、RIOT CITYWARGASMあたりのネタ枠を下げてそこ入れたって、全然いいわ。

 

ではまた、今年もどうぞよろしくお願いします。

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