先週はもう藍井エイルさんばっかり聴いててましたね。
詳細は、個別レビューにて。
RIOT CITY/”Electric Elite”:85P

RIOT CITY/”Electric Elite”
CRIMSON GLORYの速い曲×GRIM REAPERの速い曲×AGENT STEELの速い曲×METAL CHURCHの速い曲×「パワースレイヴ」×「復讐の叫び」×とにかく叫び=これ。
メタルにおけるRIOTのCITYと言ったらそりゃ「成田」しかないんだが、

外国人が想像した千葉県成田市
このRIOTアンタトシテェは、カナダ出身。
話題となった前デビュー作に続く昨2022年晩秋リリースの本作が2作目のフルレンスアルバムとなる、NWOTHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・トラディショナル・ヘヴィメタル)なる新しいのか古いのかな要するにただの正統派パワー・メタルバンド。
「動物メカはメタル」という全く正しい解釈と、タイトルまんまのエレクトリック愛なメタルエリートづらでいきなりカマすサンダースティールM1“Eye Of The Jaguar”。
「メカジャガーの目からビーム」という知的興奮しかなさに続くのもまんまな上にM3“Tyrant”もまたどっかで聞いたことある曲名で、どっか聞いたことあるクリムゾン先生のグローリー展開でどっかの死を偽メタルにHail and killするやつだったりと、何なんこの80年代押忍クソ男ヘボいメタル。
これ↓とかまんまプリメイBack to Backで、お前ら判ってやってんだろ!?(構わん続けろ
他にもそのダークさがSANCTUARYのHELSTARだったり、ドライなアメリカンメタルの質感がCHASTAINあるいは来日ステージに本物の斧落っことしてこっぴどく怒られてたリジー・ボーデンだったりしつつ、実際んところは疾走一辺倒ならず各所に緩急ミドルテンポやメロウネス交えての程々な構成で、しかしバカみたいなドテンションでバカなんだけど良質の王道ヘヴィメタルを披露。
しかも新加入シンガー、ジョーダン・ジェイコブスはいくぼ太めのクソ暑っ苦しいクソハイトーンの持ち主で、おーにんおーにん始終これでもかと復讐のスクリームでかまうことなくぼくの歩兵を踏み越える。
さらには全編にかけて、モニター片足乗せてユニオンジャック振り回すゴリラ・オブザビーストがくっきり見えてるツインギターの応酬また応酬でせめぎあい弾き散らかした挙げ句、過剰に長ったらしくさせることもなくMajiで滅する2分前のM8“Severed Ties”では最後の最後が撃墜王オチ。(撃墜王だけに)
しかも、コレ一体どんな連中がやってんだと思ったら、ちゃんとむさくるしいおっさんばっかが並んでいるという正しさでいいぞもっとやれ。

RIOT CITY
ECSTATIC VISION/”Elusive Mojo”:80P

ECSTATIC VISION/”Elusive Mojo”
去年の年末頃、イキのいいロックンロールが欲しくてあれこれ彷徨っていた際にたどり着いた逸材。
しかも未だにヘヴィロテしとるので、ここでご紹介しとく。
かの変態名門Relapseで鍛え上げてきた米ペンシルベニア州フィラデルフィア発、ポンコツでアナログなヘヴィサイケ・ロックンローバンド、昨2022年のこれが4thらしい。(多分)
東海岸R&Rらしいタフでソリッドな図太さと、HAWKWIND所縁の宇宙遊泳サイケを、モンマグ系譜の現代ストーナー感覚で再現したかのエナジェティックさがこのバンドの売り。
まずはオープナーからタイトルトラックM2“Elusive Mojo”による、いなたく勢いあるファットグルーヴと、そこにザクザクと切り開かんギター。
しかも続くM3“Times Up”~M4“The Kenzo Shake”ではイギー・ポップと初期MOTOR HEADをもぶちこませた上に、サックスまでがフリーキーに錯乱。
つまりストーナーサウンドとはいえ、彼らの場合、引き摺るようなずるずるヘヴィネスや酩酊リフレインよりも、どちらかとえいばロックンロールのプリミティヴな疾走感重視タイプ。
よってそのアッパーなパンチ力でアゲられもっていかれたまま、中盤以降に向けてサイケデリックに塗られた迷霧を彷徨う、という作りが本作の持ち味だ。
それらあってこそ、ゆらゆらと静かに幻影ゆらめき溶け出すトリッピーなM6“The Comedown”のチルが活きてくるというもの。
しかもそこから一転してそれまでのデトロイト、ガラージロック、パンク、ブギー、そしてSTOOGES愛がホコリにまみれた60-70年代レトロの混沌に炸裂狂宴し終焉へと向かうM8“Deathwith 1970”の熱気よ。
酒焼けしたようなしゃがれたダーティさで叫ぶようなメロディをあまり追わない歌をみせるギタリスト兼任のダグラス・サボリクのヴォーカルも雰囲気十分だ。
AVIANA/”Corporation”:68P

AVIANA/”Corporation”
スウェーデン産モダン・メタルコア3rdらしいが、本作にて初聴。
よってこれまでの流れを余り知らないのだが、どうやら本作前に何と後入りのヴォーカル以外の全メンバーが脱退してしまうという、一体何をどうやったらそこまでの激鬱展開に至れるのかハドラーですらどうなってんのか全くわからない状況から一人で作り上げて本作に至ったという。
そんなジョエル・ホルムクヴィストによる、まるで星飛雄馬やここの平均的読者民のクリスマスみたいなぼっちざメタル、音楽性としてはメタルコアをベースにしてハイブリッドにポスコア、デスコア、djent、インダストリアル、ニューメタル、リンキンにスリッペにホリズンにブリングにミー。
「まよく判んねーけど胸焼けするくらいカロリー高ぇもんブチ込んどきゃそれでいんだろ?」という、かつや方式揚げもの投げ込みメタルなこれ。
というと不味いのかと思いきやさにあらずで、実食するとこれがそこそこイケるたぐい。
何だろ、そりゃ元来深みなんてクソほどもないんだけど、でもそのぶんガッツリと「ヘヴィであるカッコ良さ」の決めドコだけはしっかり押さえているので、どうせ薄っぺらいならそのくせに猪口才ことだきゃしようと仕掛けてくる連中の数段上くらいは普通に美味しくて盛りもいい。
だったらこれでもういいだろと↓こんな顔されそうな典型的コスパ厨メタル。
とはいえ求めている美味さがそもそもファミレスレベルなので、くれぐれも職人の専門店と比べないように。
そ、そういうお店じゃないんだからね!?
藍井エイル/”Kaleidoscope”:86P

藍井エイル/「Kaleidoscope」
今回のガチレビュー枠なので、詳細は別ページの単体レビューにて。
以前にかなりおちゃらけてて怒られそうなので真面目に書いたことがなかったため、今回はちゃんとしときますんません。
とはいえ、そちらで書きたいことを全て書き吐き出してしまったので、今更ここで追記することもなし。
アニソン系クイーンとしての存在感は勿論のこと、一級のポップシンガーとしても峻烈なる復活作であるとともに飛躍にも向かってみせた力作だという感想は変わらず。
あとリピっていると、そのときは「幾分インパクトが弱め」と思えた序盤も、軽快がゆえに寧ろ踊るM2“心臓”から昭和歌謡叙情メロに染まるM3“星が降るユメ”もまた聴き応えがあってコレはコレ&その情緒あってこその“ANSWER”の疾走感がより効果的に走るのだという抑揚の構成構想が見えてくる。
にしても上のレビューでも書いたことだけど、藍井エイルさんというシンガーは、その凛としたクールネスから放つ熱情がよく音楽作品にも投影されてるのがいいすね。
以上、今週の4枚。
今週は何やかんやで、タイプが全く違いながらもどれも良かった週でした。
ではまた来週!

RIOT CITY, ECSTATIC VISION, AVIANA,藍井エイル
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?