ヤヴェえな。
2023年にヤヴェえメタル、生まれちまったな。
LOVEBITESさんよ。
あんたぁ、こりゃやり過ぎだぜ…。(憤死確)
LOVEBITES/”Judgement Day”:93p

LOVEBITES/”Judgement Day”
というわけで、LOVEBITESの新作にものの見事釣り上げられてしまったクマー。
いやアレだ、詳細は近日内にアップ予定の個別レビューに腰据えて書くとして、現役jdベーシストfamiを迎えて復活を果たした新生LOVEBITESヤヴァすぎ問題。
いやはや、そりゃ確かにここで中途半端なヤワを出してはこまいと、いくぼかの構えで向かった本4thアルバムだが、にしてもここまで鬼気迫る強力無比の危険ブツ叩き込んでくるとは予想だにしなかった。
何せ全編大疾走、実質、ほぼほぼ全曲ファストチューン。
M1“We Are The Resurrection”とタイトル通りの復活宣言からけたましく始まって、ラストまで一切失速するどころかアクセル更に猛加速する勢いで、何なんこの女令和サンダースティール。
「スピード×パワー×パワー=圧倒的パワー」という完全なる中卒893花山理論で作られた本作は、JUDAS PRIESTでいうところの「Painkiller」、弟でいうところの戸愚呂、脳でいうところの筋で、まー速いわ速いわ、バカなのバカでしょってくらいにバカ速く、全編を火だるまかっ飛びまくる。
しかも終いにはスラッシュメタル、いやここまでくるとある種のLOVEBITES流エクストリームメタルとすら呼びたくなる領域にも届き至ってみせる彼岸っぷり。
例えばMOTORHEADを求めてスレイブトゥザグラインドするM5“Stand And Deliver”もさることながら、M9“Dissonance”なんて血の雨すら降りしきらん私立すれいや学園のいっけなーいじごくじごく。
果てはラストM10“Soldier Stands Solitary”で最高速値を記録しては、山じいの卍解のごとく万象一切灰燼と為して尽き果てるというそのバグみたいな風力とある意味での抑揚の単調さもあって、正直、最初のアルバム初周目にはものっそい勢いで右の耳から左に抜けていくかのポカーン感すらあったんだけど、でもこれはぼくの構えが彼女らの気迫の高さに対して見積が甘くその勢いに飲まれてしまっただけのこと。
改めて向かい聴き込めば、チョッパヤの疾走展開に随所仕込まれた演奏面もさることながら、楽曲レベルの高さに誰しもすぐに気づくというもの。
しかもそれらの合間のアクセントと働いている、ロックチューンもまた秀逸。
例えば得意のギャロップに乗って頭脳改革されたTrooperと撃墜王の孤独な怨霊どもがSHOW-YAへと御霊降ろしされるM4“Wicked Witch”に、ちょっと六本木で心中しそうなM7“My Orion”など、こうした歌謡ポップテイストも、バンドの側面的魅力か。
かくもクラシカルなメロディックさをふんだんに駆使しながらも絢爛美麗に全編大疾走するその名の通りにパワーメタルなだけど、しかし。
ドラマ作りの手段だったはずのシンフォニックさや或いはメロディックさに飲まれがちな一部のバンドらと違って、彼女ら(なかんずく本作)の場合、押され負けぬどころかそれをしっかり剛直で屈強なゴリッゴリのリアル・ヘヴィメタルの硬派さで踏み固めては鎮座する、「速くて激しくてうっさくて格好良い最極上のヘヴィメタルとしてのメロパワ」に揺るぎなく仕上げているところが何より素晴らしい。
いやあ、お美しいのに剛腕最強最速とか、無敵かよ!
CROWNE/”Operation Phoenix”:73p

CROWNE/”Operation Phoenix”
先月、Rが2つあってよく燃えそうな忖度専門誌の「今月の忖度コーナー」にて92忖度という高忖度を受けていた北欧メロディック忖度メタルの新作2nd。前作は知らん。
ちなみにかつてIRON MAIDENの名盤「第七の予言」が80点台、MEGADETHはかの2ndですら74点、以下余白を捧げられたD.R.I.は1点で、今月の上のLOVEBITESはこれと同じく92忖度となっており(※1)、音楽の評価とは一体と考えさせられるような現代社会に起こった時空の歪みに引き寄せられ忖度チェックしてみた次第。
なお陣営はH.E.A.T.のキーボーディスト、ヨナ・ティを中心に、ART NATIONのアレクサンダー・ストランデル(Vo)、DYNAZTYのラヴ・マグヌソン(Gu)にEUROPEの本家からはジョン・レヴィン(Ba)が、そして元THE POODLESのクリスチャン・ルンドクヴィスト(Dr)などなど。
その面子からしてぼくら門外漢からすれば、イタリアの開拓屋みたいなとこの社長の背広ポッケに余ってた手駒を並べたいつもの引出し漁りビジネスにしか見えないこれを、どうやら忖度村の専門用語では「北欧メタルシーンのスーパーバンド」というらしいのだが、あなたがそう思われるのであればそうなのでしょう。
音楽性もこれらから想像する範疇内の、オーセンティックなメロハーであるのは間違いないのだが、H.E.A.T.の名から想像していたよりはもっと80年代~90年代初頭の割と正統派な欧州スタイル・ハードロック寄りに近いというか。
それもあってか、憂いを帯びた透明感とキーボードの綺羅びやかさを生かした北欧テイストといい、「Dream Hunder」期TREATあたりを彷彿させるところも少なくないし、他にも恐らくは意識的なのだろう、全米ブレイク後バンドの寿命がファイナル・カウントダウンされ始めたあたりのEUROPEもまぶされている。
他にも初期FERA WARNINGがBONFIREを意識したM2“Champions”や、そのアッパーな躍動感を受け継ぐかのM3“In the Name of the Fallen”などの序盤ヘビメタ展開の抑揚もちゃんとあって、思いの他にストレートなHR/HM志向なのがいい。
なかでも中盤に仕掛けた昭和ホイホイ、「おぉー、ジューゥーリエッート!(ジューゥーリエッート)」というHARDLINEホットシェリーばりの赤面女子名連呼メロハー(M6“Juliette”)の、そのロマンティックかつ重厚なオーバーナイトセンセーションに思わず忖度ボタンを押しかけるなど。
しかも相応の実力の持ち主が呼び出されて、片手間とはいえお給料分のお仕事をしっかりこなしているので、当然外すこともなし。
よって企画モノらしい安っぽいイメージを差っ引いてもそこそこ位には楽しめたが、後半それもあってかちょっとでもテンションが落ちると生じがちな「そろそろもういいわ」感のぶんだけ、点数差っ引き忖度ゼロ。
つーかこんなもんだろ実際は。
※1:悔しいからこっちゃもう1点付けてやったわ、俺ぁ忖度なんかしてねーぞ!と要するにそれがただ言いたかっただけです
YOU ME AT SIX/”Truth Decay”:75p

YOU ME AT SIX/”Truth Decay”
英国の女子供向け人気オルタナパンク・バンドによる、よりハイブリッドなインダストリアル、エレクトロニカなデジタル・アプローチを増量してみせた2021年の前作「Suckapunch」からおよそ2年スパンとなる、確か本作でかれこれ8th。
それらのおかげで国内チャート首位を獲得、セールス好調なりの続く本作では、「何が好きかよりどれだけ売れたかで自分を語れよ!」という海賊王メソッドに則って、あれやこれやと流れきた漂流物をツギハギしては、UKポップロックバンドとしての大衆性の守備広さをアピールするものとなっている。
何せオープナーM1“Deep Cuts”からして、あレッチリやんの?と思ったら実はFRANZ FERDINANDSで、いややっぱりロスプロだったわ。
更には言われる程90年代しているでもないっていうか、寧ろテン年代パンクロック色の強いタイトルなM3“God Bless the 90’s Kids”に、ぬらぬらニューウェイヴィーで初期AFIを味がなくなるほど薄めたようなM4“After Love In The After Hours”などなど。
他にもハイパーポップ風だったり、リンキン公園でニューメタルごっこしてみたり、やっぱりホリズンなあれがブリングミーだったりと色味豊かなそれを一言で言うなら、「ありがち」。
で、それが突出したインパクトにあるかといえば、さほどでもない。
だから別段貶める程でもないし、かといって褒め上げるものでもない。
そこそこ出来てて、で、「それなり」という出来。
なんでも最近はこの「ありがち」と「それなり」をあわせたようなやつを「アンセミック」と呼ぶのがポエムトレンドなようなので、んじゃその万能ワードでいいよ、うん。あんせみっくですね。(鼻ほじりつつ)
つーかなんだろね、この人たちって毎回割とそうっていうか、いちいち器用でソツもなく端正じゃあるけど、でも淡白で押しにかかるような面白みに欠けるんだよな。
DEATH PILL/”Death Pill”:70p

DEATH PILL/”Death Pill”
先週の2023年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻から丁度一年を迎えた、かの日にあわせてリリースされた、同国首都キーフで活動を続けてきたフィメイル・パンクトリオ。
なんでも激化する戦闘のため、メンバーが散り散りの国外避難となったため事実上のバンド活動が難しくなってしまったが、しかしネットを通じて国境を越えてレコーディングを遂行。
彼女らにとってのデビューフルレンスを完成させたのだという。
パンクといってもスラッシュメタル要素の強いオールドスクール系統のハードコア。
往年のクロスオーバーに近い印象を受けた。
正直、上の三枚らに至るような完成度や洗練さも全くなく、ありとあらゆる面での拙さや足りてなさが目立つのだが、しかしその激情のリアリティと苛烈さ、情動の熱さだけは揺るがない。
興味のあるかたは個別レビューにて詳細を。
以上、今週の4枚でした。
もう今週はこの一言に尽きますね、
「LOVEBITESしか勝たん」。
以上!解散!
じゃ、おまえら来週またここでなー!

LOVEBITES, CROWNE, YOU ME AT SIX, DEATH PILL
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?