Album review: FIFTH ANGEL / “When Angels Kill” :76p

FIFTH ANGEL / "When Angels Kill" アルバムレビュー
FIFTH ANGEL / "When Angels Kill"
スポンサーリンク

FIFTH ANGEL / “When Angels Kill” :76p

昨年ここに挙げた、バンドきっての代表作にして唯一のメジャーリリース作、「Time Will Tell」
1989年リリースのその2ndアルバムが、当時のRが2つある無忖度時代の定価550円編集長から76点という微妙すぎる評点を受けては、「このままじゃ消えていくぞ!」と叱咤激励どっちかっちゃ前者されていたら、律儀にその通りここのまま消えていったという、この地味を司る第五天使ちゃん。

しかし、ところが現在の同じ忖度専門誌でいわく「根強い人気を得てい」たらしく、2017年にもなって知らん間に再結成&再活動を果たしていたという。
(そういえば数年前に再結成作も聴いた気がする)

本当かよ!じゃなんで根強い人気あんのにこのままで消えていったんだよ!
…と一瞬くらいは思ったけれど、でも我が身を考えてみたらぼくこそなんだかんだでケチつけながらも確かに未だにこうやってそのアルバムを聴き続けている相当に根強いファンなわけだから本当なのかもしれないが、それはともかくとして。
本作は、その再結成3rdアルバムに続く4thにあたる作品だ。(FIFTHのANGELだけど)

ちなみにヴォーカルも変わってるし、人員的にも色々動きがあるようなんだがすまん、全く知らん。
というかそもそもかつての「このままで消えていく」前から、誰がやってて誰がこのまま消えていたかすら全く知らなかったから、そこらへんは大丈夫だ。(何が)

いやそんなことよか、この令和にFIFTH ANGELの新譜なのかよ!ともはや笑うしか他にないのだが、でも思い起こせば、こいつらの芸風といえば「地味」。
いやただ単に地味なんじゃなくて、「地味だけどいい」「むしろ地味なのがいい」と思わせてしまうというユニークスキル使い。

そこらへんの詳細については前のレコードひとり語りを読んでいただきたいところなのだが、思えば冒頭で触れたその彼ら唯一の出世作(出世したのか?)である2nd、「Time Will Tell」を出したのがちょうどNIRVANA「Bleach」と同じ1989年のシアトルからという完全にメガンテ以外に選択肢のない(メタルバンドはくだけちった!)全くの読めてなさをほこってきたこの天使ども。
今回も計15曲アルバム収録時間70分超えという、TikTok世代完全無視戦略の読む気も捨て去ったイキりように地味天使のくせにと思わないでもないが、しかもそこに楽曲の合間まで散々SE盛りまくってのガッツリとストーリー仕立ての本気コンセプシャルな作りに。(地味天使のくせに)

だけど、にも関わらず無理・無駄・無用なシンフォニックさやオペラティックさに安直に走ってないのは好感がもてるし、何より屈強かつ黒みを帯びた音楽性はよりパワーメタリックというか、その「Time Will Tell」よりもオーソドックスな正統派ヘヴィメタルに近いもの。
(ときにはPRIMAL FEARばりに剛直鋭角メロディックな魅力を見せたりも)

そう、メロディックなハードロック、やもするとちょいLAメタリックなところすらある音楽性ばかりが取り上げられてきたこの天使どもだけれど、でも実は彼らのデビューって元々シュレッダー吹き荒れし初代護廷十三隊みたいなあの風雲シュラプネル城だったっけ。
なので、こっちのほうがルーツといえばそうなのかもしれん。

例えば、曲名や歌詞からしてもJUDAS PRIESTっぽいといえばっぽいM4“On Wings of Steel”や、あこれ初期DIOかななM6“Empire of Hate”
あるいは疾走のさなかのメロディックさに往年の彼らを見るかのM8“Seven Angels”(七体まで増えちゃうのかよ!)、レトロ80年代アメハーの熱きたぎりを見せる(BONFIREっぽい?)M11“Five Days to Madness”あたりの旨味は流石というか、おっさんどものメタルハートをグっと刺激してくる。

よくこの世代のリアタイ90年代直下爆撃被災者連中どもは、そのグランジPTSDが染み付いてるもんだから、やもするとつい時流のものをと令和の未だに亡霊みたいなオルタナグランジに取り憑かれるお前のいとこが多いもの。
なのに地獄の激戦地シアトル出にも関わらず、ちゃんとこういうガツガツな正統派ヘヴィメタルを真っ向からやってくれてるの、ありがたいというかさすがは超絶最地味天使ちゃんだ。

とはいえ(ここから厳しく言うけど)、アルバムをトータルで通してみるとその「地味によさ」が更におっさん化した挙げ句、地味さだけがやたら増ししてるせいで、悪い意味でもっさりとした加齢臭まみれな野暮ったさが目にあまる。
それもあってか、特に中盤以降、遅い曲つまらん曲になると途端に無駄に長ったらしいと冗長さが魅力をはるか超えて悪目立ち。

そういや(先にもちょっと触れたが)この前作にあたる2018年の突発リユニオンアルバムも確か聴いたはずなんだけど、地味過ぎて何ひとつ覚えてないという徹底ぶりなんだが、やもすりゃこれだってそうなりかねない。

バンドにとってはこれが4thだけど、次のFIFTHのエンジェルあんのかこれ。
このままじゃ消えていくぞ!
(↑これが言いたかった)

え、評点?
んじゃ、このままで消えていった76pでいいだろ。

FIFTH ANGEL / "When Angels Kill"

FIFTH ANGEL / “When Angels Kill”

DATE
    • アーティスト名:FIFTH ANGEL
    • 出身:US
    • 作品名:「When Angels Kill」
    • リリース:2023年
    • ジャンル:HEAVY METAL, HARD ROCK, POWER METAL,  

 

一応しとく注意
・レーティングはあくまで書いてる人の個人的な気分と機嫌のみに基づいたものです。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?

 

タイトルとURLをコピーしました