【今週のチェック】GILLA BAND, NOVA TWINS, TOXIK, RED HOT CHILI PEPPERS,

GILLA BAND, NOVA TWINS, TOXIK, RED HOT CHILI PEPPERS, 今週のチェック
GILLA BAND, NOVA TWINS, TOXIK, RED HOT CHILI PEPPERS,
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トリッキorトリート。
お酒くれなきゃ貴族しちゃうぞ。
(地元の某焼き鳥屋チェーン店にて)

そんな週末夜に、ほろ酔いで吐き出す今週のゲロ4枚。
忖度?そういう無毒は、他でやればいんじゃないかな。

GILLA BAND/「Most Normal」:79p

GILLA BAND/「Most Normal」

GILLA BAND/「Most Normal」

今週のオススメ枠に、これ指名しておこう。

アイルランドはダブリン発、これがバンド名変えての3rdフルレンスらしい。
というのもこれ以前は「GIRL BAND」と名乗っていたのだが、当たり前ながらLGBT的にアレでコレだろとケチがついたっぽいので、「反省してま~す」とこの名に変えての再出発。
(GILLAはアイルランド語でGIRLの意なので、十分に反省してま~す)

何せこのサウンドで「ガールバンド」を名乗るところからして、そもそも悪意しか見えてないのだが、しかもその新作で「Most Normal」(完全に普通)とタイトルしてくるクソみてーにピュアな悪意を、いかにもお名門なおRoughおTradeの文系気質からヒリ出すおジョークスタイルに、まず軽めにジワる。

一応のジャンル的には、ポストパンク、はたまたノイズ/アンビエント、ってとこに(多分)括られるのだろうけど、しかし。
その轟音がベキバキと四方ブチ壊していく破壊的カタルシスが、エレクトログラインドというか、完全にエクストリームメタルの激烈性に通じるところがあるので、あなどれない。

でありつつもその金属質感においては、メタル特有の有機体がかなりに希薄で、もっとマシーナリでムキっと無機無機しており、冷徹というか無感情なノイズの壁。
しかもその一方じゃ、この手のアーティスティックでスタイリッシュにしたがりな体裁をさほど伴わず、ヴォーカルサイドが寧ろ半ばヤケクソに情念を叩きつけた結果こうなったと、荒ばしらん初期衝動が先走りがちなのがハードコアしてて、なんとも素晴らしい。

ならばこそな、ときにATARI TEENGAE RIOTのドス黒さだけをここに令和転生させてみたりしつつ、ニューウェィヴィーにヒキつってみせては、なんだかんだとウチらの畑では栽培出来ない独特の漆黒感性が連鎖爆発していくエキサイトメントが、次第に快感を麻痺させて何処となく楽しくなってくる。

そんな逸材、83点くらいあげてよくね?と好印象高めていたんだけど、ここでググってみたら何だおいピチフォがいつになくハイプ気味に8.3点(実質83p)付けてんじゃねーか、と。
ざけんなよ、ダダかぶりレーティングも流石にくやしいからここじゃ5点引いてやるけど、でも実質そんくらいはあんだろと割と自分でも理解できてるので、そこらへんご了承をば。

NOVA TWINS/「Supernova」:70p

NOVA TWINS/「Supernova」

NOVA TWINS/「Supernova」

下着ユニバのネットニュース眺めつつ(10/19)、ビール片手にハピハピはろい気分でもんするならこんなんが丁度いいかと、夏前くらいに出ていたのを今頃に回収してみる。

BRING ME THE HORIZONの中の人やトム・モレロのおっさんがぺろぺろハァハァしていることでその名をバズらせた新世代ガールズ・ユニットによる2nd。

ロンドン発、2020年代Zジェネ御用達ロックデュオ、と英国市場先行で売り出されてるけど、要するにジジイ世代ならあれだ、今の令和にSHAMPOOやってみた、とそんくらいの老害感覚で全然通じっから大丈夫だ。(そうか?)

インスタ・インフルエンサーものと言われたら、ここでも扱ったPOPPYとかが浮かぶけれど、こっちはもっとグライム路線。
ミクスチャー、と言われば確かにそうだけど、そこに90年代~ゼロ年代初頭のインダストリアル、つまりはグランジオルタナ震災をずるずると引きずって真っ黒にデカダンしてた、あの世紀末特有の退廃ヒャッハーな時代感覚を溶け込ませては、そのメッキにガッツリと使ってるのが特徴だ。

そのせいか、時に見せるダークヒスグラ的ビッチインダス感覚には、懐かしいところだとGENITORTURERSとかを思い出しながらも、でもあそこまでちゃんとまともなテン年代ロックしてない。
寧ろも少し前の、PRODIGYのカニ味噌やびゅてぃほぴっぽとケツ出してたマリマンあたりの、余りにも使い古し過ぎて普通の頭でためらうしかない平成ベタダサネタ元を、隠し味どころかダバダバとぶちこんでは、「それが?てか、かわいきゃよくね?」とあっけらかんとすっとぼけられる無邪気さ図太さが令和世代の得意技とばかりに、キッチェでギドギドしき色彩をスプラトゥーンばりな無遠慮さで、べちゃべちゃとぶちまき染めていく。

そのわざとらしさや、いかにも周囲にお膳立てされて製造されたコンビニ弁当っぷりに抵抗を覚えれる大人もおられるかもしれんが、いやだから思い出そうよそこがSHAMPOOなんだってば。
これぞ世紀末使い捨て大量消費インダ捨てリアルとポイしてなんぼ、割り切ってみればこりゃあこれで深夜B級クソアニメの味わい、そこそこイケるんじゃないだろか。

TOKIX/「Dis Morta」:69p

TOKIX/「Dis Morta」

TOKIX/「Dis Morta」

ニューヨークスラッシュの亡霊が、2年前の2020年になんと30年近くぶりとなる3rdアルバムをいきなり出してきて、まだしぶとくちゃんと生きてたのかよと笑ったんだが、考えてみればそれをろくに聴いてないままこの新作がもう届いててしまい、まだ律儀にちゃんとやってんのかよと、改めて苦笑いした次第。

何せ1987年に出した1stアルバムが、この↓チェルノブイリだ。
当時の彼らの高い知的センスがうかがえよう。

TOXIK/「World Circus」(1987)

TOXIK/「World Circus」(1987)

そんなTOXIKの、本作が(多分)スタジオ・フルレンス4作目。
誤解覚悟で表すと、CORONER、いや初期ANNIHILATORかなを、その逆サイドぶりな明度へと振り切ったのをキング・ダイアモンドが小ふざけ気味に歌っているようなテクニカルなスラッシュ/スピードメタル。(大誤解)

とにかくムダに技工性が高くて、えらくジャジーかつフュージョニック。
特に目まぐるしくというか、せわしなく且つ節操なくこれでもかと弾き倒すギタープレイが良くも悪くもで印象的だ。

その超絶レベルの度が過ぎてしばしばスティーヴ・ヴァイ化すら起こるくらいなのだが、ではそれが魅力的かという問いにこれ聴かせた周りのメタルフレンド答えて曰く、「すごく巧いはずなのに、一切かっこいいと思わせない才能が実は一番すごい」といった見解が、何より的を得た一言だった件。

何せ、元々からして、マニアックなB~C級の輸入盤カルト。
プログレッシヴかつテクニカル・スラッシュではあるだろうが、インテレクチュアル・スラッシュかと問われば「中学生くらいにインテリジェント」と答えたくなるレベルな原発ピエロだ。

しかもこのご時世にマザフ○ック連呼SE入れてみせ、ドラマティックというよりは芝居がかってのテンションが軽めに癇に障る金切りヴォーカルで、クソメロスピみたいな歌メロをピーチクパーチクやってみたりするさまに、そりゃ30年眠るはずだわ何だったらもう少し眠るか?といった気になってくるけれど、でも何せ30年ぶりの復活(の次)モノなので、感性だってあの時代の化石スラッシュなのは勿論、仕様でしかなし。
時々往年のMETAL CHURCHSANCTUARYっぽいところがあったりするも、そりゃ30年モノなのだから以下略な萌え萌えポイントだ。

でよくよく調べてみると、最早オリメンはギタリストの一人だけということだけど、もう誰が誰だか誰も全く覚えてないし、このまんま俺が!俺達がTOXIKだ、と、死ぬまで楽しくTOXIKワルツ(踊)ってればもういんじゃないかな。

なお評点はかなり低めに思えるかもだけど、でもそこには眠りこけてた30年への敬意をこめてのものなので、おじいちゃんスラッシュメタルはもう80年代に食べたでしょ?

RED HOT CHILI PEPPERS/「Return of the Dream Canteen」:55p

RED HOT CHILI PEPPERS/「Return of the Dream Canteen」

RED HOT CHILI PEPPERS/「Return of the Dream Canteen」

ついこないだ食ったばっかな(しかも不味くはないけど、取り立ててそこまでは美味くもなかった)料理のその出汁と残り汁を散々っぱら使いまわした、よそ目からはほとんど同じにしか見えない煮物メニューをズラーッとテーブル一杯に敷き詰められて最早イヤな予感しかしないのに、「さぁどうだ、自信作だ、ウチのはやっぱり違うだろ!」とものっそいドヤ顔されて振る舞われてはいるものの、一口クチ付けた時点で「うわー全く代わり映えしねーどころか、寧ろ前のが良かったわー。なのにこれこんな作っちゃってどーすんだおい?」と、こっちゃ正直ほんの数口でゴメンナサイもう沢山ですってなってんのに、でもまだ次々と同じような味付けと色合いのが大皿で控えてて、おいまだ食い続けなくちゃいけねーのかよ、え全部で20品近く残ってんの?マジかよもう帰りたいわという、ちょっとした地獄絵図ペッパーズの新作。

そんなどう見てもアウトトラック集の更に続編感しかしない、前作からわずか半年足らずで悪い冗談の塊がご到着。
こないだの「Unlimited Love」は、いわばジョン・フルシアンテ復活記念ノベルティ。色々と言いてーこたあっけど一応事情わーってからそこまで言うてやるなよ大人だろ、ノリで何となくごまかされたけれど、でもごめん。
次すぐこれ出すんだったら、いっそこないだのと一緒に両方とも一旦厨房に全部持って帰って、それら1/5のボリュームにし直して美味いとこ盛り合わせで出直してくんねーかなとなるくらいな、ぶっちゃけ、えっとホント、ムリペッパーズ。

実際、初周は7曲目くらいで「もしかしてこれずっと続かすの?」とゲンナリしたものだが、いやでもそりゃ判ってんだわ、この旨味のありようだって十分に。

例えば、乾いた音感で哀愁をひた泣き走るかのギター。
或いは、しなやかなグルーヴでそれを導く絶妙なベースラインや、柔軟なリズムの心地よさ。
或いは、掠れたノスタルジアと軽やかなメランコリアを浮かばせる、歌メロの妙味やら。
そして、それらの個性をバランスのたくみさと引き算のアンサンブルとで、ここまでシンプルにまとめてみせる、一級品の職人芸よ。

だからこそで成り立っているこのミニマルな作りは、そりゃあそこらの化調とスパイスで固めたマニュアル任せのファミレスバイトバンドが到底出来るものでも全くないことくらいは、80年代からの長い付き合いだからこそ、よーく知っている。
にも関わらず、今回はそのマイナスのほうが目立つからダメだと言っているのは、あしからずペッパーズなこれって話だ。

といいつつも、それゆえに何気に聴き込むと味わいもあるよねって、それ割とカルフォル以降のいつもやんけという結論もチラリ。
なので数年後には、毎度もっての掌返しで何気に隠れた名盤と十数点くらい盛り足されんのを、逃げの最終一手として一応懐に仕舞っておこっと。

以上、今週の4枚でした。

これらを重ね聴きしながらも、つい土曜にクソ出勤せざるをえなかったクソ労働のクソ帰り道に流してしまったTHE 1975の余りにリア充すぎる居心地の悪さにいたたまれなくなり、こういうのは別でやってくれとなったりする今週で死た。
175Rでも食らってろ!(知らん)

ではまた来週。

GILLA BAND, NOVA TWINS, TOXIK, RED HOT CHILI PEPPERS,

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