【今週のチェック】LAMB OF GOD, QUEENSRYCHE, WILLOW, VUKOVI,

LAMB OF GOD, QUEENSRYCHE, WILLOW, VUKOVI, 今週のチェック
LAMB OF GOD, QUEENSRYCHE, WILLOW, VUKOVI,
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聴きたい新作、書きたいアルバムもあれこれ色々と出てんのに、なかなか追いつけない。
そんなポイズンな世の中だけど、かろうじて消化してってやんよ。

今週はもうあれだよ、おまいらラムゴでも聴いてりゃいいと思いますよ。

LAMB OF GOD/「Omens」:85p

LAMB OF GOD/「Omens」

LAMB OF GOD/「Omens」

なんというテンプレぶり。

…とそりゃ確かに思いはするのだけど、でも仮にそれを差っ引いたとしたって十分に「いかちくて熱くてやかましくてカッコイイメタル」という及第点をがっつりこなしているので、それがどうした、だがそこがいい、むしろごほうび、という結論に至らずにいられない新作。

ここにきて初期3枚くらいのゴリッゴリにとんがった獰猛性、ガツガツした殺伐剣呑さを意図的に戻しての、脳筋メタルっぷりを全開アピール。
要所要所に頭悪そうな速い曲ぶっこんでは(勿論、褒め言葉)、剛腕ミドルグルーヴへとまた強引に巻き込んでいく圧巻さながら、しかしそこにもちゃんとベテランバンドらしい旨味をしっかり巡らせているのが、流石だ。
つまりは、一見力技ありきで圧殺するかの棍棒ゲーム展開に見えて、その実したたかに作り込まれているため、思うつぼに運ばれてしまう。

「何言ってっかわかんねーけどやたら激おこしてんのだけはわかる」というランディ無頼の咆哮ヴォーカルを筆頭に、たっぷりの憤怒をこれでもかと塗りたくってコーティングした激昂たれな作風なのだが、ここにも実は多彩なエモーション模様によってそれを際立たせているのがミソ。
だからこその叙情と怒情のコントラストに満ちたラスト曲が、何を況や。
そこらへんにも、PANTERASLAYERの正統後継たるさまを見る思いがした。

畢竟、初期作の傑出ぶりにも接近しうるが、でいて今の彼ららしくもあり。
また原点を見据え直しながらも、最前線で斬り結ぶ殺傷力にも遜色を伺わせない。

これはいいメタル!

QUEENSRYCHE/「Digital Noise Alliance」:67p

QUEENSRYCHE/「Digital Noise Alliance」

QUEENSRYCHE/「Digital Noise Alliance」

少し前にジェフ・テイト(元Vo)とそれ以外サイドに分かれて互いに、俺が!俺達がズライチだ!と刹那みたいなことを言いあって、分裂。

さらにはこっちの一応本家となるジェフ以外の地味組には、昔銀のお面かぶって自分らのフォロワーやってたバンドのそっくりさんシンガー(トッド・ラ・トゥーレ)を雇い歌わせるという、クリカンばりのルパン方式を起用。
挙げ句にはバンド名巡って裁判沙汰と、誰一人見たい人がいない醜い大人の泥試合をこなしつつ、昨年はドラマーが少し休んでる間に気づいたらクビになってたという居酒屋の学生バイト並みな雇用システムを晒しては、ハイまた裁判。
さすがは元祖プログレメタルの知性と気品の最高峰と思わせる紆余曲折を経ての、これで新生スタジオフルレンス3枚目だっけか。

一言でいうと、ここ数枚の流れに、「RAGE FOR ORDER」あたりの初期サイバープログレな緊張感と「EMPIRE」あたりのミドルベースドなメロウネスぶちこんだのを、大量の水でシャバッシャバに薄めたような印象だ。

尤も駆け出しはさほど悪くもないと思うのだが(RATTが始まるのかと思ったM3“Lost In Sorrow”とかそこそこいんだけどな)、それらのツカミ自体がそもそも弱め設定なせいもあんのか、聴き手の引き付けもハンパなままにその後の中盤に向かい、当然ユルユルとタルさの広がりとともにテンションも冷め冷めになって、ラストはちゃんと真顔で減点モードに向かえるという仕様を採用。

いやちゃんと聴けばそれ相応の品質で作り込まれているのも理解出来るのだけど、なにぶんその味わいというのが、よく言えば、手のこんだ素朴な旨味の大人向け品。
悪く言えば、バエも素っ気もない、単に地味で古臭いだけの田舎オヤジ料理ヘヴィメタルというもの。
「いやこいつら昔からそうだったじゃん」てのも勿論十分知っている昭和の身だけれど、それだって昔はあくまで若かりしな昔、今はそこから老いて老いて老いてコレになった今、の話だ。

そのため如何せん曲の元ネタがあれこれと透けて浮かぶ割に、そこまでインパクトもツヤもあるでもなく、引っかかりも弱いままスルスルと抜けていく。

で、果ては最後にドリムシの捨て曲みたいなプログレ展開やり散らかして終了と思いきや、なんてったって反逆のアイドルやってて笑う。
いや正直、全然笑えない。これだったらチルボのキン肉マンのほうがマシか。

WILLOW/「Coping Mechanism」:75p

WILLOW/「Coping Mechanism」

WILLOW/「Coping Mechanism」

THE CARDIGANSが今様インディーロックやろうとしたらメタルの悪意と毒素が思いっきり異物混入してた(わざと)、みたいなオープナーで、ふぁ?!ってなった。
てか、思いの外にメタル度数高くなってんですけど、何なんこのDEFTONESほわぽに覚醒。

あの俳優ウイル・ビンタスミスの愛娘、ウィロー・スミス
そんな血統書付きR&Bの歌姫が血迷って、一躍Z世代パンクアイコンへと転身して話題になった昨年の前作から、わずか1年ちょいか。
詰め込め詰め込めで早くも出されたこちらでは、実は前作のポップパンクは四天王の中でも最弱、我らオルタナインダスポスコアの前ではとそれらの汚水濁流をドバドバ大量に注ぎ込んでの、何でもありな積載過剰ムチャぶりロック路線にテコ入れされてる。

とはいえそこは予算のある人気者、当然ながら外すことのない上質歌ものガールロックの仕上がりに。

結果、この子なら何やらせてもアリかもねとキャラ立ちの消化もよくって、しかもそのあれやこれやがちゃんと「あ、ええやん」と頷けるほどには出来の良い大衆ポップ・ロックとして成立してるから、ちょっとずるい。

ま、この手法貫き通せる猛者ってそうもいないし、いくらそれが彼女のように持ってるひと専売の勝ち組仕様作とはいえ、さすがの無敵マリカースター状態だってそう長くもないんだから、やれるうちにバカスカ打ってったほうがいいわな。

VUKOVI/「NULA」:73p

VUKOVI/「NULA」

VUKOVI/「NULA」

今週の拾いモノ枠。
VUKOVIと書いて「ぶこび」、でいんだろか。

今一つ素性が定かじゃないんだが、なんでもスコットランド出身の女性ヴォーカルユニットで、どうやらこれが3rdらしい。
EDM色濃いめに帯びた安っぽい汎用性の高そうなサイバーパンク・インダストリアル/ニューメタルをここではやっているのだが、でもこれが思いの外に悪くない。

THE CRANBERRIESメタルコアでやってみたな冒頭から続いて、威勢もガタイもいいヴォーカルのお姉ちゃんがおっぱいと腹のぜい肉ぼよんぼよん揺さぶりながら、あはははてめーらみんな揃ってFxxKだクソどもがと上品にわめきたて(M3”Lasso”)、そのまんまテンポよくサクサクとアルバムが進む。

メタルらしいエッジィな躍動感とデジタルな色付けとの調和も程よく、またゴシックみ滴るダークさとガーリーなカラフル・ポップさの塩梅も丁度いいくらいの味付けだ。
出口のないパステル色の悪夢の中を、轟き弾むように「自殺ダメゼッタイ」歌ってる(多分)M6“I Exist”とか、割と好きな感じだぞ?

確かにベタっちゃドがつくベタさだし、コテコテの添加物だから即効性の高さの一方で飽きも早く、も少しアクやパンチがないとこの後流れていっちゃいそうな懸念もあるけど、でも初見さんなので今回は少し甘めに評点したげる。

以上、今週の新作でした。

今週はナニゲに豊作だったかも。
とくにラストのぶっこびの拓、ちょっとチェックしてもええかもですよ。

ではまた来週。

LAMB OF GOD, QUEENSRYCHE, WILLOW, VUKOVI,

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