【今週のチェック】MARY’S BLOOD、POPPY、DYING WISH、ASKING ALEXANDRIA

今週のチェック
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積ん聴消化のための週度企画、今週分。

書きたいアルバムはあるんだけど、でもなかなかレビューをがっつり書けてないんよなー…。

MARY’S BLOOD/「Mary’s Blood」:85p

今週一番リピートして聴いていたのが、これ。

6枚目にして、セルフタイトルドアルバム。
だからどうってわけでもないんだけど、積み上げてきたものを現代メタルベクトルに強めに向けて注ぎ込んだっていう新作。

正直、毎回ポッピズムが弱いというか、あまりソングライティングが器用とは思えない彼女らだけど、でも今回はそこに充実をはかりつつ、看板ヴォーカルによる「勇ましパッショネイトなカッコイ姉御」シンギングを、今までよりも高い次元で満たしている。

なかでも光っていると思ったのは、例えばアグレッションを押し出したM2″Without A Crown“からの、JUDAS PRIESTみたいなリフ曲M3″Blow Up Your Fire“。
そしてANGRAスピリッツを高らかに走らせるメロスピナンバー、M5″Be Myself“。
ミドルでメロウな昭和歌謡フィメイルロック感、ていうかいかにも往年のSHOW-YAっぽい情緒がおっさん心をくすぐる、M6″Umbrella“。
そして後編のグッドメタルチューン、M9″Let Me Out“などなど…。

こんな感じで、あるいはこれまでのアルバムでもそうだったけど、歌もの和製歌謡曲(J POP)×メタル、の旨味を出せているのが、このバンドの魅力かな、とも。

正直、「いるかこれ?」っていうつまんない曲もチラホラあるので、手放しで褒められたものでもないんだけど、でも。
都度思うけれど、てかロックとして当たり前なんだけど、ベビメタもPassCodeもラブバイツも、で彼女らもそうだけど、こうやって若い日本の女子のバンドや表現者のほうが、80年代のおじいちゃんたちの昔の名前に頼ることなく高次元に、ちゃんとした「ヘヴィでカッコイイロックとしての、ちゃんとしたHEAVY METAL」をやれていることの素晴らしさよ。

だって、ぶっちゃけメイデンの新譜やKKナントカやさっき初周したどりーましになったかもの新作よりも、遥かに「カッコイイ、リアルHEAVY METAL」だと、ぼくは思うもんなー、こっちのほうが。

POPPY/「Flux」:76p

出たな、米メタルYoutuber、ぽぴーたんの新作。
きゃりーぱみゅぱみゅ×SLIPKNOTな前作「I Disagree」で、こっち界隈にもインパクトを与えての本作はさてに。

結論から言えばそれを全くも越えてはいないんだけど、しかし往年のNINE INCH NAILS風インダストリアルや90年代オルタナなテイストをアピりつつ、グランジーに、パンキッシュに、メタリックにと、お膳立てが揃えられた舞台の上でそれらを齧り散らかしながら、エキセントリシティーをばらまき演じる彼女の個性には、まあ、なってはいるだろう。

正直、手垢のつきまくったコンビニ幕の内ポップロックだと言えばそこまでで、別段これを高売りするつもりもない。
実際こんなの薄っぺらい90年代産業グランジ劣化コピーじゃねーかと批判されたらそれまでで、それ以上のものだとは、音楽的にも全く思わない。

なので別段レビューして取り上げる程のもんでもねーかなとは思うけれど、でも例えばきゃりーぱみゅぱみゅ×グラインドコアなM4″On The Level“とか、こういうトガりやらかしてる楽曲がポロっと見られるのが面白いので、つい見入ってしまう。
そういう存在感は面白いかな。

DYING WISH/「Fragments Of A Bitter Memory」:72p

ピチホ他でそこそこに扱われていたので、試しに聴いてみた。

アメリカはオレゴン州ポートランドの新人女性ヴォーカルメタルコア、デビューアルバム。
こういう女性ヴォーカルものがあちこちで見られていて、そろそろ「ふーん、で?」化してきているけれど、これもそれ。
それ以外のアピールが、弱い。

その激しさが話題になっているだけに、アグレッションは、いい。
メタリックなパワフルさも、いい。
かみつかん威勢の良さも、いい。
でも、で?って感じで、それ以上が現状では伝わらない。

嫌いじゃないけれど、インパクトというか決め手に欠ける…といったところかな。
悪くはないから、次作に期待。

ASKING ALEXANDRIA/「See What’s On The Inside」:68p

言わずとしれた人気者メタルコアの新作…だけど、バンドの勢いの衰えが覗けるような、随分と地味で面白みの少ない出来ばえだなあ…。

成熟が進んで、なんだろうね、良く言えば「大人のメタルコア」に。
悪くというか、普通に思うことを言えば「物分りのいい、つまんなく日和ったおメタル」になった。

やや芝居がかったヴォーカルを活かした「歌ものポップスメタル」という完成度は悪い出来でもないし、いい曲を連ねることの基本はしっかり出来ていて、これはこれで決して出来として悪くはない。

でも…悪くなきゃいいってもんでもないでしょ?
だって、こういうロックはアゲられないとダメだろ、やっぱり。
その意味でも、あんまりワクワクしないアルバム。

M4″Never Gonna Learn“(↓)とかやらせると流石なんですけどね…。
でもぼかあもういいかなー、これは。

以上、今週の4枚でした。

今週はもう、メリブラばかり聴いてましたね。
これ、なかなかええんじゃないでしょーか。
今週のお勧めです。

ではまた来週。

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