萌えない「けいおん!」~THE LINDA LINDAS/「Growing Up」:60p

アルバムレビュー
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THE LINDA LINDAS/「Growing Up」:60p

もちろん元ネタは、あの日本のゼロ年代制服青春学園祭ガールズバンド映画だ。

人種のサラダボウルシティ、LAでそんな東国の青春ガールズドラマに感化されたjkとjcたち。
早速アジア系4人で少女バンドを結成し、そこで行った図書館でのライブがネットで大バズリ。
(図書館って!という警戒ポイント)
それが注目を浴びて、あれよあれよと話題になった挙げ句に、で殿堂エピタフに目をつけられてという、何このシンデレラストーリー。
しかも「ザ・リンダ・リンダズ」と、バンドネームからうっすらと漂うサブカルスメルに心のパトランプが鳴りかける、米ガールパンクスのこれが当然ながらの1stデビューアルバムだ。

そんな、ネット世代の青春ハツラツUSフレッシュ・ガールポップパンク。
ここにもし、あずにゃんTを着た烈海王がいたら、こう言うだろう。

 

いやなー、
今更アメリカ版リアル「けいおん!」とかやられてもなー。
なんすかねー、アジア系の幼い青春少女たちが揃ってこういうパンクやるってのも向こうじゃ新鮮なんかねえ…。

尤も内容は、ごくごくありきたりのティーンエイジャーな普通さ。
無邪気で、無茶で、夢中で、素朴。
それ以上はこの後に期待って感じで、ここにあるものはあくまで身の丈、半径数メートルにかじってきたありきたりのパンクロック。
良くも悪くも、もしこれが日本だと考えたらば、そりゃ大の本気な大人たちが舌なめずりで手に垢べっちゃりつけての、コッテリとアイドル臭ぷんぷんなベビメタ仕立てになるところで、はてそこを一体どう受け止めるか。

むしろそっちが好きなぼくとしちゃ、話題性の割に小粒ってか普通で物足りないわ、そもそもからしてあんまりかわいくもかわいらしさもないわで、要するにこれじゃ萌えようもない。
やっぱりぼくらって(日本の)アイドルのように擬似的に周到に作られ飾られた「かわいさ」をかこって共有して愛でたい気持ち悪い人種なのであって、そういうキモヲタからすれば、明らかな「コレジャナイ」感。
なので、ここまで書いといて実は扱いに割と困ってきてんだが、んじゃ扱わなきゃいーじゃんな、というさて困った今ココをどう片付けんべか…。

でもラストの“Racist,Sexist Boy”(↓)だけはちょっと面白いかな…と思って動画を貼り付けてみれば、ああ、これが例の図書館ライブでバズったってヤツねハイハイ。
しかもなんかドラマーの一番ちっちゃい娘、BIKINI KILLのTシャツ着てんですけど。何の策略かしらんが、狙ってんだよなやっぱり。

でもなあ。正直、基本萌えないと刺さらないんだよねえ、こういうのは。
「みずみずしいその場限りの等身大の感性をそのままストレートに…」みたいなロキ○ン与太評とか、マジでいらんし届かんし意味ねーし。

と、そんなゼロ年代の萌え豚がここに残す遺言はただ一つだけ、
「萌えないけいおんはただのサブカルだ」

いやはや、こういうものを、テメエこそが老害のくせに自分は違うとばかりにさも物わかりよさげヅラでポエムる老人たちこそ信じちゃいけないよ少女たち。(※注釈1)

 

※注釈1:当然自戒も含めての意だ。

DATE
    • アーティスト名:THE LINDA LINDAS
    • 出身:US
    • 作品名:「Growing Up」
    • リリース:2022年
    • ジャンル:PUNK、ALTERNATIVE、GUITER ROCK他
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