うるせえメシュガー~MESHUGGAH/「Immutable」:70p

アルバムレビュー
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MESHUGGAH/「Immutable」:70p

前作から6年ぶりだというから、それなりのロングスパンとなったもんだ。
何でも、これで9作目であるという。

とはいえ個人的評価としては、元祖Djentと崇められ始めてから、垢抜けが進む一方で魅力がすっかり目減りしてきたこのバンド。
うーん、やっぱりピークは名EP「I」くらいだったかなあ。
「ObZen」以降、すっかりアルバムを楽しめなくなってきたというのが、本音のところだ。

挙げようと思えば、その理由だってそれなりに指を折れる。
やれ、リズムものに特化したぶん退屈になってきた。
やれ、娯楽性が低い、やれ、実験性とかいう冗長の度がひどい…。

などなど、似てるようなものながらそこに幾つかそれっぽい理由らしい理由も探せるのだけど、でも結局のところ、要するにこれだ、「メタルの面白みが減った」。

プログレッシヴさの増量のぶんだけデスメタル、つまりは「うるせえメタル」としてのカタルシスがどんどん希薄になっていった。
これが、彼らから興味を失っていったその私的最大要因に他ならない。

よってさほど期待も正直抱かずに向かった本ニューフルレンスだが、しかし。
これが意外にも旧来のアグレッションとヘヴィネスを備えたエクストリミティを少しばかり取り戻しており、「うるせえメタルとしてのMESHUGGAH」がそこそこ程度には見られるのが初期ファンとしては嬉しいところではある。

するとどうだ。
そんな従来の彼ららしい、超絶やら激烈やらがつくまでの変速リズム技。
それを、執拗に、偏執的に、病的にひたすら組み立て、組み立て、組み立てていくことで、不安が不安を呼び煽っていくではないか。

ポリリズム、ポリリズム、ポリリズム、ポリリズムリズムリズム…↓(暗黒に)

そんな不吉の堆積ごっそりダークトーンが、より重厚さと圧迫力のあるダイナミズムで体感できるようになっている。
そこは、ちょっとこのアルバムのいいところだ。

ま、とはいえ、なのだ。

実際やっていること自体にゃそう幅があるでも新味もないのに、やたらボリュームだけがある。
で色調はモノトーンのみということもあって、後半、ぶっちゃけ、食い飽きる。

判った、オーケー判った、そろそろもうええわ、と。

するとやっぱり最終的にはいつも同様に「すげえっちゃそりゃーすげんだろうけど、でもそんなおもんないよねえ」という、先に触れた近年MESHUGGAHにおける「それを言ったらそこまで」問題が再び頭をもたげてくる。

うーん。
結局ながら、正直に言ってぼくはそんなこんなで、やっぱりこうなってしまうのだ、
MESHUGGAHは初期に限る、と。

DATE
    • アーティスト名:MESHUGGAH
    • 出身:スウェーデン
    • 作品名:「Immutable」
    • リリース:2022年
    • ジャンル:DEATH METAL、Djent、EXTREME METAL、TECHNICAL DEATH METAL、他
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