何でも出来る優等生~ELECTRIC PYRAMID/「Electric Pyramid」(75p/100)

アルバムレビュー
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ELECTRIC PYRAMID/「Electric Pyramid」(75p/100)

まるでブリティッシュロックの正攻法を記した教科書みたいなアルバムだ。

英国期待のホープ、らしい5人組のデビューフルレンス。
「ネオ・ノスタルジックロック」だのと暖簾が掲げられているようだが、要は現代の感性によって70年代ブリティッシュロックを今様にモダナイズしたかのようなもの。
シンガーが何でもQUEENの元マネージャーの息子ということで、それも話題の一つとなっているようだが(まあいい宣伝材料にはなるのだろう)、でもそこは別にどうでもいい。
それよりも秀逸なのは、正攻法ながらもそこにリバイヴァリスト独特の丸パクリ感がないことであり、故にこそサウンドは多彩でありつつ、しかしそれでいながら英国ロックバンドとしての主軸をブレさすことがない。

例えば、時にブルージーなコクと渋みを纏ってみせ、また時には90年代ブリットロックらしさを見せたり(↑)、はたまた時にはグラム調なロックンロールを披露…。
と、このように幅広なスタイルをお手の物とこなしているのだが、しかしそれでもやはり英国バンドらしいルーツィーなロックをやらせると何よりしっくりハマるのが流石だ。
時折ギターに映える、枯れた哀愁も何とも鮮やか。

 

★追記(2021年06月12日)
「今週のチェック」から引用。

まあ、普通にいいです。
時に大陸ぽかったり、グリッターぽかったり、黒艶見せたり、これ80年代メタルだよなってのもあったりしながら、氷月くんに褒められるくらいちゃんと英国ロックしてる。

ていうか、要は出来がいんだよね。
だから、なんでも出来ちゃうし、器用にさらっとこなしちゃう。
ちょっと意地悪に言っちゃうと、優等生臭いんだけど、でもだからといってそれが鼻につくようでもない。
こなれているというか、堂に入るというか、ウブさがないというか、良い意味で新人らしさがない。
溌剌さよりも大人っぽい渋みのが勝っている。
曲作りにもスケール感があるし、期待のホープというのも判る話。

レビューページにのせた#1″Lone Runner”(↓)は華やかでいかにもPV候補なオープナーで、それもまあ悪くはないんだけど、2曲目にこれ持ってくるかというレイドバックした#2″One Go”のほうが個人的に好き。
#5の”Looking For Love”もそうなんだけど、これらなんかホント、その新人らしくなさがにじんでる。
ロキノンじみてないのも好印象。ってなんだそれは。

 

DATE
  • アーティスト名: ELECTLIC PYRAMID
  • 出身:US
  • 作品名:「Electric Pyramid」
  • リリース:2021年
  • HARD ROCK、ALTERNATICE他

 

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