MAMMOTH WVH / “Mammoth II” :86p
エディ・ヴァン・ヘイレンの実の息子であるというマルチプレイヤー、ウルフギャング・ヴァン・ヘイレン。
もっとも見てくれ的にはウルフだギャングだという以前にラーメンとピザばっか前デビュー作に続いて2ndアルバムが早くも届いたのだが、これがその前作を軽めに凌駕してる出来の良さでマンモスウルフィー。
基軸はやはり彼の出自らしい90年代オルタナティヴ系譜なUSスタンダード・ハードロックの現代解釈。
つまりは現代アメリカン・アリーナロックの王道といっちゃ王道なのだが、それでありつつもときにVAN HALENみたいなミドルチューンあり、ときにグラマラスなポップ曲あり、はたまたエヴァーグリーンな英国風パワポありと、前作からぐっとカラバリ大増色。
しかもそれらのクオリティがいちいち高くて、途中で息切れするかと思いきや後半に向かうに従いその映えがめきめきと鮮やかに増していくから驚いた。
いや、確かに前作でもその楽曲センスの秀逸さは顔をのぞかせていたけれど、あれは始解でこれぞ才能卍解、見事なまでの本領発揮と相成っている。
例えば、M2“Like a Pastime”はじめ、冒頭数曲に割と濃いめに漂うFOO FIGHTERSっぽさも寧ろこれはこれで頷ける好感触だし(曲によってはいい意味でNICKEL BACK、もしくはALTER BRIDGEってときもあり)、一方で前作に黒みを与えていたアリチェン色素が減退したぶん、M4“Miss Above Me”のような繊細なエモーションを出してきているのも面白い。
しかしアルバムイチの盛り上がりどころはやはり、グラムロックをAC/DCの縦ノリで叩き伸ばした、て要はそれDEF LEPPARDなハツラツ明朗ロックンロールM7“I’m Aright”から、私が化学的にロマンスするエモポップM8“Erase Me”の流れに尽きるだろう。
この2曲の抜きん出た出色ぶりを前にしては、やれ◯◯風と評するのもくだらなくなってすらくるようだ(はいすみません)。
正直、前作時にはまだそのストレートな「普通に等身大で気持ちいいロック」の反面に孕んだ、それがゆえの小粒さと器用貧乏さへの懸念も抱いたものだが、しかし。
ここで目出度くそれらが完全払拭されたどころか、もはやある種の余裕や貫禄すら漂い始める始末で、ようやくその名と体格に相応しいビッグスケールに育ってきたかの印象を抱いた次第だ。
もちろん、親父の血を受けての弾き倒しサービスギターパートも、たまにあり。(M5“Take a Bow”など)

MAMMOTH WVH / “Mammoth II”
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- アーティスト名:MAMMOTH WVH
- 出身:US
- 作品名:「Mammoth II」
- リリース:2023年
- ジャンル:US HARD ROCK,ALTERNATIVE,
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