夕方から飲んで寝落ち→夜中起きて寝れなくなる→仕方ないので一人飲み会→盛り上がって朝方まで続く→起きたら昼過ぎ、という正しいお盆休みを過ごしています。
雨だし緊急事態ウンコだししょうがないよね!
てことで今さらながらの週末朝じゃもうないけど、コオヒイひいてレコオド流してお盆でも休日恒例ヴァイナルカフェ。
BONFIRE/「Fireworks」(1988)
お盆だから盆ジョビ聴こうと思ったけど前に書いたし、盆・グルーヴも盆グジラもアナログ持ってないから、仕方ないから盆ファイヤでも聴くよお盆だもの。
てことで、BONFIREといえば何と言ってもこのアルバムだ。
リリースは1988年。
HELLOWEENフォロワーが我が世の春とばかりにハバを効かせ始めていたブラガヘブゲガンマなジャーマンメタル戦国前夜、ドイツといったら未だスコピアクセだった頃に、このアルバムはドロップされた。
勿論、出身はドイツ。
当時ACCEPTからウドが脱退し、みんな(もちろんぼくもだが)第二のACCEPTの存在をドイツのメタルに探していた。
そんな頃合いに、ぼくが飛びついたのがこれだった。
いや、言い過ぎた。
同じ頃に出たVICTORYの1stだか2ndだかが期待はずれだったから、訝しげにつまんでみたら、予想を数倍超えて素晴らしかった。そんな記憶がある。
ってそんなBONFIREをこの2020年代の盆ファイヤに語る人はおろか、読んでくれる人すら余りいなそうだが、まあいい、始めたものは続けよう。
彼らのデビューは、前身CACUMENに遡れば1980年代初期にもなるのだが、BONFIRE名義としての活動は1985年前後からだ。
映画「ロード・オブ・カオス」で「こんなだっせえクソバンド聴いてるようなチン毛は出直してこい」とロゴバッジをはじかれてポーザー扱いされていたことで知られるSCORPIONSタイプの正統派ジャーマン・ハードロック・バンドとして、前作「Don’t Touch The Light」でデビューした。
尤も、あれもあれでB級なマイナー臭ある味わいの良盤故にいつかここでも取り上げたいが(幸いアナログ持ってるし)、しかしそれに続くこちらは研磨と洗練が進行。
結果、本作はアメリカナイズドが最も程よい具合になされた、紛れもない最高傑作となっている。
しかも、アメリカでもリリースされた。
さすが大手BMG、スコピに続く二匹目のドジョウとでも考えたのだろう。
というか実はぼくが持っているレコードにある、このメンバー写真ジャケはオリジナル仕様ではなく、その北米盤仕様のものである。
(元々のオリジナルジャケは上の画像だ)
ところで、どうやらこのアルバム制作前にドラマーが脱退したらしく、ここには写っていない。
え、と思って調べてみて初めて、その代わりにゲストドラマーとしてケン・メリーが参加していたことを、ついさっき知った。
て、あのFIFTH ANGEL〜HOUSE OF LOADのかよ!
30年も経って知る事実。人生とはいつ何を知るかわからないものだ。
実際、出来がいい。
なによりも音楽性が、良い。
極めて王道、真っ当な80年代正統派ハードロック。
SCORPIONSタイプ、とは言ったがもう少しばかりアメリカ指向。
しかしもっとハードエッジで、何よりこの頃にはまだ欧州バンドらしいしっとりした湿気が残っていた。
まさにジャーマンパワーメタル前の独産正統派メタルといった趣だが、ACCEPTほど重くはない。
この何ヶ月か後にウド脱退後のACCEPTがアメリカ人シンガー、デイヴィッド・リースを迎えて「Eat The Heat」を出したとき、あ、似てはないけどテイスト的にはこれに近いかなって思ってた。そんな感じだ。(※註1)
なんと言っても”Ready 4 Action”だ。
と言っても、昔のBurrn!のコラムコーナーのことじゃない。このアルバムのオープナーだ。(↑)
程よく哀愁を乗せたメロが勢いよく走る、彼らきっての名曲だ。
しかも、速い。速いのは、メタルの絶対正義だ。
それからM4”Champion”。(↓)
やはりアップテンポナンバーだが、程よい明るさと印象的なサビが与えてくれる高揚感が、当時からぼくは大好きだった。
それとギターの所々にSCORPIONSを思わせる泣きメロが見えるのも、彼ららしい。
というかそれこそが、スコピぽいと言われた所以だ。(あとヴォーカルスタイルもだけど)
特にM2“Never Mind”で見せる泣きメロとクラシカルさを合わせた、ぐっとくる秀逸なプレイがいいのだが、それはこの後見ることは叶わなかった。
と。そんな本作でぼくを歓喜させてくれたBONFIREだが、次の「POINT BLACK」で不吉なマガジンマーク発生。
いや、悪いとまでは言わないのだが、ふりきった過度なアメリカナイズドは、いい味だったドイツらしいウェットネスを脱臭させてしまい、その魅力を半減させてしまったのである。
「垢抜けりゃ、いいわけじゃない、ヘヴィメタル(字余り)」
かくしてBONFIREはそれ以降、当時山程に見られた教訓をぼくらプレ・ジャーマンメタル好きに残して、しばらく数枚のアルバムを出した後に消えていくのだった。(※註1)
「Fireworks」。
そんなBONFIREのこのアルバムは、彼らの魅力を最大に伝える最高傑作であったのと同時に。
まるでそのタイトル通り、まばゆくもはかない、あの時代のみが生み出した峻烈な一枚だったのだ。
※註1:そのBONFIREが復活し、そしてそのデイヴィッド・リースがまさかのシンガーとして加入することになるのは、2000年代に入ってのことだ。
- アーティスト名:BONFIRE
- 出身:ドイツ
- 作品名:「Fireworks」
- リリース:1988年
- ジャンル:HARD ROCK、HEAVY METAL、欧州HARD RCOK、GERMAN METAL、他
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。