黒雑記2021 07/28:エドゥ・ファラスキとかいう元ANGRAの新作wwww

黒雑記
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いきなりのボヤキで悪いんだけど、昨今のエピックメタルがクドくて苦手だ。

大体、どいつもこいつもシンフォシンフォで差別化できなくなった挙げ句、ごっちゃごちゃ無駄に塗りたくっては大仰比べのインフレバトル。
やれべっちゃりごってりと、シンフォだオケだオペラだ何だ…。
それをこじらせた、ゾナハ病のような近年欧州メタルの大疾患、「エピック病」。
あれ、ほんとキツいっすわー。
メタルの本質、見えなくなるくらいに塗りたくればいいってもんじゃねーだろうに…。

おっと、そんなことはただのおっさんのボヤキだ。
放っておいてくれ。

そんなことよりも、
ていうかそれを少々だけ踏まえての、本日の本題だ。

ANGRA
言うまでもなく、ブラジルのメロディック・パワー・メタルの、アレだ。

さて、「アレ」と言ったら、ぼくは断然、初期二作派だ。
というか、それ以降をろくに覚えていない。

全然ぱっとしなかった「Fireworks」でヴォーカルがエドゥ・ファラスキに交代。
続く「Rebirth」と「Temple of Shadows」は、まあちょっと良かったかなって位の印象で、正直言うと、ほとんど記憶がない。
というか、なんだかスルスル抜けていくようなアルバムだなっていう記憶があるが、今や実際にスルスル抜けきって、覚えていない。

あれえ、エドゥ期のANGRAって、どんなんだったっけ?
だから、エドゥ・ファラスキ時代の思い入れが、ぼくにはない。
(寧ろエドゥはその後のALMAHのがどっちかといえば好きなくらいだ)

さて。
そんなエドゥ・ファラスキ率いるソロバンドが、いつの間にかアルバムを出していた。

Vera Cruz」。

へえー。
なんとなく、気まぐれで遅まきながら聴いてみる。
5月発売のアルバムを、今頃に。
つーか、遅いってゆーか、興味がないんだからそりゃ遅くなる。

1曲目。

なんだこりゃ。
映画のワンシーンみたいな大げさなSE。
出たぞ、エピック病か?
シンフォだオケだオペラだ何だ、のアレか?

げげっ、コンセプトアルバムぅ~?
イヤな予感がする。
ていうか、イヤな予感しか全くしない。

ああ………。

さて、そのオープニングから雪崩込む、#2″The Ancestry“。

…お、意外と、いやかなりファストだし、何よりサウンドが思った以上にメタリックだな…。

何せギュルギュル走るギターに、ビートが畳み掛けている。
うん、パワーメタリックだ。
思いの外に刺々しくて、アグレッシヴ。

まあ、悪くはないな…。
これは、少し、いいかもな…。

#3″Sea Of Uncertainties“。

アップテンポに、攻めたてるビートと、メロディ。
そして印象的な歌メロ。
ヴォーカルのソロバンドなのに、インスト勢が相当に頑張っている。
それが、大仰さに負けていない。
しっかりと、メタリックだ。

それにポコチャカヒャンヒャンなブラジリアンテイストは昔のANGRAを思い出させてくれるし、何よりも勇壮なメロでアゲてくれる感じが、いい。

#6″Crosses“。

またもや、疾走曲。
だがフックの掛かりが、メロディのパンチの桁が、違う。
HELLOWEENを思わせる、強烈な高揚感。
クラシカルだが、それ以上にパワフルだ。

いや…。
いやいやいや、待て待て。

これ、いいぞ!?
かなりいいぞ。

そうだ、あのANGRAだ。
これぞブラジリアン・メロディック・パワー・メタルだ。

#11″Face Of The Storm“。

スラッシィなリフに、マックス・カヴァレラの野太い獣声が、吠える。映える。
文句なく、素晴らしい。

何より感情の高まりが、いい。
クライマックスに相応しい、名演だ。盛り上がりだ。
映画みたいなSEも、シンフォもオケもオペラも、みんなメタルの味付けを担っている。

そうだ、これがANGRAだ。
メロディ、スピード、パワーの三要素。
さらにそこに、ドラマティクス、リリシズム、アグレッションが揃えられた、そうだこれがANGRAだ。

以上、エドゥ・ファラスキさんでしたー。

あっれー?
エドゥ・ファラスキって、中期ANGRAってこんなんだっけか。
もっと良くなってんのか!?
それともぼくが見間違っていたのか!?

そんなわけで、エドゥ・ファラスキのソロバンドのデビューアルバム「Vera Cruz」が、ANGRAみたいで最高すね、という結論に至った次第ですが、ええと。
えーと、その…、
その、最初の、ですねえ…。
エドゥがスルスルでなんだとか、とかそのくだり、がですねえ……。

 

さーせんしたぁー!

ぼかあ中期ANGRA、完全にナメてました。
もっかい「Rebirth」から出直して、勉強し直してきます…。

それと最後に冒頭に少しだけ戻るのだけど、これを聴くとシンフォだオケだオペラだも程度問題だということがわかりました。
度を越さずに程よいメタルへのエッセンスになっているのであれば、十分楽しめるな、と自覚。
それもまた勉強になりましたですハイ。

では。

 

★追記(2021年07月31日)
「今週のチェック」から引用。

すみません、正直ナメてましたエドゥ・ファラスキ
てことで本当はちゃんとレビュー書くつもりだったんですけど、余りに良いので勢い余って雑記枠で扱ってしまいました。
来週もう一度改めて書こうかな、とも一瞬考えたんですけど、でももう書くことないしな。
そんなわけで、勿論今週のオススメ決定であります。

しかし改めて聴いてみると、何よりもいいのはプログレッシヴさやシンフォニックさに全く負けていない、メタルとしてのどストレートなアグレッションだ。
そのパワー・メタルとしての、十分に有り余るパワフルさが、いい。

特にギターが、予想を大きく超えて頑張っている。
始終これでもかとばかりに弾きまくるシュレッディングプレイは、そのテクニカルさも含めて、意外というか異常なまでの大貢献だ。
印象的なギターラインを、というわけでもないのだけど、そのぶんだけ脳筋パワーファイトしていて好感が持てる。

調べてみるとこのギタリストはロベルト・バロースなるプレイヤーで、エドゥとこのアルバムをメインで作ったパートナーのような存在らしい。
なお、ここで本作というかこのソロバンドの製作陣営に触れておくと、その他元ANGRA枠からアキレス・プリ―スター(Ds)にファビオ・ラグーナ(Key)、それからALMAH枠のディオゴ・マフラ(G)、ラファエル・ダフラス(Ba)といったところで固めているらしい。

にしても、門外漢が全く余計なお世話だけど、そんなぼくですら「これぞANGRAだよ」と喝采するようなものを元シンガーのソロ独立バンドでやられたら、本家はどれ程ぐぬぬとなるものか。
いや、そのくらいに力作だったと思います。

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