天才が残した遺品~OZZY OZBOURNE/「Blizzard Of Ozz」(1980)

ヴァイナルカフェ
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雨模様の梅雨空を眺めながら、三連休の終わりの朝を満喫する、日曜朝。
おっとそろそろ始めようか、コオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。

今日は「ランディ・ローズ物語」ってことで、いつになくシリアスに語っていくとしましょうか…。

OZZY OZBOURNE/「Blizzard Of Ozz」(1980)

1978年。
BLACK SABBATHを脱退したオジー・オズボーンは、その終焉の地となったLAで次なるソロ活動のためのメンバー探しをしていた。
そして、そのギタリストの候補として選ばれていたのが、ランディ・ローズだった。
尤も当時のランディ・ローズは、いくらQUIET RIOTに在籍していたとはいえ、当時はまだ経歴の浅い無名の新人。
よって当初はオジーにとっても、ランディは何人かいた候補の一人でしかなかったという。

しかし、他に目ぼしいギタリストがいなかったことから、オジーは試しにランディをイギリスに呼び、二人で作曲活動を行うことにした。
ランディ・ローズという駿才が世に放たれるのは、この日からである。

というのも、黒魔術や悪魔的といった、BLACK SABBATHのイメージの延長戦上にありながらも、新しいヘヴィメタル・サウンドを目指そうとしていたオジーの狙いに、ランディのクラシカルなヨーロッパスタイルのギターセンスがこの上なくマッチしたのだ。

クラシック音楽から影響を受けたランディのギタープレイは、柔らかかつ繊細。
そして、独特のダークなリフメイクと、美麗なリードプレイが印象的といったものだ。
また何よりも教会音楽のような気品とドラマチックな持ち味が、オジーのそのキャッチーな歌と、狂的ながらもどこかコミカルな暗黒キャラクターと相性よくハマることとなり、オジーの目指す新たなヘヴィメタルの創造を成し遂げていくのであった。

1981年、
ソロバンド1作目となる、この「Blizzard Of Ozz」は、そんなオジーとランディという二つの類まれなる異才が生み出した、彼のキャリアにおいても屈指とすらいえる名盤だ。
アルバムのオープナーにして、ソロとしてのオジー・オズボーンを一躍メタルヒーローへと押し上げた名曲“I Don’t Know”。
そして、その躍動感を受けながらも、トーンを変えてポップに走る代表曲、”Crazy Train”への流れ。
これらの不朽の名リフワークもさることながら、これぞランディのメロディセンスとも言うべき、”Goodbye To Romance”。ここでのソロパートは、殊更に絶品だ。
更には昭和メタルキッズなら誰もが練習した、美しい”Dee”。
ヘヴィでありながらも、悲しさをたたえるギターが余りに切ない”Mr.Crowley”。
そしてクライマックスは美的にして劇的、まさにランディローズの煌めきをままに注いだかの如く圧巻な、”Reveration“〜”Steal Away”…。

このように、収録されているのはいずれも珠玉の名曲ばかり。
そしてこれらは皆、かの二人が揃ってこそ作り得た奇跡の産物である。
ランディがここにもたらした旋律美や名演もさることながら、そんな彼のセンスをここまで引き出してみせたオジーも、また見事。
QUIET RIOTでの活動から、ランディ・ローズというギタリストがここまでの逸材であったことを一体誰が予測しただろうか。

しかし。
既に皆ご存知の通りだが、そんなランディ・ローズは、1982年3月19日、飛行機事故によって帰らぬ人となってしまうのであった。
つまりランディが眩いロックの表舞台に立ったのは、たった三年強。
そんな短い期間の中、ランディ・ローズという才能は余りに峻烈に咲きほこり、そしてそのままは、散ってしまった。

80年代という、華やかなりしメタルシーン。
兵どもが夢の跡、しかしそこにランディ・ローズという一人の天才が残した、数少ない結晶の一欠片。
これがそのアルバムなのだ。

DATE
  • アーティスト名:OZZY OZBOURNE
  • 出身:UK/US
  • 作品名:「Blizzard Of Ozz」
  • リリース:1980年
  • HEAVY METAL、正統派HEAVY METAL、NWOBHM、様式美METAL

 

ヴァイナルカフェとは
近年やっとアナログレコードにハマった超絶情弱時代乗り遅れ管理人、黒崎正刀が、休日の朝に趣味でコオヒイをひいて、その日の気分で持ってるレコオドを流し、まったり鑑賞している間にゆるーくSNSなどで書いているものを、こちらのブログに転用したもの。
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。
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