【今週のチェック】GO AHEAD AND DIE、RISE AGAINST、HAMMER KING、THE QUIL

今週のチェック
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今週は、小粒ながらもなかなかの豊作。

お勧めとしてGO AHEAD AND DIEを当初は選んでいたのだけど、聞けば聴くほどRISE AGAINSTの評価が高まっていく。
なので、今週のお勧めはその2枚にしておきます。

GO AHEAD AND DIE/「Go Ahead And Die」:83p

【今週のお勧め】

(略)かつて父が目指し、これで世界を取ってやるのだと挑んだ音楽を、今度は子がそれを次いで、その現代感覚によって追おうとしている。しかもその傍に、偉大な父を据えて。
確かにこの音楽は一見、荒々しく凶々しいことこの上なく聴こえるかもしれない。しかし、そこに流れている愛情は、実に温かなことこの上ないものだ。

音、きったねー。
そこがいい。それがかっけー。それが判ってる。
昔の、あの時代のB級スラッシュメタル聴いている気分。
つーか初期SEPULTRAだよね、もうこれは。
モダンな片鱗もそりゃ勿論あるんだけど、だけど見ているのが明らかにそこっていうのが、いい。

文句なくカッコイイメタル。
そして、すげえかっちょええ親子だよなあ…。

あ、前回貼ったようつべもいいけれど、カヴァレラジュニアが埋葬されるこれもいいです。↓

RISE AGAINST/「Nowhere Generation」:79p

【今週のお勧め】

(略)つまりは、パンクバンドとしての成熟と、ロックバンドとしての洗練。
それら双方に折り合いをつけながらこれまで歩んできた彼等の、その2021年の現在地点を伝えるような、そんなベテランらしい実直にして堅調なアルバムだ。

いわゆる、スルメアルバムだ。
噛みしめれば噛みしめるほどに、味わいがある。

正直、最初聴いたときは、「ふーん、ま、いんじゃね?」って感じだった。
ここんとこのアルバムと似たようなもんだろと、ぶっちゃけ思ってた。
なのに、繰り返しているうちに、じわじわ染みてくる。地味なのに、めたくそ染みてくる。
あれこれ、下手したらここんとこの彼等の作品のうちでも結構抜けてんじゃね?って気になってくる。
そして実際、いい。

アップテンポにしたフーバスみたいな#2″Sudden Urge“から、フーファイみたいな#3”Nowhere Generation“へ。
こういうのをさらりと巧みにこなせるバンドになっていることも評価出来るポイントだ。
更には、いかにも彼等らしい、#4″Talking To Ourselves“や#7”Monarch“は勿論いいし、アコチューン#6”Forfeit“も大人のパンクバンドらしい渋みと落ち着きがあっていい。
このようにファストチューンの中にも変化球を絡めて、緩急程よくアルバムに抑揚をつけて飽きさせずにアルバム一枚、気持ちよくテンポよく駆け抜けさせてくれる。

しかも重要なことに、ロックとしての熱度が落ちてない。
まなざしが、熱い。歌が、熱い。
日和ってもないし、しゃがれてもいないし、若くはないが、それでもまだまだ十分すぎるくらいにエネルギッシュだ。

では、なんでこんなに熱いのか。
なぜならそこに熱い、だけど幼稚なガキのくだらない戯言ではない、大人の男の社会に対するメッセージが乗るからだ。
子どもたちへの、生きることへのはっきりとした明確な主張があるからだ。
それが実は、ロックの持つメッセージ性というやつだ。
重要なのは、言いたいことの内容じゃない。内容は正直、どうでもいい。それより、熱度だ。
なぜならそれが、俺はこれを伝えるのだという、歌にのせるパワーの源泉になる。
歌が、上っ面じゃなくなる。歌に魂がこもる。歌に生々しい熱気が脈動する。
最高じゃないか。最高にロックじゃないか。

これはそんな、今を生きている大人のパンクスのアルバムだ。
速いだけがパンクだと勘違いしてんじゃねーぞ、そういう大人のパンクアルバムだ。
理想的なまでにいい歳の取り方をしているおっさんパンクバンドの、ロックバンドの力作だ。

というわけで当初は79pにしてしまったものの、今の印象だと軽々と80pは超えている印象。
そりゃあやっぱりこれをお勧めしとかないわけには流石に嘘だろ、ってことでお勧め枠入りです。
やもすれば今週4枚中のトップランカーかもしれない。

HAMMER KING/「Hammer King」:78p

(略)スピード、メロディ、そしてパワー。
いずれも欠かせない三拍子がガッチリ揃った、男のための男メタル。
嗚呼そうだった、これがぼくが愛したジャーマンメタルだ。

言うこと言い切ったから、もう余り言うことはないんだけど、と言いつつ言うんだけど、まぁ、あれですよ。
THIS IS ジャーマンメタル。これに尽きる。 

まず、ビートもズッシリガッツリ効いている、実直だけどヤワじゃなくてイナタいメロディックパワーメタルなので、全然好きですねぼかあ。
脳筋メタル最高。
メタルは、それでいい。そこがいい。だからいい。

特に#2″Baptized By The Hammer“↓をはじめ、初期ブラガ味が滲んで疾走するところとか、最高な胸アツ展開だ。
もう本家はどうせこういうのやんねーんだろうな、つーかもうどうせ出来ないんだろうな。
大体、クラシック音楽としょーもねえクソみてーなウンココラボしてる場合かっつの。向かってる方向トチ狂ってんじゃねーよ。おめーらにとってクラシック音楽やドラマティズムってのは「手段」だろ?手段を目的化してどーすんだよ、入れ違えてどーすんだよ。っておーい、黒い崎っぽ出てんぞおーい。
ってなわけで、そう思うと余計こういうメタルが愛おしくなりますね。

あと、アーライスピリッツが乗り移ったような#4”Hammerscchlag”も最高。
(つーか楽曲タイトル、Hammerばっかだなおい!)
「カボチャの新作、アーライ度数思ったより足りてねーじゃん!」という人にはこっちのお薬出しておきますね。

THE QUILL/「Earthrise」:70p

(略)このアルバムは、作品は、音楽は、ぼくたちという存在は、突き詰めれば最終的に「これ」なんだっていう、その「これ」を訴えよう。
彼等にここに求められれているのは、そんな「これ」である。

うーん、悪くないんだけど、地味だよねえ。
さすがにベテラン、実力も十分あるし、やってることもしっかりしてるけれど、でもさすがに地味だよねえ。

いや、根っこはしっかりしてる。
こういうことやりたい、も判る。
でも、それを伝える一撃が欠ける。
だから通は好きそうだけど、それ意外に広がらない感しかない。

そりゃ「あー、まだやってんだね」って感想しかないわな。
ぱーぽーみたいな#2″Keep On Moving“↓とか、結構カッコイイことやってんだけどなあ。
ちょっと勿体ないなあ。

以上、今週の4枚でした。

来週は、待ってましたなカボチャ祭りアルバムや、意外に悪くなかったFEAR FACTORYの新作などをレビューしていきますので、お楽しみに。

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