真昼間からすき家の牛丼なんぞを食べて、お腹いっぱい略しておっぱい。
おかげで血糖値爆上がり、眠くなってくる始末。
おっといけない、値落ちする前にやっておかなくちゃコオヒイひいてレコオド流して、休日恒例ヴァイナルカフェ。
STRYPER/「To Hell With The Devil」(1986)
昔からSTRYPERは、いつもバカにされていた。
何せ、STRYPER、だ。
メタルが好きな人がメタラーであり、
マヨネーズが好きな人がマヨラーであり、
シマシマが好きな人がSTRYPERだ。
ちなみにSTRYPERが好きな人がストライパラーかと言われると、それはちょっとわからない。
それはさておき、彼らがどのくらいシマシマだったかというと、イメージ的には、薔薇がバックに出てそうな、少女漫画の長髪王子様。
それが半裸で、工事現場のあのシマシマを羽織っているような印象、といえば近いだろうか。
随分とスイーツカッコ笑な連中だなと思うかもしれないが、実際にバンマスの名前がマイケル・スイートなのだからそりゃ当然だ。
だから何をやっても、何だよ工事現場のくせに、とバカにされていたのがSTRYPERだった。
↑工事現場たち
さて、STRYPERと言ったら、クリスチャンだ。
今でこそクリスチャンメタル、クリスチャンロックというのもそれなりに目にするようになったものだが、彼らこそそんなクリスチャンメタルの先駆けだった。
だからなのか、彼らのライブのラストではなんと、毎度、聖書を観客にばらまいて投げるという名物芸があった。
自らの信じる聖なる教典を大量にぶん投げて扱っていいのか、と普通の脳機能が備わっていれば誰しもが思い至ることなのだが、でもそれを疑うことなきキラっキラなまなこでバンバカ放り投げまくっていたのが、このスイーツたちだった。
とはいえそんな工事現場にも、大きな夢があった。
「メタルで布教を広めるんだ!」
いかにもスイーツ脳ならではのステキな発想だが、実際にライブでは観客と一緒に神に祈りを捧げるシーンもよくあったという。
かくも信心深さが伺える話だが、キリスト教会からは「お前らはやめろそれ」と言われていた。
だから楽曲の歌詞も当然ながら、やれ神のご加護がどうとかジーザスでクライストが何だとか、いちいちおめでたいクリスチャンなものばかり。
そういえば昔、自らの地位を築けたのもゴッドのパワーなんだと言ったスイーツらしい発言に対し、日本の炎上しそうな名の専門誌が「んじゃヒューマンのパワーは?ロックのパワーは?」と大人気なく詰め寄っていて、ぼくはそれがメディアのパワーなんだなと知った。
そんな彼らの最高傑作はと言ったら、やはり何と言ってもこのアルバムだ。
スタジオフルレンスにして、2作目。
やはり彼ららしくメロディックはメロディックなのだが、しかし何よりもこの後に比べればまだエッジィでメタリックなのが、いい。
ちゃんと速い曲もあって、工事現場のスイーツ王子が高音でイキって歌っている。
一方で、バラードが美しいことでも、知られている。
なかでも“Honestry”はシングルカットされ、それなりのセールスを記録。
これもあってか、本作は全米アルバムチャートTOP40入りを見事に果たし、彼らにとっても初のプラチナムを獲得した。
しかしそんなシマシマだったが、グランジ到来、メタルシーンに大きな時代の変革を迎えた90年代初頭。
この後の4thアルバム「無法の掟」で、もうそんな工事現場コスチュームの時代じゃないとようやく気付いたのか、黄色と黒のシマシマ衣装を卒業。
今度は緑と黒のシマシマに衣装変えを果たし、スイーツらしいスイカへとジョブチェンジを果たしたのだが、当然ながら寄せるグランジの大津波には勝てず。
結果、ぶん投げた大量の聖書と一緒に、現場ごと流されていってしまうのだった。
このように、あの当時はバカにされていた工事現場スイーツだが、実はみんな好きだった、それがSTRYPERだった。
そう、バカにはしていたけれどみんな、そしてぼくも実は何を隠そう、ストライパラーだったのだ。
To Hell With The Devil。
そんな彼らのスイーツな魅力が、ここにはある。
- アーティスト名:STRYPER
- 出身:US
- 作品名:「To Hell With The Devil」
- リリース:1986年
- ジャンル:LA METAL、HEAVY METAL、US HARD ROCK、HARD ROCK、
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。