朝早くから試合と言って出て行った娘ちゃんを見送りながら、早めにやっておこうか日曜朝にコオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。
DOKKEN/「Under Lock And Key」(1985)
昔から、メンバー同士が大の仲良しと言ったら、このバンドだ。
何せ来日公演でも、ドン・ドッケン(Vo)のMCの真っ最中なのにギターのジョージ・リンチが曲を弾き始めて終わらせてた位に仲が良い。
しかも毎度のインタビューのお約束が互いの悪口に加えて、ドンが「俺の曲が売れた」と言えばジョージは「うるせえカツラのくせにむしるぞ俺の曲のほうがいい」。
とにかくこいつらはずっと「俺のほうが」を繰り返していた。
そもそも結成からして互いに「最初から気に食わなかった」と、んじゃどうしてこいつら一緒にバンド始めたの?と、あの時代に世界中が不思議がったレベルに犬猿の仲良しだ。
そんな、いかにディスコミュニケーションのままバンドが成立するのかの立証実験みたいなバンドの、3rdがこれ。
個人的にはこれがDOKKENの入口だったのだけど、アルバム聞く前からその逸話を先に知ってた位に、仲が良かった。
でも、毎回アルバムはいい。
ギターもいいし、歌もいい。
それがDOKKENだった。
ドンは元々自分がギターを弾きたかったらしいし、お前のいとこはジョージリンチもジョージリンチで、俺の方が歌が上手いに決まってんだろとレニー・ウルフ(KINGDOME COME他)の目前で“Immigrant Song”を歌ってみせてプゲラられたとの話で、だったら逆にやればいいじゃねーかと思うかもしれないけど、それじゃダメだこれが出来ない、それがDOKKENだった。
そんな仲良しDOKKENの魅力がてんこ盛りなのが、この3rd「Under Lock And Key」だ。
ギターのジョージの持つ激しさとシンガーのドンの持つハゲ柔和さをあわせたような作風。
プロデューサーも、柔性を得意としていたニール・カーノンと、剛性を得意としていたマイケル・ワグナーの双方を起用し、圧倒的にプロダクションも向上。
それもあってこのアルバムはバンドとして念願ともなる初の全米ビルボードトップ40入りを果たしたのだが、その頃ジョージとドンはやっぱり殴り合いをしていた。
なおバンドはその後さらなる仲の良さを求め、レコードでいうA面がハードでB面がソフトという画期的な作風の名盤「Back For The Attack」に至り、世界中からのそりゃ当然そうなるだろというツッコミを受けながら、仲が良すぎて空中分解。
そう考えてみれば、どうしたって分離しがちな双方が唯一歩みあったのがこのアルバムのような気もする。
まあそれもまたドンに聞けば俺のほうがギター上手いと答えたろうし、お前のいとこはジョージリンチに聞けば俺のほうが歌が上手いと答えたろうし、レニー・ウルフに聞けばプゲラられたのだろうが。
- アーティスト名:DOKKEN
- 出身:US
- 作品名:「Under Lock And Key」
- リリース:1985年
- ジャンル:LA METAL、HEAVY METAL、US HARD ROCK、
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。