おろろーん。風邪から発展して、じんましんが出ちまったよう…。
仕方ない、病院行くかというその前にまずはここから、コオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。
POWERMAD/「Absolute Power」(1989)

このところPARADOXを聴いたせいで、スピードメタルが聴きたくなった。
「スピードメタル」。
EXODUS、METALLICA以降の刻みリフ系スラッシュメタル、いわゆる「ベイエリア・クランチ」じゃない、1st期メタリカアンスラ、みたいなNWOBHM所縁のパワーメタルに近い、メロディックだけど速くて激しいスラッシィなヘヴィメタル。此すなわち、「スピードメタル」。
ひーぜん、とかな。
めたるちゃーち、とかな。
うぃぷらっしゅ、とかな。
何を言んとるーだー、とかな。
最初期のぶらが、とかな。
で、それで今日はこれだ。
POWERMAD。
ミネソタのど田舎スラッシャーによる、デビューフルレンス。
思いっきり無名の、ドマイナーな、ドマニアックな、D級スピードメタル。
何でこんなアルバムを、ぼくは持っているのか。
持っているんじゃない、借りてるんだ。30年以上前から。
そう、昔、メタラーの同級生、金田くんから借りパクした。
金田くん、元気かな。返すの忘れてごめんね。
でも30年経ってもこうやって聴いてるから許してね。
「スピードメタル」と呼ぶにふさわしいチャキチャキとスピーディなビートの足回りに、細かくキレ味を磨くギターリフ。
ムダにメロディを追っては、時々ハイに跳ね上がるボーカル。
ドラマティクスを意識した展開。
そして、恐ろしくつまんない楽曲たち。
これぞD級スピードメタル、とにかく曲が途方もなくクソつまんない。
よくこんなつまんない曲を書けるな、と感心するほどにつまんない。
アルバム収録、全10曲。どれもが皆、等しいほどに捨て曲しか入ってないゴミ箱で、これはいいなという曲が見事に1曲すら存在しない。
そんな、驚愕すべき才能のなさ。
とにかく曲作りにおけるセンスというものが、何処を見渡してもハナクソほども見当たらない。
そして、その才能のなさが、愛らしい。
うわあホントにつまんないや!(ニコニコ)みたいな。
しかしそんな本作も、当時は輸入盤で少しだけ話題になった。
と言うのも、何の間違いか某BURRN!誌で85点の高得点を取ったからだ。
レビュワーは当時はまだ一介の編集者だった頃の、クレイドルオブぴろせ氏。
このカッコいいイカしたジャケのこれを、センスが良い、可能性を感じる、と大絶賛していたのだから、いかに当時の彼のセンスが良かったかがよく判る。(※注釈1)
ちなみに彼が可能性を感じるというこのバンドは、このデビューアルバムを最後に消滅した。
さて、実はそんな彼らが、唯一の日の目を浴びたことがある。
というのも何と、デヴィッド・リンチの映画で、このアルバムの曲、“Slaughter house”が使われたのだ。
しかもさすがはデヴィッド・リンチ、使用場面は性交シーンと殺戮シーンという、よく判ってらっしゃるD級スピードメタルの正しい使用方法で。
更に映画には本人たちもチョイ役で出演しており、そこではボロッボロのコ汚い長髪姿といういかにも賢そうでセンスの良い可能性を感じる田舎モン姿を晒しているので、これまた非常に好印象だ。
ところでSpotifyを見て驚いたのだが、なんとこのPOWERMAD、2015年にニューアルバムを出しているではないか。
POWERMAD、25年ぶりの新作ということで、ぼくは少しだけ感慨を覚えた。
ところが、んじゃ少しは聴いてみっか、という気が微塵のカケラも起きないのが、こいつらのいいところ。
だって、89年の最盛期でもこんなクソつまんねーんだぞ?いいわけ全くねーじゃん。(※注釈2)
そんな僕の、僕たちの愛した、そして金田くんも愛した、あの時代のD級スピードメタル。
※注釈1:褒めてます。
※注釈2:さっきその新作を確認したらやっぱり本当につまんなくて、嗚呼やっぱりPOWERMADだったわと安心しました。

- アーティスト名:POWERMAD
- 出身:US
- 作品名:「Absolute Power」
- リリース:1989年
- ジャンル:SPEED METAL、THRASH METAL、POWER METAL
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。

