新年早々に、葬送すんのか位に忙しいのって何なん。
結局、三連休でもあれやこれやで追われ終いだけど、そんな中でもやっぱりコオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。
WINGER / 「WINGER」(1988)

WINGER / 「WINGER」(1988)
そんなキップウィンガーじゃあるまいしっ!(ドッ
という、たまに引っ張り出しては聴きたい未だ現役中、
にも関わらず多くのキッズ達カッコ昭和世代どもが、「ええっ!「Pull」の後ってあったの!」と知らなくても人生に何ら問題がなかった事実を前にさせてしまう、彼女はまだセブンティーンな通報ウイングマンの、デビュー作にして代表作なこれ。
曰く、後発ヘアメタル軍勢のバイオノイド 、
売るべくして売ろうとした、バブルメタルガム特級呪物、
にしては、よく出来ている。
この令和にして、今聴いてもちゃんと、よく出来ている。
すみません、名盤です。
なので、名曲しかないのは言わずもがなわかるでしょな、北千住の改札切符ウィンガー、
トップのA1“Madalaine”からラストのB5“Headed for a Hertbreak”までバッチリ揃いな充実ぶり。
大体、イントロのギターのチャラララララーなイントロ一からしてイカしてるし、
でそこから始まる一時が万事、抜かりない。
何せこれがデビュー作だというのだから、もうしてやられよう。
加えてあのジミヘンの代表曲、ズッチャッズッチャで知られるパープルヘイズのカヴァーも、当時はベタ選曲だったけど、でもなんやかんやでこれが頭一つ抜けていたっけ。
ところでMadalaineってマドレーヌのモジリな女性名なんだと知った、この現代情報社会。
てっきり殺しのライン(Murder line)とかと思ってました。
ってこいつらがそんな硬派なロックやるわけねーだろ、なめんなよウィンガーさんだぞ、髭ヅラバレリーナだぞ?
それはさておき、その北ウイングさんがちょい昔に海外インタビューで「俺達はヘアメタル界のドリームシアターだったんだ」とドヤってみせたように、(そしてそれがドヤれる話だったのかは別として)
彼らの楽曲はポップなのに変な進行しやがってちょっとクセがある。
でもこのクセが強くなりすぎない塩梅で、このセンスをこの秀逸なポップセンスへと昇華させるのがすごいところだ。
でもそりゃそうだ、何せキップ様ときたら、元ALICE COOPER BAND出身と、こう見えてこの時代じゃキャリア組と言われてた。
そう、昔は元ALICE COOPER BANDといったら一流エリート扱い。
どこぞの元スラッシュメタル先駆者リカのほこる名テニスプレイヤーただしドラムは?のやつに、ツアーの腹いせでダーツの的にされるような存在じゃないのだ。(やめろ)
しかもギターは、この後にお前のいとこはジョージ・リンチが脱退した後釜として、誰か巧くてドン・ドッケンと殴り合いじゃなくて会話がまともに出来る常識的なギタリストはいねーのかとDOKKENに抜擢された、お前のはとこのレブ・ビーチだ。
なので言うて、何でもこなす。
バッキングからソロ、ちょっとした速弾きまで悪くないけど、それ以上出しゃばらずに仕事をこなすという、ソツなしムダなし余計な主張もなしの三拍子なスタジオプレイヤー。
(でいて、味付け、彩り、音色美味し)。
そりゃあ、ドンも喜ぶコスパの良さ、ちょっと使い回すにはぴったりな役回りだ。
加えてポール・テイラーの煌びやかな鍵盤もいい雇われしとるし(実はこいつこそ、影役者だと思うんだが)、ロッド・モーゲンスタインのドラムもよしと、ヤワな顔しながらも実はゴリっゴリに現場踏んだ実力派のプロ集団。
要はロス界隈にたむろしていた、腕前の実力をアリクー看板で雇ったのが、このバンドだったっていうね。
何せ裏の仕掛け人、プロデューサーが、かのボー・ヒルだ。
そりゃこのキラキラ・ゴージャスサウンドも、出来の秀逸さもわかるというもの。
この一手目でがっつりと、売ろうとしてる気概しか、ここにない。
例えば、A面の代表曲の充実ぶりも素晴らしいけど、寧ろその醍醐味を味わえるのは、後半のB面というもの。
特に流れ流れのまま、それらの腕っこきが「せーの!」でテメらの極上をイントロから奏で揃えてみせた、“Hanging On”には、未だに、ぞわっとさせられるこの時代ならではなド名曲だ。
それらもあってヒット曲も満載、アルバムも全米21位とデビュー作にしては上々すぎる結果となるのだが、しかし。
そんなみんなみんなのウィンウィンなガーであったが、しかし。
この次にイジカムイジゴーとB’zみたいな売れ線なのかこれ歌を差し替えての2ndを出した後、グランジ直下型震災を受けて、やっぱり音楽性大崩壊。
諸行は無常、スタックはモジョ。
以後、ラブコメヘアメタルからモダンカッコワライなオルタナ学園バトル路線へとテコ入れがなされるも、そんな効果がおっさんヒゲリーナに期待できるまでもなく、あれこれ出すもほそぼそと消えていくのであった…。(※1:参照)
参照※1:でもその後も、なんだかんだで令和に至るまで大概のアルバムがそこそこにいいんだから、このバレリーナすげーんだよなー…。

WINGER / 「WINGER」(1988)
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ヴァイナルカフェとは |
近年やっとアナログレコードにハマった超絶情弱時代乗り遅れ管理人、黒崎正刀が、休日の朝に趣味でコオヒイをひいて、その日の気分で持ってるレコオドを流し、まったり鑑賞している間にゆるーくSNSなどで書いているものを、こちらのブログに転用したもの。 |