2024年上半期ベストアルバム(っぽい)10選

2024年上半期ベストアルバム(っぽい)10選 黒雑記
2024年上半期ベストアルバム(っぽい)10選
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あーだこーだと慌ただしくしているうちに、すっかり半分が終わってしまった2024年。
つーか7月ももう終わりだよ!
もう5ヶ月しか実質残ってないよ!

更新さぼりにつき散々取りこぼしばしてばかりなので、ここらで一気にまとめて2024年6月末までの上半期ベストアルバム10枚とか拾っておきます。
(注:これ書き始めたのが7月上旬のことでした、すみません)

ただし。
言うてまだ半年分なので、こりゃあくまで自分の年間ベスト作りのための忘備録代わりみたいなもの。
取り敢えず、現段階でふと気になっていたりヘヴィロテしてきたという、年末の年間ベストへの候補どころをランク不同でずらっと並べていく、みたいな感じとなっております。

なので皆様も、このところの新作のチェックリスト程度に、緩めに読み流して頂ければ幸いです。

なお、例によっておっさん趣味でしかないおっさん向けセレクトなのは仕様なのでお許しあれ。

BRING ME THE HORIZON / 「POST HUMAN: NeX GEn」

BRING ME THE HORIZON / "POST HUMAN: NeX GEn"

BRING ME THE HORIZON / “POST HUMAN: NeX GEn”

秋に出るんじゃね?とか言われていた新作が前触れもなく突然5月にあげられて、世界中がファッ!?ってなった2024年上半期マガヅンマーク最多発アルバムが、しかも予想を超えて充実してやんの。

ま言うて音楽的には、完全なる想定範疇内。
しかも(今更ながら)ソースはポップパンク他、スリッパ履いて近隣公園の飼育ポニービスケット、と実家の便所より見飽きたゼロ年代の鉄くずかき集めどもに、現代EDMとハイパーポップの蛍光色で令和デジタル、フルメッキ。

親の敵かというほどゴッテゴテに塗りたくったそれを、やれY2Kトレンドとやらで片付けちまって如何なもんかって呆れる気もあんだけど、でもそれを強引な完全最上位互換ハイエンド仕様へと仕立て上げてみせるもんだから、そのゴリゴリ問答無用パワーゲームに構わん続けろとしかならざるを得ない。

メジャースケールのポップさでありつつ、エッジィな鋭角メタリックぶりと、Zジェネ中学生ばりのエモエモしさ。
激しくもメロディック、剛柔それらを配置よく取り揃えての、粒ぞろい且つカラバリ豊かでヒットポテンシャルに長けた珠玉の楽曲達よ。

しかもアルバム全体としても整われた程よいドラマティックさと、総合点と完成度の高さも申し分なし。

トドメにジャケも手抜かりなくかっけーし、いやはや、2024年のオシャレモダンメタルの最高到達点にして、BMTHの横綱看板に相応しい名盤だと思う。

なので、私的にはここまでの最有力年間ベスト上位入り枠として、当然の如くにリコメンド。

KNOCKED LOOSE / 「You Won’t Go Before You’re Supposed To」

KNOCKED LOOSE / "You Won't Go Before You're Supposed To"

KNOCKED LOOSE / “You Won’t Go Before You’re Supposed To”

「やべーぞハイプだ!」

おコーチェラへのお参加で無事に名を高めた上、英ケランゲ!の気持ちでも満点評価でワッショイワッショイ。
勿論「ただのメタルには興味ありません」で知られる意識ピッチ系フォークメタルでも高得点ゲットだぜ!と、ものの見事な2024年上半期の最優秀ハイプコア。(そんなものはねえ)
すでにネクストTURNSTILEとの声も海外評から聞こえてきとる、これ。

US発メタルコア、本作で4thらしい。(多分)
そのサウンドはCONVERGEが令和にオレンジのコードでスプラッター転生果たしたかの、フリーキーなカオティックさ。
しかも凶悪なだけじゃなく、この界隈御用達な強キャラアイテムPOPPY呼んでPV作ったり(↓)と、いちいち話題性にも抜かりなし。

とはいえメタルコアながらギラッギラの攻撃性で攻めるマガジンスタイルで、djentやポスコアに逃げ日和ることなく剛直な真っ向ハードコアやってんの、めっちゃ好感が持てる。

なので、どこのどいつだ、ハイプコアだとか言ってやがんのは!?

BOB VYLAN/ 「Humble As The Sun」

BOB VYLAN/"Humble As The Sun"

BOB VYLAN/”Humble As The Sun”

ここんところ異形な存在感を放っている、ロンドンのパンクラッパー、その名もボブ・ヴィラン
これは3rdらしい。(この前を知らない)

現代HIP HOPの垣根崩しの先鋭らしく、UKグライムとドラムンベースとモダンパンクを自在に横断。

かと思えば、確信犯なその名の通りにFATBOY SLIMネタにいじったり、ときに「Gスポット?あんなものはフェミニストどもの陰謀だ」と放ってみたりと、刺々しい攻撃性と黒光りするユーモアが切れ味よく同居している。

新世代ミクスチャーの新騎手として、注目に値するちょっと面白い逸材だ。

RJ PASHIN/ 「Isekai」

RJ PASHI/ "Isekai"

RJ PASHIN/ “Isekai”

友人に教えてもらったこれ、
以来、やたらクセになって、知らず知らず何かとリピる羽目に。

SNSでバズって名を高め、最近ではあちこちとのコラボで随分知名度も高まってきている(上のBMTHの新作きってのエモアンセミックなPV曲にもちゃんと参加して、ピコピコアピールで爪痕残してる)、ニューヨーク拠点のギタリスト&サウンドエンジニアによるソロ活作、多分これが1st。

時に静寂を粛然と、あるいは時にビートをまとってダンサブルに、時に意味深な日本語思春期ポエミーを携えての、一人ギターインスト。
タイトルさながら「Isekai」のような幻想的世界観を、えこれギターだよな?というクリア・ピコピコサウンドを主軸に、アイディアの豊富さと、抜群のIsekai変態Tenseiテクでさらりと聞かせてしまう。

しかもそれがこの透明感備えた軽やかで涼やかな作風による癒やしの反面で、確実な中毒性を染み込ませてくるから油断できない。

POLYPHIA好き、
またはチートなSLAYERになろう好きに。

TWENTY ONE PILOTS/ 「Clancy」

TWENTY ONE PILOTS/ "Clancy"

TWENTY ONE PILOTS/ “Clancy”

過去10年近く続けてきたストーリー仕立てのTØP流コンセプト作、これにていよいよ最終章作。

…ってのは、個人的にゃ割とどうでもいい。
三部作つったって、作風も微妙に違うしな。

ここではハイパーポップ、ポストパンクぽかった前作から若干転じて、よりオルタナHIP HOP、エレクトロニカ方面に向かいつつ、でもそこはさすがの売れっ子らしいオールマイティな無難&多芸さで難なく攻略。

かくもジャンルレスなポップサウンドをベースに、時にグルーヴィーに、時にガラージーに、時にデジタルにと曲毎にたっぷりカラフルさをアピりつつ、でもそこはやっぱり絶対に失い損なわないコザっぱりとしたコジャレさ。
そう、このシュッとした都会らしい軽やかな振る舞いが、いかにもな連中よな。

しかもそれらを彩る浮遊感ある歌唱はやっぱり彼らならではで、その耳障りの心地よさもあってか、現在進行系で結構にヘヴィロテしてる。

NEMOPHILA /「Evolve」

NEMOPHIA/ "Evolve"

NEMOPHIA/ “Evolve”

飛ぶ鳥を落とさん飛躍をみせる、NEMOPHILAの3rd。

今年の年初からまるで病気みたいにリピっていたこれだが、流石にひと頃よりはヘヴィロテ頻度も落ち着いてきたものの、やはりイイものはイイ。

そのハツラツとした麗しき若々しさで、広レンジに重厚怒涛なヘヴィネスと華やかなキャッチーさをハイブリッドにこなしてみせながらも、それらを従来以上にブラッシュアップ。

結果、彼女ららしいキッチェさも備えた激烈パワーチューンから女流歌ものアリーナポップまで、洗練研磨の進んだ極上のガールズモダンメタルに仕上がってる。

あとヤンチャなカッコ可愛さから噛みつかん攻撃的な咆哮、しっとりした色気まで色鮮やかに見せるmayuのヴォーカル、個人的にめっちゃ好きっす。

え、最高級のパーフェクトおっさんホイホイだあ?
やかましいわ、それがなんぼのもんじゃ!(自覚&開き直り)

なおアルバムレビューはこちら

JUDAS PRIEST / 「Invicible Shield」

JUDAS PRIEST / "Invincible Shield"

JUDAS PRIEST / “Invincible Shield”

これ以降の上半期ベスト10枚を紹介する前に これが昭和のおっさんのセレクトであることを理解する必要がある。
少し長くなるぞ!

とそんな銀河の状況のなか、まずはこの2024年きってのメタル村祭りワッショイアイテムから。

80年代から90年代初頭にかけての焼き直しっちゃー焼き直し、
ぼくのかんがえたふくしゅうのさけびなコレだけど、でもギターのフレッシュ担当がいるせいか、意外なくらいに現役感がある。
しかも、そこらへんは流石のゴタルメッド。お膳立てが揃えば未だに名主役を堂々演じてみせられるから、やっぱ役者が違うわこの御大は。

尤も来年になったらこの祭りもすっかり健忘症で忘れられてそうだけど、大丈夫、おじいちゃんご飯はさっき食べたでしょ。

なおアルバムレビューはこちら

FM / 「Old Habits Die Hard」

FM / "Old Habits Die Hard" (2024)

FM / “Old Habits Die Hard”

2024年上半期のオヤジメロハー枠に、これいっとく。

結成40周年記念にして、あの隠れ(てない)名盤「Tough It Out」を、この令和にじじい召喚。

もう書きたいことはこちらのアルバムレビューに散々じじいが書き散らかしたので、そちらを参考にして頂きたいのだけど、まとめると↓これ。

  • 純血英国ハードロックバンドが、その出自らしさを忘れることなく
  • 80s USポップロック路線だった名作「Tough It Out」をも視座に含め(ここ大事)
  • かつ渾然としたブルーズドハードロックへと歩んだ、その後の岐路をも踏まえながら
  • それらの経路をこの令和に踏まえてみせた、彼ららしい力作

以上、
もう言う事無し、いいだろそれで!

なおアルバムレビューはこちら

THE BLACK CROWES / 「Happiness Bastards」

THE BLACK CROWES / "Happiness Bastards" (2024)

THE BLACK CROWES / “Happiness Bastards”

この令和に、いがみ合いよりはビジネスをとでも考えたのか(言い方)、
万年兄弟喧嘩のクソ高いハードルを乗り越えて(ない)、ブラクロ再復活作。

しかもこれがキャッチーでわかりやすい明快アメリカンハードロックな王道路線で、初期リスナーには嬉しい限り。

往年を思わせる大振りのロックンロールを基軸にしながら、彼ららしいブルージーな黒艶をも塗りまとい、深みとコクも忘れない。
濃い口ファンクナンバーからカントリー、ブギー、サザンロックまでござれと、やっぱりこの兄弟が揃うとなんだかんだで違うのだから、大したもの。

だからもう、大人なんだから兄弟ガラスのつっつきあいは、程々にしとこうよいい加減!

なおアルバムレビューはこちら

BON JOVI / 「Forever」

BON JOVI / "Forever"

BON JOVI / “Forever”

おいおい、ジージャンの背中にでっかく自分の名前入れちゃってるよ!
日本だったら「田中」「永遠」って入ったジージャン着た田中が街ん中歩いてるようなもんだろ?
相変わらず凄えセンスしてんなジョンさんよ!?

ってのはさておき、前作のしかめっ面から転じて、雰囲気軽めな今回。
そのぶん大人しくて地味なので、やもすりゃスルスル抜けるかと思いきや、往年の名曲風仕立てなフックで親しみやすさと聴きやすさに転じさせてみせる老獪さよ。

巷間よく言われてるヴォーカルの音域云々も無論判らないわけじゃないけど、でも個人的にはジョンは中低音域の色気こそだと思っているので、そこは割と無問題。

ただし断っておくと、このアルバムだけは順不同ではなく、あくまで上半期の10位どまりってことで。
正直、年間換算したらランク内からはもれなく脱落するだろうし、そもそもからしてBON JOVIのアルバムん中じゃ順位は相当に低めな方でしかない。

ってさー、んなこた承知の上なんだよな。
なんだかね、薄口のごまかしに思い出スパイスをバサバサぶっかけてるこの味付けのせいで、年寄りには安心してついリピっちまうから、ずるいんだかそれもまたベテランの特権なんだか。

以上、上半期ベストっぽい10枚でした。

…とここまで選んでおいて、気がついた。
あれ、RJ PASHINのアルバムってリリースは去年(2023年)だったかー!

ってなわけで、それ抜いた次点枠として、代わりにこれ入れておこう。

BAD OMENS / 「Concrete Jungle[THE OST]」

BAD OMENS / "Concrete Jungle[THE OST]"

BAD OMENS / “Concrete Jungle[THE OST]”

一昨年出したアルバム「The Death Of Peace Of Mind」が、目出度く大ヒット。
おかげで一躍売れっ子に輝いた、シュメリアンのドル箱メタルコアBAD OMENSが、よくわからんアルバムを先月くらいに出してて、ん?と首かしげてたこれ。

海外サイト紹介読むと、どうやら架空?の漫画だか映画だかのサントラ、とかいうよくわからん要は一種の売れてよかったね記念贅沢企画モノらしいのだが、しかもいきなり制作予算が跳ね上がったもんだから、使い方もようわからんままに、やれWARGASMだ上のBOB VYLANだの例によってのPOPPYまたこいつかだのと、2024年X話題入りトレンドどもを金に糸目付けゲフンゲフン。

とはいえこれ、「この際だから詰め込めるだけありったけブチ込んでやれ」なボリュームありきで作られているせいで、まだろくすぽまともに消化もできてない。

いや、だからこそサントラ企画を謳ってんだろ、そもそもスタジオフルレンスにカウントしねーやつなんだから賞味期限残っているうちに食えるだけ腹入れときゃいいんだよ、といったインスパイアラーメン感覚で作られた、今旬人気者サマだけが許される好き勝手イベでしかないんだけど、それでもちゃんと聴くに耐え得るの出してくるという、何たる上昇気流のなせる勢いとメイクマネー勢のリアルつよパワーよ。

しかもいつものメタルコアというよりは、デジめ多め。
インダストリアル、エレクトロニカ、EDM、何インチか寝入ったりなその音楽性は、夏に適当に流しておくのも心地よい上、意外、っつーかそんな意外でもなく普通にカッコいいの多めな作りで、ただの金ドブ捨てなマシマシ豚の餌にもなってない。
(ま後ろのほうのライブ音源詰め合わせとか、いらんっちゃーいらんけど)

てなわけで、追加枠だし一枚くらいイイだろ、こういうのも混ぜ込んでおいて。
もしかしたら後でジワって年間入り果たすかもしれねーしな。(ない)

以上、
今度こそ、2024年上半期のベストっぽい10枚でした。

これがこの後どうなるかは、2024年の年末をお待ちあれ。
それでは。

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