花粉吸塵機やーっ。
ワイは悲しきヒト型花粉吸塵機なんやああーーーっ!
CRYPTOPSY / “As Gomorrah Burns” :86p
2023年9月リリース。
実は昨年末に来日していたことをこないだ知り、「まだ生きていたんか!」と慌てて新作を漁り戻った情弱時分だが、成る程、確かにこりゃ良盤だと認めてやろう。(傍若無人)
これで8th、なんと前作から11年ぶりらしい。
へー。……てそうだっけ?(もう全く覚えてない)
久々もいいところなカナダのほこる古豪変態奇怪テックブルデスCRYPTOPSYさん、最早人員の入れ替えがあったんかすらもよくわかんないけど、でもドラマーにフロ・モーニエがいればクリプトだから大丈夫だ。(知らん)
そんな「心配無用、此の儂がおる」も~にぇたん、メタル界最速最強ドラマー列伝にふさわしく今回も万象一切灰燼となすかの流刃若火クソブラストで、風呂もー煮えたん爆炎卍解ぶり。
初期のちょっと何やってるかわかんない(だがそこがいい)ド変態時代に比べるとかなりすっきりクリアになっているけど、令和になってもやっぱりぼくたちのCRYPTOPSY。
ハチャメチャに卓抜した技巧演奏と天与呪縛ばりのフィジギフによって、その複雑構造をブラスト全開猛速で駆け巡る、真正ブルータルデスメタルがNONE SO 映える。
精緻なリフワークから、疾風怒濤で斬り結ぶ胸アツスラッシュ展開、かと思えば時折ぐっと耳を捉えるメロディックなソロパート突入。(M3“Godless Deceiver”)
そしてバキバキと、鋭角にしなりヘシ折り走る鬼ベース。(M6“The Righteous Lost”の格好良さたるや)
かたや、かつての世界一デス声が汚い教師(確か本職がそうだった記憶が)初代ロードワーム先生に比べたらおとなしめ(そりゃ相手が悪い)ながら、しかし吠え散らかさん多田野野獣の咆哮Vo。
で、それら一体となっての、ベテランらしい貫禄と現代的な洗練、しかし今なお劣らすことない高火力の攻撃性よ。
ラストの陰惨さもドラマティックだし、徹頭徹尾CRYPTOPSYらしい力作だ。
え、
しゃべらない王様がどうしたって?
あははは、そんなメタルコアバンドじゃあるまいし!(どっ
DARKEST HOUR / “Perpetual Terminal” :78p
2024年2月リリース。
昨年秋に来日ツアーを果たした、USメタルコアの重鎮による7年ぶりの、10th。
ってこいつらも久々か。
メタルコア黎明期から活動を続け、テン年代あたりまでは好調に活動してきた彼ら。そのくだんの来日でも、ピークだったここらへんのアルバム再現が行われた、との話。
それはさておきなこの新作、
北欧メロデス系譜のメロディックさと、出自のUSハードコアらしい突進力という、彼らの根幹を改めて混ぜ合わせたかの、らしい作風となっている。
これなんてIN FLAMESなM1“Perpetual Terminal”から、牙突炸裂のM2“Societal”、勇猛なシンガロングバトル展開に平成の中学生達の魂が泣きわめくM3“A Prayer to The Holy Death”と、序盤からその意気露わ。
この鼻息フンガフンガな3曲に、ホラ来る頃ねなM4“The Nihilist Undone”を加えた冒頭4連コンボの畳み掛けで早めの勝負を仕掛けながら、その後の中盤以降はミドってみたりアコってみたりと、リュウジばりに味変。
しかし、いうて散々っぱら擦られまくってきたメタルコア。
良く言うなら実直、悪く言えばまんま想定内でそれ以上には至らないって気もせんでもないし、そのせいか如何せん後半次第にモチベダウンっていうか、そうだねプロテインだね。
なんだろ、個人的にはもうワンパンチ欲しいという物欲しさが残ってしまっているんだが、それでも「らしい佳作」であるとはやっぱり思うから、長らく待っていたファンには嬉しい吉報の一枚なのかな。
JOB FOR A COWBOY / “Moon Healer” :72p
2024年2月リリース。
このバンドの名前も随分と久しぶりだ、米アリゾナのデスコア初陣勢による、なんと10年ぶりのフルレンス、5th。
思えばゼロ年代には初期デスコアシーンの旗手として名を高めていたが、あれから20余年。
紆余曲折を経てのここでは、デスコアというよりも、メロディックなブラックメタル要素の混ざったプログ・デスメタル、といった印象か。
複雑に入り組んだプログレッシヴな構成と、デスメタルならではのブルータルな激烈さのなか、要所で泣きのギターラインを主張させては、往年のCRADLE OF FILTHあたりを思わせる悲哀で陰惨な叙情性をアピ。
…ってくるんだが、正直、個人的にはその哀感が露骨であざといというか、いかにも「ほらほらっ、こんなに物悲しいんですぅーっ!」って押し付けがましいやつで、ちょっと苦手。
なんだろ、悪くはないはずだし、ベースはかなり健闘してるんだけどね。
時としてダークトーンをミドルテンポで不気味にいなたくうねりゆらめくさまには、初期MASTODONっぽいところもあるか。(ないか)
KK’S PRIEST / “The Sinner Rides Again” :74p
2023年9月リリース。
どうやら本家JUDAS PRIESTが間もなく出すらしい新譜に全く期待が1mmも湧かない今日この頃(2024年3年3日現在)、その直前に去年の忘れもの一応拾っとく。
その元ギタリスト、K.K.ダウニングと愉快な残党たちによる、なんちゃってプリースト2nd。
ちなみに前作は聴いてない。
あやしいおっさんが剣持ってペインはキラだとハシャいでるジャケからも伝わってくる、やべえノリ。
その通り、やれシナーだセンチネルだと、古巣への思いつらみをあらわにしながら「俺が、俺達が、プリーストだ!」と刹那みたいな主張を繰り広げているこれ。
音楽性もダークな色彩をたたえたソリッドな正統派ヘヴィメタルで、あこれ90年代にジャギュレイターでやったところだ。
つまりは「Painkiller」から、やれデモリッションマンだか星雲仮面マシンマンだかにかけてあたりの「KKがかんがえたさいきょうのぷりーすと」を、ティム”リッパー”オーウェンズなる唯一のオフィシャルブートみたいな反則手駒使って一級品に仕立てあげているので、聴き応え自体はそこそこあり。
作風に意外性がないぶんだけ作りだけはしっかりしており、全体的に緊張感があって重厚でいかめし気味。
そこでハイテンションにイキり唸っては、ロブより力強く迫力あるエネルギッシュな歌唱を放つティムリッパーが歌うのは、やれ栄光をもっかいだのと、前向きなんだか後ろ向きなんだかわかんないやつ。
しかも疾走チューンも良質かつふんだんと、さほどケチをつけるところもないのだが、如何せん内向きでこぢんまりしてるせいなのか、むしろその「いかにも」さというのが「よく出来たパチモン」という印象をかえって強調しとる。
尤もそれらの全てがぶっちゃけ「そりゃコイツらがこれやったら当然こうなんだろ」と言った予定調和話でしかなく、だったら別にジャギュレイターでも引っ張り出して聴いてればそれでよくね?と結局は身も蓋もなくなる始末な歩兵なので、基本あんまアガりゃあしねえ。(そりゃそうだろ)
…っておいおい、まさか今度出る本家様の新作はこれ以下でしたってオチじゃねーだろうな!?
以上、今週の4枚でした。
なんか10年ぶりみたいなのばっかりだなおい。
いんだよおっさんはちょっと油断してっと、そんくらい経っちまうもんなんだよ。
それでもCRYPTOPSYは去年ちゃんと聴いておけば、昨年の年間ベスト10枚に入っていてもおかしくないくらい良かったですね。
あ、でも前回扱ったANGRもその上位1位くらい良かったんですけどね。
ところで上でJUDAS PRIESTの新作大丈夫か話してますけど、こないだ軽めに1周回った段階で勝ち確とまでは言わないでも、結構いい感じでしたわ。
ですよねー!(知ってた)
ではまた。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?