こんにちは、ポエム専門ブログにようこそ。
一番好きなポエムは、「ジューダスプリーストよ、僕は歩兵でいい。」です。
それでは今週も4枚、サクサクっといきますよっと。
GRAPHIC NATURE/”A Mind Waiting To Die”:83p
この新人英国ハイブリッド・メタルコアによるデビューアルバムが、何をこの令和に初期ATARI TEENAGE RIOTの熱さと鋭さをオレンジにコード変換させたやつでスリップしてノッってきてんのか、と今週のオススメ枠に早速ながらぶちこんでおきたい件。
「アルバムテーマはトラウマとメンタルヘルス」という、それ何てジョナサンだっけなメタルの歴史が何千億回も扱ってきた知慮深い女子高生向けマジムリリスカショテーマに則って、メタルコア/ポストハードコアと90年代~ゼロ年代USラウドロックとDjentとデジタル音楽とあとKORNとSLIPKNOTとSLIPKNOTと、あとSLIPKNOT(しつこい)とをぶちこんだ押忍!!クソ男飯、おあがりよ。
つまりは、いかにも現代UKポスコア文脈でかんがえたぼくのさいきょうのにゅーめたるがこれ。
バンド名の由来にしてんのはどうせDEFTONESのこっちなんだろうが(知らんが明らかに影響下)、だったらPEOPLE=SHITにすれば良かったのにってなくらいパーカッシヴなビートを高らかにやかましく打ち鳴らしつつも、しかしそこは米国的なマッチョさよりも獰猛さと黒みゴスみメンヘラみのそっちサイドを、というのも英産らしい。
しかも本家以上にインダストリアルなドラムンベース他EDMの取り込みによるアジテーションがやたらに達者なのもいかにもエレクトロ慣れした現代イギリスっこZジェネぽいところで、どこぞの三つ編み拳法家ならそこ三千年以上前にPITCHSHIFTERがマイクロウェイブしたところとか怒鳴られる系メタル。(一向に構わん)
アルバム中盤M8”Bad Blood”から後半に高まる畳み掛けなどはまさにそれで、M10“Headstone”とかは、あれこれアイオワに入ってたやつ?と二度目したくなるかの、いいぞもっとやれ。
ていうかいっそこれただのデジデジマシマシしたアイオワ下位互換版だろな小粒さで、安直と言われたらそれまでなんだが、それでもそこにはゼロ年代初頭に佃煮にしても処理しきれなかった程の全盛期オズフェスト雑魚の山を端から端までチェックしているかの楽しさすらあるというか。
更にもう少しベタ褒めが許されるなら、初期SLIPKNOTの持っていたあの虚仮威しなイカガワしさと騒がしさと暴発感、ある種の(ていうかある種もクソもなくそのまんまな)キッチェなB級感や色物じみたキワモノのまがい物感などなど、そういうエグみすらも含んだメタル本来の楽しさや興奮を、借りパクによって既にアイオワ州の農家のおっさんら化して仮面も厳しい本家以上にえげれすのキッズがここに展開しているのが、なんだかめっちゃ微笑ましい…とまで言うと流石に褒めがすぎるか。
(あとラストの〆をリンキン公園でやんなよ笑うだろ!)
如何せん出たばっかなセブンの新作弁当をチンしたまんまの熱気に煽られてるせいか、後に冷めたら「いやー、よく考えたらそこまでのタマじゃ全然ねーわこれ」とか「ちょいとサービスが過ぎたわ、やっぱり所詮コンビニだわ」とかでごっそり減点しそうだけど、でもそんなこんなで今んとこ気分もいいし、取っ払いでくれてやんよ83p。
NARROW HEAD/”Moments of Clarity”:68p
米テキサス州はヒューストンのメンタルひよこオルタナ、これで3rdフルレンス。
前「12th House Rock」ではウツかぶれの90年代初期グランジをメインにしつつも、そこにシューゲイザーを多分に含ませたかの自意識サウンドだったが、ここでは少しばかりメジャー性のあるポップな明度と重厚さがアップ。
結果、エモあるいはインディーロック的なドリーミンまどろみ幻想性を匂わせつつ、スケール感を増しながらぐいっと重いサイケグルーヴへと強まったかのよう。
ま要するに、この令和のモダンサイケロックに、かつてのビリーの睾丸を肥大化させてはメロンコリーが終わりもしないと悲しんでみせる、スマパンになろう系ヘッド。(←これが一番言いたかった)
例えばそれはダーティリフにどんよりペールトーンが乗るタイトルトラックM2“Moment of Clarity”からM3“Sunday”のサイアミーズドリームへとゆったり押し流すかのおルタナお花畑展開が象徴的か。
しかし、かと思えば後半M9“Gearhead”からいきなり出くわす、DEFTONES漆黒冥府転生編。
学園生きづらさごっこグランジバトルにふけってると思っていたらいつの間にか異世界に飛ばされて、憤怒に猛け狂ったホワイトポニーがよだれ血眼で襲いかかってきて何をされたのか判らないといったあててんのよタカヤ打ち切り展開のまま、初期DEFTONESばりに浣腸を受けては尻をつぼませキュッとしぼみ縮みこんで終わっていくこの睾丸スマッシング。
中盤数曲のテンションが微妙でダルみが生じてしまっているのも、それをマイナス側に促している大きな要因か。
PIGS PIGS PIGS PIGS PIGS PIGS PIGS/”Land of Sleeper”:70p
「豚豚豚豚豚豚豚ァーーーッ!」
といかにも名前の無駄無駄無駄な長さに絶望して木村カエレに叫び訴えられそうな、UKストーナー。
新鋭リアルストーナーとして2020年の前作「Viscerals」で名を高め、続く本5thでも、「えくすぺりめんたる」と額に入墨を入れた生粋のピッチフォーカーしかその存在を許されない意識ピッチ系フォークメタルで7.5点とそこそこ高評価を受けていた彼ら。
ここでも「Land of Sleeper」というアルバムタイトルからも彷彿されられるような、SLEEPはたまたELECTREIC WIZARDばりの暗黒リフレイン・ドゥーム/ストーナーをはじめ、BLACK SABBATH的ズルズルリフを駆使しつつも、ときに70年代マジカルの沼にはまってみせてはSTOOGESなファズ展開をも仕掛け、さらにはKYUSSあるいはFU MANCHU的なプリミティヴなデザート爆走グルーヴから、はてはBONGZILLAあたりの煙こもったゴリゴリスラッジやSWANSの閉鎖的鬱屈さにも至るなど、さながら現代ストーナー見本市といった様相で多彩にバリエ展開。
逆に言えば、オールドスクールの王道といえば王道な一方でありつつも、しかしあれやこれやと割と節操もなさげといえなくもないんだが、でもこれはそういう豚ご飯なんだからしょうがない。
むしろそのぶん雰囲気重視だし結構キャッチーで親しみやすいので、現代のこちら事情をチラ見で俯瞰するのにも丁度いい一枚となっているのではないか。
ただし楽曲のテンションムラやらダルさやらからか、40分の収録尺の割に途中で段々飽きてきて、ラストは「あ、まだやってたん?」となるので少しばかり減点しとくが。
WIG WAM/”Out of the Dark”:50p
ノルウェー出身80年代USメタルの元パロディバンド、WIG WAMカッコワライですら最早なくなった前復活作に続く2年ぶりのニューアルバム、7th。
なんかもう痛ましくて今更あまりネガティヴに言う気すらも起きないんだが、どうにもノリにノレないパロディ臭の寒々しさが未だに拭いきれない上、ロックバンドとしての元来的な格好良さの欠片すらも全くないので新作を前に全く心が踊らないんですけど、どうなんすか実際これ。
いや「アウォーーーンっ!」じゃなくて。
とはいえリアタイ組の身としても、この手のリバイバルものとしてよく出来ているのは頷くまで。
しかも相変わらずの80年代末期~90年代プレグランジ時代のアメハー、後期LAメタル、いわゆるヘアメタルをネタ元にしつつ、初期TYKETTOにリフをSKID ROWっぽく太めにしてみたみたいなタイトルトラックM1“Out of the Dark”から、前作に継いでのはしゃぎきらない抑えめシリアス路線。
さらには「90年代一億玉砕オルタナ時代、欲しがりませんヘヴィメタは」なあの冬の時代を彷彿させるリフに戦中派達が恐れ震え上がるM5“Uppercut Shazam”に、これレインメイカーでやったところなFEAR WARNINGバラードM7“The Purpose”、そして95年あたりのLILIAN AXEの熱き血潮に高齢者達の血圧が20くらい跳ね上がる要介護必至チューンM10“God by Your Side”などなど、ちゃんと聴けばちゃんとやってることもよく判る作り。
いやだから「アッメリキャン、ドゥリィーーームッ!」じゃなくて。
しかもスティルガッザブルーズ要因のインストM9“79”もソツなくちゃんとこなしているしと、力量も確かに備わったベテランぶり。
いやだから「ギャギャギャギャギャギャーーーッ!」じゃなくて。
で、こうやってちゃんと聴けてもなおにつけて「で、だから?」としか全くならんので、正直ちょっとしんどいからいいわもうこれ。
ツッコミ待機のジャケとか、いやだからもうそういう時代じゃなくて。
以上、今週の4枚でした。
あれすね、個人的にはGRAPHIC NATURE一択したわ。
え、もうLOVEBITES新譜出てんの?(間に合うかな…。)
それではまた。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?