【今週のチェック】SPIRITWORLD, BEHEMOTH,FLESHWATER,NICKELBACK,

SPIRITWORLD, BEHEMOTH,FLESHWATER,NICKELBACK, 今週のチェック
SPIRITWORLD, BEHEMOTH,FLESHWATER,NICKELBACK,
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SPIRITWORLD/「Deathwestern」:84p

SPIRITWORLD/「Deathwestern」

SPIRITWORLD/「Deathwestern」

2022年も終わり見えてきた師走の今日このごろに、今年初頭にアルバムデビューした記憶のあるラスベガスのイカレスラッシュ・カウボーイどもが、わずか1年程度で続くスタジオアルバムをリリースしてきおった。

しかもこれがよりはっきりと自身のキャラと世界観のベクトルを強めるとともに、音楽性もより一層にゴッドがHates Us AllなこれなんてSLAYERになってて思わずホッコリする。

上のオシャレジャケアートそのまんまな「ウェスタン猟奇スプラッターメタル」という、世界中が受け入れやすいコンセプトのもと、いくつかの誰も知らんZ級ホラー映画サウンドをサンプリングしては、しかし音楽的基軸になっているのは刺々しく斬力特化のSLAYERリフ。
でいてグルーヴや突進力において模範に見ているのが、ニュースクール・ハードコアの屈強な脳筋力という、いいとこ取りの暴虐マッチング。

ていやそれ単にSLAYERHAREBREED借りパクして西部劇&ホラー映画観やってるだけだろ、と言われれば全くその通りとしか答えようがないのだが、でもむしろその潔さとメタルらしいダメセンスがなんだか微笑ましくて、ぼかあかなりお気に入りだ。

何せこの令和に、いい大人が「マカロニウェスタンとSLAYER」の組み合わせをやるという天才発想からして、どこをどう考えたって頭が悪くていい。

呪われたインディアンどもを暴力で純化してやるとイキるM4“Purafield In Violence”とか、香ばしくてたまらん。

なので前作も81pあげてたみたいなんだけど、でも今回のほうが洗練のみならず自身のやりたいことをガッツリと打ち出してる手応えもあるから、プラス3pあげたる。

え、M8には、INTEGRITYドゥイド・ヘリオンもゲスト出演しとるの?
うわあ心底どうでもいい。

BEHEMOTH/「Opvs Contra Natvram」:74p

BEHEMOTH/「Opvs Contra Natvram」

BEHEMOTH/「Opvs Contra Natvram」

夏~秋頃に出ていたのを、今更ながら回収してみる。

割とコンスタントにアルバムを出しては、性懲りも飽きもせずそう変わらない暗黒密教アンチクライスト・シンフォブラッケンデスをひたすら執拗に巻き散らかしてるポーランドの巨獣による、何でもこれが最新12thらしい。(全く覚えてない)

毎度アルバムのファーストインプレが「うわあ、また全く同じだぁ!」な彼らだが、本ニューアルバムもまた何の問題もなく安定の「うわあ、また全く同じだぁ」。

特に前編に続く、親の顔よりよく見てきた暗黒密教ブラメタ・バトル展開にそれが顕著なのだが、しかしよせばいいのに中盤からプログレッシヴなスケール感をも広げ始め、モノトーンめだった邪気が次第に色みをみせていく様に、良くも悪くも珍しく、おっ?と思わされた。

とはいえ、剛力でうねり込む暴虐性と悲壮感にBAUHAUSの美観を間違って混入したM5“Neo-Spartacvs”あたりは良いのだが(物悲しさを孕んだギターは、相変わらず激しくも美しくてよい)、しかしその後に「そういうのいいから」なオルタナ崩れ曲をも通過していくので、案の定プラスマイナスでゼロに戻っての「うわあ、また全く同じだぁ」。

ただしそういう「うわあ、また全く同じだぁ」も、一部の好きモノが彼ら独自のダークシンフォ・スピリッツ世界観を味わうための大人の定期購読便なので、こりゃこういうものだから仕方ない。

とりあえずべへもす何それ?って人はこれじゃなくてバックカタログから(私的)最高傑作「Demigod」あたりをどうぞ。

FLESHWATER/「We’re Not Here To Be Loved」:72p

FLESHWATER/「We're Not Here To Be Loved」

FLESHWATER/「We’re Not Here To Be Loved」

VEIN.FMアンソニー・ディディオ(Ba,Vo)とジェレミー・マーティン(Gt,Vo)に加えて女性シンガー(マリサ・シラー)をフロントに陣取った、男女ツインヴォーカル・ユニットバンドのデビューアルバム。

海外評などでは「グランジゲイザー」など呼ばれて、次世代ハードコアの最先端に一部扱われ始めている本作のやってることが、ただのDEFTONESほわぽにだった件。

そりゃ確かにそれのみじゃない色味はあっちゃこっちゃに足されていて、例えば本家VEIN縁の刺々しさやひしゃげるヘヴィネスと時折加わるブラストビートの凶暴さから、スケール感高めて浮遊するデヴィンのタウンゼントだったり、はたまたその煤けたスラッジ齧りの黒ずみにエモあるいはインディーロックのアンニュイな情感を塗り重っていくかのTHRICE展開など随所に見せてはいるのだが、しかしそれら合わせての概ねが「あっ、これテン年ゼミでやったところだ!」という想定内のほわぽにオブジイヤー。

しかもゼロ年代以降のエモーショナルカオティックハードコア船長、カート・バロウ(CONVERGE)が制作陣営に名を連ねるあたりからものぞけるジェーンドゥたるや。

なのでせいぜい気になる目新しさといったら、それら諸々をドリーミンに淡々と歌う女性シンガーの存在感くらいな気もして、「え、グランジゲイザーってそれだけ?」と震撼するばかり。

までも軽やかで淡い歌メロと沈み込むヘヴィネスの剛柔混じり合うM3“The Razor’s Apple”(↓)からM4“Woohoo”の半壊イーモポップに雪崩込む流れとかは、結構いいかもな。

NICKELBACK/「Get Rollin’」:69p

NICKELBACK/「Get Rollin’」

NICKELBACK/「Get Rollin’」

ロックは商品、バンドは商売。
どんな甘っちょろいきれい事を口にしても、アリーナ・オルタナはセールスが真実でござるよ薫殿、と開き直ってみせることで世界中の人気と共感を集めてきた愛されBACK

いや正直ぼくもゼロ年代の「Dark Horse」あたりまではギリ辛うじて、そうはいえどもいいバンドだなと思っていた身なんだが、今やアルバムが出たと言われてもシラっと漂う今更感。

そんな新作10作目のスタジオ・アルバムなんだが、いやあ案の定心踊りゃしねえ、しねえ。

そこそこ躍動的なオープナーM1“San Quention”はそうだねいつも通りだね(真顔)とさておくも、続くM2“Skinny Little Missy”で早くもこの程度の凡曲を並べてくるあたりにその劣化ようを見る思いもするが、それでも全体としてはギリ及第点は押さえた出来。

保守型一線バンドとして置きにいきつつも、他方でカントリー調ポップに退屈めなヘヴィチューンにアコースティックと、剛柔程よくアクセントとバラエティとバランスとを整えながら、そうはいえど出来の整ったモダンハードロックをトータルで盛り付けてみせている手際はさすがのもの。

でいてしかも「ハイハイまたそれね」とツッコミながらも、やっぱりM3“Those Days”(↓)みたいな80年代風の胸アツ・アメハーバラードをチャド・クルーガーのチート歌でやられてしまうと、ついどうしたってジンときちまい、「あんまおっさんらをいじめてやってくれんなよ、いくらイケセレブヅラしたってアブリルらお姉ちゃんたちにはキモ痛い老害と相手されなくて、思いの外生きるの大変なんだぜ…」とシンパサイズされてくるから、くっそズルいよな。

以上、今週の4枚でした。

レビュー書いたあとに周回積み足してたら、FLESHWATERがちょっと染みてきちまった。
ま、でふとんなんだけどな。

実は今、風邪で体調崩してしまい、ちょっと不調気味だったりします。

とはいえ2022年も、あと1ヶ月内。
元気にやっていきまっしょい。

ではまた来週。

SPIRITWORLD, BEHEMOTH,FLESHWATER,NICKELBACK,

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