今回、偶然にも赤黒ベビメタ色まみれなんですけど。
EMBER FALLS/「Ruins」:83p
フィンランド産歌モノエレクトロ・ヘヴィロック、2nd。
サイバーメロデスにも通じるスタイリッシュな重厚さに、ダンサブルともいえる明度高めのキラキラシンセ。そして、例えばDISTURBEDあたりのひと昔前のUSメタルを彷彿させるメロディックさとグルーヴを重ねるかの併せ技ながらも、しかし柔和なメロウネスはやはりユーロテイストか。
そんなミーハーな美味しどころ盛りまくりの即効性勝負モノながらも、しかしツボの押さえ方も器用でくどみもなく、出来は秀逸で気に入った。
確かに「よいこメタル」っぽさも漂っているんだけれど、でもこういう↓フック豊かなチューンをそつなくさらりとこなしてみせる地力の高さは、やっぱり素直に認めたい。
なんつーか、普通にイイっす、これ。
LOCK UP/「The Dregs Of Hades」:86p
(今週のお勧め)
まだやってたんか!(嬉)
NAPALM DEATHの親日家シェーン・エンバリーパイセンによる豪華グラインドユニット、久々の新作。
ケヴィン・シャープにトーマス・リンドベルグという風雷二大鬼神が構えるダブルVo陣営にはどうあったってそりゃ気圧されるが、しかしそれのみならず、斬撃鋭いギターリフに豪腕でぶちこむ爆裂ビートなど、やってることの真っ当さが、がっつり突き刺さる。
そんな威風堂々、これぞド直球王道勝負の横綱グラコア也。
やーもー、あのねーこりゃあ「格」、だよね。
格ってのが違うわ全然。
LOCK UPって、やっぱり別働隊のプロジェクトバンドらしくて、良く言えばストレートな、悪く言えばヒネリも愛想も味気もないことばかりやってんだけど、それを面々の持ち味と凄み、つまりは「格」の寄せ合いのパワーゲームでこなしてみせるってことを昔からずっとやってのけてて、それを今回もまた、いや今回こそ特にガツンと見せられたって感じすね。
当然、今週のお勧めは、こいつでもう決まりでしょ。
SPIRITWORLD/「Pagan Rhythms」:81p
自称「デスウェスタン」なる、デスメタルとウェスタンを合わせたとおぼしきエクストリームメタルのデビュー作。
尤もウェスタン風のSEなどそうしたテーマはあるのだろうが、しかしサウンドそのものはハードコアみの強いデス&ロールちょいドゥーム系。
…と言うと、それENTOMBEDやんと思いかかるが、それもあるけどもっとニュースクールのギラついた殺伐さが濃厚か。ただし彼ら同様に滲み込んでる煤けた鉄鋼色、地下臭がなんとも魅力的だ。
アップテンポで筋骨にみなぎり猛るハードコアな血流の熱さといい、腕っぷしの強さを思わせるいいバンドだなこりゃ。
SWALLOW THE SUN/「Moonflowers」:72p
フィンランドのゴシックメタラー、8thらしい。
暗鬱ながらも美しいメロで、ゆったりと荘厳に幾重にもデカダンスを織り上げるような作品なのだが、正直、スルスル抜けていく。
なんでだろ、やってることに目新しさもないからか、「あー、はいはい。こういうやつねー」って感じで、それ以上にぐぐっと迫らないというか。
底無しの悲哀に落とされるこれ↓とか、全然悪くはないんだけどなー。もう少し聴き込んでみますか…。
以上、今週の4枚でした。
今週は年始から、豊作、豊作。
あと何気にこないだ出たUNDEROATHの新作が想像以上に良くて、このところリピってますね。
ではまた来週。