【今週のチェック】MACHINE GUN KELLY、THE HELLACOPTERS、NEMOPHILA、INCITE

今週のチェック
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こん中に月曜休むの日和ってるヤツいる?
雨降ってるし花見も出来ないしとか思ってるヤツいる?
いねえよなあー!?
月曜潰すぞー!
おおおおおお!

おっと、その前に今週のチェック4枚。
最近週末に間に合わないんよねー、まあいっか。

MACHINE GUN KELLY/「Mainstream Sellout」:79p

まず最初に言うけれど、このMACHINE GUN KELLYがなんでぼくにとってお気に入りなのかというと、ラッパーがどうこうとかでは全くなくって、彼の求めるパンク像に「BLINK愛」がクッキリと見えるからだ。
そしてこれだけで、ぼくにとって彼は十分、応援に足る存在だ。

と、そんなMACHINE GUN KELLYによるブランニュー・フルレンス。
つまりは稀代のファッションアイコン・ラッパーが”敢えて”今オワコンなロック、それもポップパンクやるのってクールじゃね?となった前作「Tickets To My Downfall」から僅か一年ちょい、トレンド賞味期限切れになる前に駆け出しで出してきた新作だ。

そのため、音楽性に関しては手堅い安牌といえばもう、ただそれまで。
その「ファッションアイコン・ラッパーが”敢えて”今ポップパンク」を、ここでもまんまにやっているので、その意味において、それ以上でもまたそれ以下でもなし。

よってそれをもって「敢えて」が「ネタ(メタ)」として有効だった前作のレベルから、これはもうただの「ベタ」じゃねーか、前作のフレッシュさはいいとしたってまたこれやんのかよ、という批判が出てくるのも当然っちゃー当然か。
海外レビューサイトなんかでの批判が、まさにそれだ。

尤もぼく個人的にはそこら辺、全くもって果てしなくどうでもいい。
そんなことよりぼくが評価しているのは冒頭のくだり、そこにある彼の「BLINK愛の正しさ」について、である。
しかも彼のパンクに対する彼の指針というものが、なかんずくゼロ年代、つまりは泣けるおバカから大人のロックになっていくあたりのBLINK-182に向けているところがいいのだ、判っているのだ。
本来から秀逸だった、メロセンスの成熟と洗練。そしてその中にエモさが内部浸透していった、あの時代のBLINKをこよなく愛していた身としては、そこにこそシンパシーを覚えてやまない。

あ、それと目下パパがビンタで大騒ぎ中だけどWILLOW(↓)って巧いし、すごく映えるんだな。
正直、彼女の去年のアルバムは大して面白いともそう思わなかったけれど、でもここでのイーモーガー!では色鮮やかに煌めき揺らす情動のカラーリングをたくみに表現しており、このアルバムでの客演勢ではピカイチレベル。
彼女の貢献、コレってかなり大きんじゃないかな、アルバムのアクセント的にも。

THE HELLACOPTERS/「Eyes Of Oblivion」:75p

ちょいちょい集まってはライブ再活していたというヘラコ、まさかのリユニオン・ニューアルバムを14年ぶりにリリース。
しかもメンツにはニッケ・アンダーソンドレゲンも集結ときた。

かつて初来日を見てきた(いいだろ、えへん)身にしては全くもってたまらんわけだけど、とはいえ今を生きるこの令和の2020年代ですわ。
今更ながらに、初期のかっ飛び火だるまポンコツロケンローを彼らに期待するでもないので(と言いつつ少しばかりしては、当然ながらもやっぱり裏切られるんだけど)、枯れっ枯れのコクみある酒の美味いド渋ROCK’N ROLLで酔わせてくれればもうそれだけで、十分に御の字。
そういう意味でも、存在価値のあるアルバムに仕込まれている。

それになんといっても、ニッケ・アンダーソンだ。
彼らしい乾いた哀愁を帯びた、伸びのあるギターリフだ。
こういう(↓)のをズバンと浴びて、そりゃあ往年のリスナーならばぐっとこないわけがない。

全体的に手探りなリハビリ感が全くないわけでもないのだけれど、それはさておいたって取り敢えずヘラコ帰還を嬉しく思わぬわけもないわけで、その喜びに足る出来には十分足りている。

ていうか前に増してブルージーにコクみが増してるのが、たまらんな。
ったく、しばらくいい酒の肴になりそうなアルバムが届いたもんだ。

NEMOPHILA/「Revive」:79p

「地獄のゆるふわガールズバンド」、NEMOPHILA
満を持してのデビューフルというのが昨年末に出ていたらしいんだが、今頃になってそのアルバムの存在を知った。
すまんね、相変わらずな情弱で。なので、今頃新譜レビューお取り上げ。

しかしなんでこういうベビメタ以降の国内ガールズバンドって、いちいち面白いメタリックアプローチを見せるんだろうか。

尤も彼女らの場合、よう知らんのでその「ゆるふわ」たる意がぼくにはわからないのだけど、それはおいておくとして。
パワフルに吠えかかる獰猛ヴォーカルのありようが強いのだろう、思いの外に硬派で剛直で、前のめり。
フレッシュな感性でヘヴィメタルに触れながらも、ゴリゴリとがっつくモダンなアグレッションもハイブリッドに取り込んでいて、その勢いあるテンションが実に程よい。

LOVEBITESほどに重厚ネオクラでメタメタしくはないけれど、Passcodeまでデジタルでもない、どうなんだろ、最近のMARY’S BLOODあたりが指向性的に近いのかな…って思っていたら実際にそういうバンドだったっていうね。こりゃ情弱失礼。

とにかく、弾力性すらあるビートの上を駆け巡る、縦横無尽なギターと、そしてそこに乗っかりスクリームぶちまけつつ、あちこちで不敵ぶりたがる「あたし」ヴォーカルが、いい。かっこいい。カワイ素敵だ。魅力的だ。いいじゃないか。いいバンドじゃないか。

INCITE/「Wike Up Dead」:78P

SOULFLYマックス・カヴァレラの息子、リッチー・カヴァレラ率いるバンドによる、6th。
いやあ、もう何だろ、このブラジルの肉食メタリックファミリーって、つくづくこういう剛直の力技、好きだよねえ。

MACHINE HEADLAMB OF GODのミッシングリンク」などと海外サイトでは評されているけれど、成程、その理も分からないでもない。
つまりはマッシヴに密度強く鍛えられた筋力でぐぐっと突き進むあたり、MACHINE HEADらしくもありつつ、しかし番カラにオラついた剛力っぷりはLAMB OF GODにも通じよう。
そのように、確かにスラッシュメタルからラウドロック、メタルコアと進む米国リアルメタルの旨みを吸い上げて、ギラついた無骨で無頼な喧騒メタルの魅力をしっかり伝えているのは、十分に好感が持てる。

なので、基本構造十分アリっちゃアリなので、もうそれだけで及第点あげたくなるんだけど、でもそれだけにこそ少しばかりケチを一応つけておくと、割りと作りとしては雑というか、荒め。
つまり、良くも悪くも、勢いとパワーでモノを言わせている反面、そのぶん大味なところも確かにあって、魅力的な反面でそこらへんを減点されても否めないってのも感じるところ。

尤もギラッギラにギラついた刃みたいな剣呑とした物騒さは昔のスラッシュメタルやデスメタルに通じる野暮ったい魅力が十分にあって、好きだなあぼかあこーいうメタル。
要するに、血、なんだろうねえ。よきよき。

以上、今週の4枚でした。

今週も、豊作、豊作。
なんだったら4枚お勧めでも全然いいくらいにレベル高し。

ではまた来週。

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