今週のチェック/EXTREME, THE USED, ART NATION, INVENT ANIMATE, -The Weekly Reviews

EXTREME, THE USED, ART NATION, INVENT ANIMATE, 今週のチェック
EXTREME, THE USED, ART NATION, INVENT ANIMATE,
スポンサーリンク

EXTREME/ “Six”:85p

EXTREME/ “Six”

EXTREME/ “Six”

EXTREMEさん、この令和にまさかの復活を果たしてしまわれる。

…と思ったら、実はひっそり(?)と2008年にすでに復活アルバムをリリースしていて、どうやら本作はそれに続く早くも第二弾との話。

ていやそれちっとも早くもねーわ、そっから15年も間ぁ空いてたわ、寧ろ実質復活作みてーなもんだろ、と面倒なのでそれスルーして本作へと向かってみた今ここ。(いんだよ細略)

そんな元祖エクストリームメタル(違)による新作のジャケが、まさかのゴリラというブルータルなトゥルース
しかもこのノイズテラー「Waiting For The Punchline」(↓)みたいだったら笑うな、と軽めに思いつつ向かったら、真っ当な位そのまんまだったというグランジPTSD必至の精神崩壊鬱展開。

ここで一応軽く解説しておくと、「Waiting For The Punchline」(↓)とは、80年代末~90年代初頭の華やかなりしHR/HM全盛期に全米上位を走っていた彼らが、ニルヴァナ直下型大震災の直撃惨劇地獄絵図のど真っ只中にリリースしたいわくしかない4th特級呪物アルバムだ。

何といっても1995年、世は「遺物は消毒だぁ~!」なグランジオアダイ時代のこと。

彼らがここで放ったのはそんな大虐殺時代に相応しい、このジャケが物語るかのドライでレイドバックしつつ、80年代ヘアメタルの踏み絵を踏み叩き割ったようなオルタナファンキーな音楽性だった。

これには当時Rが2つもあって焼け野原みたいな誌名の焦土専門誌レビューにおいて、編集長様自らが「やめてくれー」と悲痛な叫びをあげる一方で、かたやガッツポーズ専門家が「こんな退屈グランジ聞く気すら起きない」と70脱糞を付けるという、今となっては「そもそもなんでこの人らにレビュー任せたんだよ」としか思う以外に全くない、大本営無忖度茶番が繰り広げられる有様。(やめてくれー)

結果、あの当時の市中では、SKID ROW「SUBHHUMAN RACE」あたりと双璧を成しかねない中古ユニオン捨て値ワゴンの大常連となっていたことが戦中派キッズどもには懐かしかろう、げにいまわしきトラウマ作だ。

とはいえ我らリアタイ組的にゃここらに色々言いたいことも実はあって、それは別に書くとするが、それはさておき。

本作ではもう少し誰もがベッタベタに思い描く往年のヒット作、「PORNOGRAFFITTI」に寄せて80年代HRしてくんのかと思いきや、いやそれもありながらも、意外にもヘヴィでスポンテニアスな90年代グランジメタルの様相。
どころかインダス使い捨てリアルあり、かと思えばモアザンワーなアコチューンあり、はたまた往年のファンクオルタナ路線ありと、しっかりその道程を踏まえている作りになっている。

つまりは、黄金期のそこから3rd「Ⅲ Sided To Every Story」でより顕著に見せた実験性や多様性、そしてかの特級呪物をも経てここに至った産物として、ここに「ちゃんと正しくEXTREMEのあるべき本質を現代に復活・継続させている」のが印象的だ。

「にしちゃ古臭い」「90年代ネタばかりじゃねえか」という意見も判らないでもないが、そこは50代のおっさんどもの復活バンドだ、許してあげよう。
個人的には、若さゆえの峻烈さとムラが激しく同居してた「Ⅲ Sided To Every Story」からのネクストステップを、その後の経験値と成熟さで補って時流にうまいこと着地さえてみせたアルバムと理解した次第。

ってそれ本来あったべき「Waiting For The Punchline」のことかー!?(やめてくれー)

いや、ええアルバムだと普通かつ素直に思いますけどね、ぼかあこれ。
熟年リスナーは個々のトラウマに思い馳せつつ、また「『PORNOGRAFFITTI』?ああ、アポロは月行ったというのにお前らときたらってやつ?」という後世世代もそれなりに、と色々と楽しめるかと。(多分)
是非にお楽しみを。

ART NATION/ “Inception”:60p

ART NATION/ "Inception"

ART NATION/ “Inception”

今月のRが2つもある何かの専門誌での「今月の忖度コーナー」にて、91忖度ものインフレ忖度を受けておられたので、ここに試してみる。

なんでも2017年に日本デビューするやいなや、またたく間に評判(→)になったという、イエテボリの名メロハーバンドの新作、4th。
メンバーチェンジがあったらしいが、全く知らん。

CROWNEなる初めて聞いた北欧メロハー界のスーパーバンド(→)でも活動するアレキサンダーさん(Vo)の力強い歌唱を中心に、これでいんでしょ?と取って付けたようなそれらしいピロピロギターと、「あれこの曲さっき聴かなかったっけ」と思い違える程に親しみやすいメロディックチューンが並んでいて、これじゃまたたく間に評判(→)になるわけだと納得が出来る。(やめてくれー)

「ヒァウィゴー!」のロック(→)な掛け声に「えどこに?」ってなるM4“Fight Fire With Fire”といい、ぼくとはオシャレ感性(→)が完全に違った「おとしよりがかんがえたさいきょうのめろはあ」に過ぎないけど、でも心のなかでちゃんと91点付けておいたから大丈夫だ。(何が)

THE USED/ “Toxic Positivity”:79p

THE USED/ "Toxic Positivity"

THE USED/ “Toxic Positivity”

ゼロ年代初期から割と順当にアルバムを重ねる、元祖スクリーモの筆頭中古。

バラをガイコツが食う蛍光グリーンロゴと、完全に発想の元ネタがGUNS N’ ROSESPOISON合わせて正しく中学生の伝統的様式美している本作でかれこれ9thという本作では、バート・マクラッケン(Vo)自らの体験にメンタルヘルスをテーマにしたとか。

何かやたら最近多くないかそういう系…てのはさておき、今更ながら改めて、随分と彼等もこう、ポップなところまできちまったなあ、という感想が拭えない。

例えばモダンEDMかHIP HOPみたいなM3“I Hate Everybody”をはじめ、デジタルなゴシックあるいはケミカルなロマンスとでもいうべきM8“Dancing With A Brick Wall”あたりはまさしくその最たるもので、それらを含めて良し悪し別に、メジャーなモダン・ポップロックとしての成熟と洗練を進めているとの印象が。

そのモダンさと滑らかさのせいか、冒頭~中盤にかけて今ひとつ引っかからずスルスルと抜けかかったのだが、しかし後半ぐっとドラマティックに盛り上がっての挽回展開。
しかもラストのグッドチューン、M11“Giving Up”に弾ませる甘酸っぱいセンチメンタルなメロディックさが胸に残る作りなせいか、終わりよければまこれでいっかと、やっぱりそのUSEDクオリティに頷いてしまう。

その意味でも、昔よりは随分と衰えが目立ってきたとはいえ、今回だって望まれてる及第点をちゃんと超えてくるのだからやはり流石の中古品だ。

INVENT ANIMATE/ “Heavener”:70p

INVENT ANIMATE/ "Heavener"

INVENT ANIMATE/ “Heavener”

アニメイト、米テキサス店。
15mまでなら問題ない拳法家(→)かと思ったら天の羽衣らしかったジャケのこれが4th。

あれこれごた混ぜしては、やたら起伏激しくて展開の渋滞がひどいプログレッシヴ・メタルコアながらも、しかしそれ以上にそのメロディックさにエモの影響やアトモスフェリックな空間美が印象的な、美メロ叙情派アニメイト。

まやってることはTURSDAYとかhopesfallの令和版で別段目新しくもないんだけど、その、

どどど。
どーん!
ぼぎゃーん!
どぎゃっ、
がっ、
どぎゃーん!

と迫っては断罪さすかの令和中学生ヘヴィネスに、

ほわほわ~
は~~~~ん

というアンビエントなふわふわした柔和さとを巧みに織りこんでUK的耽美みたいな独自の色彩を作ろうとしていて、いやそれはよく伝わるし確かにいんだけど、でもなんというか、いま一歩でインパクトが弱い。
(てかずっとそれだけなので、段々飽きて「ハイハイそれで?」ってなる)

M4“Without A Whisper”のようにスケール感を備えた重厚さとメロディックさの一体感などは聴き応えもあるし、上に書いたこともM8“Purity Weeps”くらいキャッチーに突き抜けてくれると伝達力もあるんだが、うーん、やっぱり段々とdjentこじらせてく後半の押しがちと弱い。いや前半も、あと中盤もだな。(←それ全部)

とりあえずアニメイトたちの戦いはこれからだ!(次回作にご期待下さい)と、こんくらいは一応あげとく。

以上、今週の4枚でした。

EXTREMEの新作、今週こればっか聞いてたけど、めっちゃえっすね。
(黄金ヒット期80年代的な意味じゃなくって、自身の歩みとルーツを踏まえた上ということで)ちゃんとEXTREMEしてるのがいい。

あこれ一応言っておくけど、EXTREMEって80年代ヘアメタルじゃないからねその本質って。
ギターオリエンテッドなアメリカン・オルタナハードロックバンドだよ。

…て話は別にしよっかな。
ではまた。

EXTREME, THE USED, ART NATION, INVENT ANIMATE,

EXTREME, THE USED, ART NATION, INVENT ANIMATE,

一応しとく注意
・レーティングはあくまで書いてる人の個人的な気分と機嫌のみに基づいたものです。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?
タイトルとURLをコピーしました