え?あれ?
もしかしてだけど、ひょっとしてなんだけどさ、今、働いてるー?
ええーっ!?
働いちゃってんのーwwwマジでwwwwうけるーwwww
え、いや、ワイ、お休み。
もっかい言うね、月曜なのに、お休み。てへ☆
というわけで、んじゃそそくさとやっときますかこないだのやり損ね分な、今週のチェック4枚。
ちょっと赤めな今週は、残念ながらお勧めナシってことで。
BAD OMENS/「The Death Of Peace Of Mind」:75p
BRUTAL TRUTHの2nd同様の項垂れメタル(嘘)、3作目フルレンス。
LA産ながらも、端整なシャープネスと透明感あるなめらかなメロをデジタルテイストに溶かし込んで、UK感覚にも通じるスタイリッシュなダークトーンをまとっているといった印象な彼ら。
って、要するにオサレ系サイバーポストハードコアヅラではあるのだけど、そこはアメリカシーンの一線でモマれてるだけあって、決してヤワじゃない。
鮮やかなダイナミズムとメタリックな鋭角さ、そして何よりもキャッチーな楽曲の魅力が躍動感として伝わってくるのが素晴らしい。
特にアルバム前半(#1~#3)はかなり充実しており、良質なオープナーからの数曲の並びでぐぐっと聞き手を一気に掴みこむフック力は、かなりの好印象だ。
この2曲目(↓)とか、往年のLINKIN PARK並みのコンポーズセンスがみなぎっている、と言ったら褒めすぎか。
しかもそれらのみならず、終盤においてはインダストリアル・テイストを増しながら、パワフルかつアッパーに勢いを進めていく。
なかでも浮遊感と凶暴なヘヴィリフが交錯する#13“what do you want from me?”(↓)などは、(恐らく狙っているのだろうが)90年代テイストな今更これかよ感をぬぐっても十分にかっこ良さが勝りきる秀逸ぶりだ。
(しかもここから更にアグレッションを高める#14への流れもたまらない)
と、ここまでは高評点間違いないのだけど、問題はメロウな中盤が余りにダるいということ。
この中だるみのせいで、せっかく高まった前半のテンションが、一旦がっくりと失速するのがなんとも致命的だ。
ったく、つまんない出来の5曲くらいを捨てて、前半と終盤を絞り込んでコンパクトにまとめ仕上げれば結構な名盤になったろうに。ボリューム勝負だったCD時代じゃあるまいし、なんでこんな物量戦略で詰め込んだのか。
で、見ればセルフプロデュース。
ここはちゃんと外部の作り手入れて、ばっさりやるべきだったのが悔やまれる。
なので、評点は中盤の分だけ10点マイナスってことで。
うーん、勿体ないなあ…。
SABATON/「The War To End All Wars」:74p
大仰なクワイヤを仕込んだ中学生サウンドに、臭みすら帯びた勇猛な中学生メロ。
そんな中学生ウォーメタルを標榜する(してんのか?)スウェーデンきっての人気中学生パワーメタラーによる、すでに10作目という新作中学生フルレンス。
当初はコテコテなイメージしかなく、くどみが強くてこりゃキツそうだなあ、と警戒しつつ向き合ってみたのだが、これが意外とすんなりイケる。
恐らくはこの暑苦しくてムサいモヒカン垂れサンマッチョという、「銀魂」にどっかに雑魚キャラで出てきてそうなヴォーカリスト、ヨアキム・ブロデーンの歌唱面をも含めた雄々しきリリシズムが、その中学生的世界観にがっつりとハマっているためだろうか。
正直、ちょっと楽曲面が色々と弱い気がするし、作風も一辺倒と思わなくもないが、でもその良し悪しも含めて、なんだろ。ここまで押せ押せの力技で迫る無骨さと、ある種のストイズムみたいな剛直さをズドンと掲げられると、いっそコレはコレだからこそいいんじゃないかって、そんな中学生な気分になってくるからメタルって面白い。
やっぱりパワーメタルは「パワー」がないと嘘だよな!
SCORPIONS/「Rock Believer」:71p
ドラマーにミッキー・ディーを加えての陣営となる、SCORPIONSの新作。
前回、てか昨日「今更これやって、だからどうだっつーのよ」と書いたばかりだけど、そう思ってしまうのは表現手法、音楽性の話ではなくて、要はそれがさほどのインパクトとして響かず、「で?」で止まってしまうレベルなことが問題なのだと、あれを書いた後に気がついた。
そりゃ「BLACK OUT」みたいな曲や更には70年代を思わせる哀愁の叙情美チューンなどを前にすれば、少しばかり心は揺さぶられ踊らないわけじゃないのでそれなりに楽しめはするのだけど、んじゃこれを繰り返し聴くような名盤になるかと問われたら、話は別。
一旦は終わった退役老兵バンドの復活作なんだから少々大目に見てあげようよ、だってこんなに頑張ってるよおじいちゃんたち、って理屈も判らなくもないのだが、でも、だったらこれじゃなくて昔のアルバム聴くわってのが本音のところ。
ダメダメだった前作はじめ、過去の近年作に比べれば全然マシだし、決して悪いアルバムじゃないとは思うのだけど、でも実際問題、普通の出来じゃないっすかねー、この程度だと。
BEACHHEADS/「Beachheads Ⅱ」:72p
軽やかに弾む、人懐こく甘酸っぱい歌に、ざらついたギターノイズ。
まるでTEENAGE FUNCLUB、
あるいはNIRVANA、いやVASELINESか。
そんな80~90年代初頭の米カレッジロックへのノスタルジアすら香る朗らかパワポサウンドに、一体どこの誰のものかと思えば、なんとこれがノルウェーの暗黒ロックンロールバンド、KVELERTAKのメンバーによるサイドプロジェクトであるという。
へえー!
メンバーとしては本家からVidar LandaとMarvin Nygaardが関わっているようだが、それ以外は不明。
タイトルの通り、どうやら2ndアルバムとの位置づけらしい。
色鮮やかなセンチメンタル・メロディに戯れたかと思えば、パンキッシュに疾走する。
めくるめく初期オルタナティヴロックへの憧憬よ。
ま、とはいえアルバムとしての出来自体は割と凡庸、それ以上に別段突出するものもさほどになし。
よってこれが「KVELERTAKのサイドプロジェクト」じゃなかったら多分スルーしていたかも、と思わなくもないのだけれど、しかし成程。あの捻じれひねたようなKVELERTAKの感性の影響源はここらへんに根ざしたものだったのか、というちょっとした発見も、ロックファンとしちゃやっぱり楽しいものだ。
以上、今週の4枚。
そしてお勧めは、BAD OMENS、前半×終盤「のみ」っていうね。
でもそこ「だけ」はマジでえっすよ。お試しあれ。
ではまた来週。