NEMOPHILA / “The Initial Impulse”(EP) :92p

NEMOPHILA / “The Initial Impulse”(EP)
2023年10月リリース。
これは令和の「メタル・ガレージ」なんだよ!
(なんだってー!)
…と、口角泡飛ばしとるキモおっさんが香ばしいレビューはこちらからどうぞ。
今や飛ぶ鳥を落とす勢い、何と先月のRが2つあって燃え盛りそうな名の某忖度専門誌では、その表紙と巻頭ぶち抜きインタビューをも堂々独占。しかもそれで一切アルバムレビューがされない(なんだってー!)というキバヤシすら全くわからない程に高度な大人の事情をみせていた彼女ら5人による、こないだのアルバムの前に昨年リリースされていた激選4曲カバーEP。
尤も細かキモいことは既にこちらで言い尽くしたが、それからも伝わる通りな令和Zジェネセレクトぶりといい、すべてが最高級に仕立てられたパーフェクトおっさんホイホイであり、そいつら加齢臭放出呪霊どもを無限召喚させてはやれY2Kがどうだのとかクソ面倒な知ったことかをほざき出させる術式のための特級呪具。(え呼んだ?)
一応内容に触れておけば、オリジナルに忠実ながらもブリブリでガリガリとした鋭角さと緩急が彼女らの硬派さと柔和さの双方を伝える、M1“Master of Puppets”(METALLICA)に、横ノリと縦ノリを巧みに編み込みながら、原曲にあったコロコロと色味変わる狂気をものの見事に演じきった、M2“Sugar”(SYSTEM OF A DOWN)。
かたや、すわこの獰猛爆撃を可憐な女子バンドがやるか、と腰抜かしかねないM3“(Sic)”(SLIPKNOT)の強靭さに、完全にオリジナル超えしとるM4”Stuck”(LIMP BIZKIT)の超絶圧倒な格好良さ…って言えなくもないんだけど、でもそのサウンドを前にするともう、そういう解説一切いらんだろとしか言いようがない存在感たるや。
あとこれ書きながら思い出したんだけど、METALLICAの「メタルガレージ」もさることながら、同時にお前のいとこはマイクパットンの才力によって眠ってた潜在力無理やり引っぱり出されたTHE DILLINGER ESCAPE PLANの実は最高傑作だったTENGA山田なミニアルバム「Irony Is A Dead Scene」にも近いやつっていうか、あれ自力でやらかしてるその凄さよ。
(出たぞY2K!)
ちな、先週このEPレビュー書いてから夜な夜なYoutubeでディグり始めてんだけど、この子ら王道メタル名曲からV系からうっせぇわまで色々とカヴァーを動画に挙げまくってて、いやはや日々の晩酌が進むわ進むわでまったくNEMOPHILAは最高だぜ!
(エクストリームおっさんホイホイ)
あとワイ基本箱派を気取りつつも、実はこっそり、そこはかと香る足立区系オラツキヤンチャ微臭がたまらなくカッコかわいいmayu(Vo)と、あと地味美人すぎるドラマーむらたたむ推しなのであしからず←完全にハマってるやつ
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CANNIBAL CORPSE / “Chaos Horrific” :85p

CANNIBAL CORPSE / “Chaos Horrific”
2023年11月リリース。
これで何作目だっけか(16th)、Let’sカニ棒安定の新作コープス。
前作から加わった病殺!天使ちゃんのエリック☆ルーたん(Gt)が未だにちゃんと正規在籍してるってのもなんだか色々とすごいことだが、でもさすがに段々と慣れてきたのか、前作に増し増ししてやたらと馴染みがいい。
しかもルーたんらしいぎゅるぎゅる♡永遠ヘイトギターもさることながら、これももしよかったらで本巣のどす黒い魔闘気をも持ち込んでは、前作以上にそのブルータルさに気迫と貫禄の濃度をごっそり高めてきてるから大したもんだ。
ま、つってもやってることは相変わらずというか、要はアレのまんま。
1994年にペット探偵のジムキャリーが誘拐されたイルカを探しにライブハウスに来た頃のhakaiされた顔面なおまいらからずっと変わらない、オールドもスクールもヘチマもクソもないこれぞ真正デスメタル。
んじゃその前作と何がどう違うんだ、と言えば「馬鹿野郎!アルバム名もジャケ画も曲名も全然違うじゃねーか!」と怒られてしまいかねない全然違う作り。
でもいいんだよ!こういうのはこういうんで。
んじゃアレか、今更コープスグラインダーが清らかに歌えば気が済むってのか?
いっそラップでもやってみせるか?ああっ!?(←ムキになって)
大体、令和になっても全く変わらない魔城ガッデムばりの物騒さ、アルバムもかれこれ本作で16枚もなるというのに飽きもせず、やれ生贄を連れてこい(“Summoned For Sacrifice”)だの貴様の骨という骨を折り砕いてやる(“Fracture And Refracture”)だのと微笑ましい世界観がキャッキャウフフ楽しげに繰り広げられる一方で、やれご自慢のPitchforkでそのおスノッブなお腹わたをお突き刺してやるぞこの腐れクソおサブカルどもが(“Pitchfork Impalement”)と知性の高さも忘れない。(嘘)
激烈なのに妙にキャッチーっていうのも、相変わらずこの人たちらしくてホント萌えポイントよね。(平常運転)
HOLDING ABSENCE / “The Noble Art Of Self Destruction” :82p

HOLDING ABSENCE / “The Noble Art Of Self Destruction”
昨年のいつ位だったか、英ケランゲの気持ち他で珍しく満点獲得してたのをすっかり忘れ、今年の年始になって音汚っの年間ベストアルバム上位に選ばれていたことで「そういやあったな」とようやく思い出した、これ。
本作で3rdフルレンス。
実は昨年の夏秋頃に、オレじゃなくちゃ見逃しちゃうレベルでひっそりとリリース。(完全に見逃してる)
ここ近年佃煮にしても食べ切れない位増殖してるUKポストハードコアの中でも地味に人気を獲得しており、そういやこいつら、前2ndもウチのレビューで扱っていたっけ。(完全に忘れてる)
しかもその前作でも80点と厳し目なウチじゃそこそこの高得点つけては、どうやらぼく自身が「期待大!」とまで鼻息フンガフンガしてたっぽいけど(完全に忘れてる)、でもそこではどちらかというとキラーチューン“Afterlife”の突出さに引っ張られるところが大きかった。
…はずだ、確か。(完全に忘れてる)
ところが今回は全体的に楽曲の曲粒を揃えつつも抑揚と作り込みを増しながら、「この一曲が」というよりはトータルとして充実した作りとなっているなど、順当に上り調子な優良株ぶり。
相変わらず彼らならではの英国らしい陰ったスマートさと繊細な透明感を示しつつも、スクリーモ、エモに沿った柔和な叙情性はむしろ上昇。
なかでもアンセミックな盛り上がりのM3“Dalse Dawn”(↓)は、アルバム前半イチの高揚役として前作“Afterlife”ばりのパンチ力を思わせるが、しかも今回はそれのみに終わらない持ちこたえよう。
むしろ今回は後半の充実ぶりが優れており、M6“Death Nonethless”からUKロック的な耽美さをたたえるM7“Her Wongs”、そしてM9“Liminal”に至るまで、これは!と引き付けるメロディックな佳曲が息切れせずに連なっており、そこからクライマックスまでの盛り上がりをダレさすことがない。
このようにアルバム作品単位で描ける堂に入ったスケール感といい、なんとも成長頼もしい限りだ。
期待大!(完全に忘れる)
POLARIS / “Fatalism” :74p

POLARIS / “Fatalism”
2023年8月リリース。
オーストラリアのほこるメタルコア・カルテット、3年ぶりとなる3rd。
山海塾みたいなジャケと年始から昨年の年間ベスト内に選んでいるのをちらほら見かけて、気になって聴いてみた。
デジタルアレンジやらポスコアやらdjentやらチャグリフやらチャゲチャやらを混ぜ込んだハイブリットさで、ま、普通によくあるあるモダンメタルコア。
しかも音楽性にせよ、アート性にせよ、楽曲面にせよ、新味はおろか「これ」と突出したところはないのだが、何だろ、そこらへんにありあわせのものを寄せ合ってよく作られている。
でこの「よく作られている」が優れている反面、はみ出すような面白みみたいなのが少ないというか見当たらないのだけど、でもその地味さのぶんだけ実直というか、そこそこ器用に色々とこなせてみせて、で総合的に出来がいいっていう類な秀才メタルで、そのあたりでの評価は個々分かれるかもしれない。
とはいえ、それはそれ。
とくに前半の聴きどころはさすがに充実しており、なかでも冒頭からの勢いをキャッチーな歌モノで引き継ぐM4“Overflow”(↓)、そして多幸感に高揚されるM5“With Regard”への流れが秀逸だ。
しかしそれらに比べるとどっちかといえば幾分後半がいささか精彩欠き気味(というかプログレッシヴな展開のダイナミズムとドラマティックスに重心を置き過ぎて、その分だけキャッチーさへの配慮が欠けがち)なせいか、成績のバランスが崩れる分だけ段々とテンション下がってきてはその量産性の悪い面に気をとられて、ふーん、で?って真顔になってポチポチと早送り押したくなってく。
結果。うーん…あくまでぼく個人の感性からすると、確かに優良な作品ではあるけれど、でもおべんきょできる進学校よいこメタルのそれ以上でもそれ以下でもなしって感じで、やっぱり2023年メタルコアよくできたで賞部門ノミネート作ただし入賞ならず止まり位かなとも。
なお、本アルバムリリースを前にして、ギタリストのライアン・シューが若くして急死。
本作が生前最後のものとなってしまったうえ、タイトル「Fatalism(運命論)」がいきなり意味深いものとなってしまったらしい。R.I.P.。
以上、今週の4枚でした。
もうね、なんだろNEMOPHILAだけあれば生きていけるくらいになってますね最近。
ていうかやっぱライブみたいな、このバンド。
え、新作のアルバム?
…あ、えーと、その…
べ、別にこないだのにあと5点くらいは足してあげても全然構わないんだからねっ!?
ではまた。

NEMOPHILA, CANNIBAL CORPSE, HOLDING ABSENCE, POLARIS,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?