5時からブログ更新、掃除に洗い物、洗濯までをもこなして、ここらで一服。
曇り空の朝を眺めながら、オートファジー中につき朝ごはんを抜きながらの、コオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。
ふう、ほとんど食べてないからお腹減った、ナッツでもかじるか…。
ってハムスターか俺は!
JUDAS PRIEST/「Turbo」(1986)
アメリカで売れたくてアメリカ市場に出てきたバンドが、アメリカで売れようとアメリカ市場的なアルバムを出したら「何てアメリカ市場的なアルバムだ!」と大炎上して、みんなからマジ顔で激おこdisられた。
こんな、ミルコ・クロコップにも程がある、ちょっと何言ってんだか意味が判らないという往年のガロなみの不条理がごく当然の常識としてまかり通っていたのが、80年代から90年代初頭のメタルシーンだった。
普通に考えたら物凄く当たり前の展開なんだけど、でもそれをけしからんと言える暴力的な空気、お前は偽物だ売名奴に成り下がったと平気で名指せる、そんな呪われた農村みたいなぼくたちの甘美な夢の80年代メタル。
その最中の1986年ののどかな農村に、これは祟られた忌み子として産み落とされた。
アメリカで売れるためイギリスからわざわざ出てきたら、やれ大英帝国の狼煙だなんだと奉られて、でなんとなくノリで付けた「Defenders Of The Faith」というアルバムタイトルを「メタルの信念を貫くのだ」と極訳。
挙げ句「いや、ぼくは歩兵でいいですから、どうぞどうぞMETALGOD様は」と、何だかやたらものっそく重い十字架を無責任に乗っけられて、でシンセサイズドギターを入れてみたら、ハイ裏切り者呼ばわり。
いや元から裏切りの司祭なんですけど。
と、そんな愉快で素敵な夢の80年代の名盤が、こちらでございます。
今更、言うまでもなく名盤だ。
やれ最高傑作だの何だのとはひとまず置いておいて、これもまたハズレのない彼らの名盤のうちに欠かせない一枚だ。
ドライヴィンなハードロックチューン”Turbo Lover”から始まって、全体的には軽快でポップなものが目立つ。
“Locked In”などは、まさにその筆頭だろう。
更によりライトな“Parental Guidance”はデフレパみたいな良ロックンロールソングだし、終盤の“Hot For Love”から”Reckless”の流れに至っては、冗談抜きにして時流的なサウンドを自分のカラーに取り込むセンスとすべに長けていた彼らの持ち味がよく活かされている。
ちなみにいかにも80年代SFタッチなジャケットアートは、車のギアをターボに入れる様子であるとともに、男性器を操作するさまも暗に示唆している。
現代用語に変換すると、「手コキ」だ。
裏切りの司祭というしかめっ面のイギリス人たちがパリピ大陸アメリカで受けるためにヒリ出したセクシー表現がこれだったのかと思うと、アメリカ市場で売れることの大変さに目頭が熱くなる。
まあ、なんだかんだと言うても、あれから30年以上だ。
思い起こせばこの当時。この程度のアレンジに対してけしからんと自分への首締めが出来ていたのが、いかに平和で恵まれた農村のぼやきだったのか。
それをこのアルバムからたった6、7年後にはその農村を焼きうちしたグランジ無間地獄に叩き落され、イヤだ頼むからどうかやめてくれとのたうつ程に味わされることになるわけで、それも含めて今更ながら色々な意味で感慨深いアルバムであるのは、間違いない。
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ヴァイナルカフェとは |
近年やっとアナログレコードにハマった超絶情弱時代乗り遅れ管理人、黒崎正刀が、休日の朝に趣味でコオヒイをひいて、その日の気分で持ってるレコオドを流し、まったり鑑賞している間にゆるーくSNSなどで書いているものを、こちらのブログに転用したもの。 |