昨晩作った自家製ポテサラと自家製鶏ハムを挟んで焼いた週末朝ベーグルを頂きながら、今日もコオヒイひいてレコオド流して、休日恒例ヴァイナルカフェ。
今週は、TOUCH週間だな。
嘘みたいだろ、380円なんだぜそのレコード…。
TOUCH/Touch(1980)
最近なんと40年ぶりにまともな2ndを出したことで(↓)、コロナに怯えるメタル村の老害どもを震撼させ…るまでには全く至らなかったけど、一部の脳内に「!?!?!?!?」とマガジンマークを大量発生させたのが、タッチタッチここにTOUCHだ。
遡ること70年代末期、星屑ロンリネス野郎ことマーク・マンゴールドのアメリカン涙も見ないふりの次にほぼ同じ面子で組んだのが、このTOUCHであった。
そちらの新作については今週あげた上のレビューを参照していただくとして、本記事ではその1stのみを扱うことにする。
さて、先述の通りキーボーディスト、マークマン・ゴールドを中心として1970年代初頭から活動していた前身であるAMERICAN TEARSは、4枚ものスタジオアルバムを残して70年代末期に解散。
しかし間もなく、その陣営のうちベースだけを外した残りの面々だけで新しいバンドとして結成するという、最上級の嫌がらせをしたバンドがこのTOUCHだった。
…いやすまん、
世代がぼくとは違うので、この当時のニュアンスが間違っていたりしたら謝ろう。
ぶっちゃけ、事情を知らない。
が、しかしそんなTOUCHも、結局わずかこのアルバム1枚で解散することになる。
いや、実は次の2ndアルバムも作ったは作ったようなのだが、当初はプロデューサーだったトッド・ラングレンがろくな仕事もせず、バンドは大きく不満。代役を立てるも、さらにはマネージメントやレーベルとのいざこざの中でお蔵入りになってしまったらしい。
尤もここ日本ではCD化の際、1stアルバムとのカップリングでその幻の音源を「Ⅱ」とタイトルしてリリースされたことがある。
ぼくも随分と大昔に聴いたことがあるのだが、全くの記憶に残っていない。所詮はそんな大したものでもなかったということだろう。
興味があるかたはSpotifyにもあるので覗いてみて、その大したことのなさを実際にご確認いただきたい。
それはさておいて、バンドはその後の活動も次第にグダグダに。
かくして、やがてはぽしゃっていくという尻つぼみメロハー、それがこのTOUCHだった。
そんな彼等が40年ぶりに新作をいきなりポンとリリースとなったのだから、そりゃちょっとした騒ぎに…はならなかった。
それがこのTOUCHだ。
さて、アルバムに話を戻そう。
リリースは、1980年。
英国ロックの時代70年代が終わり、新しい時代の到来を告げるこの時期、TOUCHがオフィシャルに残した、たった1枚のアルバム。それがこれだ。
しかも、そこそこに売れた上、昭和メロハー史においては名盤と口伝されてきた、まあちょっとした伝説盤だったりする。
音楽性は、なんて言うんだろ、メロディックなんだけど、どこかQUEENみたいな大仰さのあるプログレッシブ産業ロック。
でも時々ジャジーだったり、RAINBOWみたいな様式美っぽい展開を見せたりと、節操なくあれこれやろうとするところがマーク・マンゴールドぽいといえば、ぽい。
俺が俺がとしゃしゃり出ては時代を感じさせるキラキラシンセに気を取られがちだが、意外とボーカルが伸びやかで悪くないし、QUEENへの憧憬を思わせるような厚めのコーラスもクリアでなかなかよい。
なかでも、上にようつべを貼っておいた1曲目の”Dont You Know What Love Is“。
哀愁を含んだメロディを分だんに散りばめたヨーロッパテイストなミドルテンポのこの曲は、メロハーの名曲とされてきたものだ。
尤もさすがに今聞くと、40年以上もの古臭さを否めないのだが、当時はそうではなかったのだろう。
また次の”When The Spirit Moves You“も、1980年という80年代の到来を思わせるライトなポップさだ。
その他、憂いあるメロを展開させる”So High“も悪くない。
ただし、CDには収録されていた”My Life Depends On You“(↓)が、このレコードには収録されていないのが残念だ。
憂いを帯びて躍動するRAINBOWばりの様式美展開がメタラー胸アツな曲で、これを外すくらいなら他のクソみた以下略
閑話休題。
ところで皆様は、かの伝説の「MONSTERS OF ROCK」をご存知だろうか。
そう、古くからのメタラーにとっては有名な、あれだ。
1980年代にヘヴィメタルの時代の到来として英国はドニントンで毎年夏に開催されていた、昭和メタル史に燦然刻まれし伝説のメタルフェスティバルだ。
ドニントンといえば、MONSTERS OF ROCK。
ドニントンなんてどこにあんだかよくわからないけれど、でもイコール、MONSTERS OF ROCK。
これは昭和メタラーの常識だ、覚えていてほしい。
で、そのMONSTERS OF ROCKの、1980年の最初の1回目。
トリのRAINBOW、そしてメタルの旗手JUDAS PRIEST、SCORPIONS、SAXON…とNWOBHMの隆盛を誇るかの錚々たる英国勢ビッグネームひしめく出陣の中、アメリカのバンドに対してもそこに2つの出場枠があった。
その1つが、東海岸の新星、RIOT。
そして、もう1つがなんと、このTOUCHだったのだ。
(カナダ枠としてAPRIL WINEも出ているんだけど)
しかもTOUCHはそのフェス一回目の最初のステージに出ている。いわゆる、オープニングアクト、ってやつだ。
ということは、当初それなりに高い注目度を持たれていたのだろう。じゃなければオープニングアクトに選ばれることもあるまいし、このバンドが伝説とされることもなかっただろう。
その様子は、若かりし当時に実際に現地でそれを見たマサGODイトーが、時折ドヤ顔で貴重にも様々な箇所で執筆されているので、興味があるかたは(いるのか!?)、どうぞそれを探してくれ。
広いインターネットの海の中で、前にどこかで目にした記憶がある。
さて、そんなTOUCHもデビュー時にはこのように大きく期待されつつも、しかしアルバム1枚で先の通りにあえなく活動終了。
バンマスのマーク・マンゴールドはその後、DRIVE SHE,SAIDなどでの活躍を経ながらメロハー界の裏方重鎮っぽい人になっていくのだが、それはまた別の話だ。
それではまた来週。
- アーティスト名:TOUCH
- 出身:US
- 作品名:「Touch」
- リリース:1980年
- AOR、産業ROCK、MELODIC HARD ROCK、様式美、
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。