雨降りの週末もいいもんよね…と下界を眺め下ろしながら聴くレインボーの味わいたるや。
そんなレイニーサンデーモーニンにコオヒイひいてレコオド流して、休日恒例ヴァイナルカフェ。
みんな、もうジャンル分けとかもういいからレインボーでも聴こうぜー。
RAINBOW/Difficult To Cure(1981)
ギターで頭ぶっ叩かれてやる気がLost In Hollywoodした横山やすしのケツを蹴りあげ「いいからアメリカで売れる曲を書け」とけしかけるも完全にI Surrenderで治療不可なので、こりゃダメだと代わりに探してきた無名シンガー、ジョー・リン・ターナーをフロントにすえたらめっちゃリッチーの狙いにピッタリな上にヤングイケメンで、やすしお前もういらねーわクビだわSince You’ve Been Goneだわとなった5thフルがこちら。
ついでにさらっと脱コージーしててドラマーにボブ・ロンディネリが加わってんだけど、今や言わないと誰も判らない。(多分)
全体的にポップ、とよく昔から言われてきた本作であるが、まあそりゃリッチーさまがそういう風に狙って作ってんだから当然そうなんだけど、でもどっちかと言うとそれよりもバラエティが豊か、といった印象がする。
なにぶんオープナーがこれなのでこれがこれだけど、でもソロがめたくそかっけー疾走曲”Spotlight Kid“や、あの年末第九インストのタイトルトラック。
更にはバラードからブルージーなナンバーまで、器用に歌いこなしながらも歴代中一番クセやアクのないジョーリン効果もあって、コンパクトかつマイルドな作りが特徴的だ。
結果、シングルカットされたラス・バラードのペンによる”I Surrender“が、リッチー念願のバンド初全米トップ10入り。
これのみならず、元FANDANGOで面白みが微塵もないアメリカン・ロックを歌っていたジョーのソウルフルだが甘口ちょいハスキーヴォイスを活かしたキャッチーな楽曲が話題となる。
後にソウルメイトとすら呼ばれたギタリストと一緒に書いた曲を本人に「あれはゲイの歌だ」と言われることになる(やめろ)ジョーであるが、実際、魔神ロニーとやすしという2大人外の曲を歌えるというのだから、それだけで十分に大した実力の持ち主だ。
おかげでリッチー・ブラックモアから付けられた呼び名は、「ゴールデンボーイ」。
図に乗ったゴールデンボーイは厚顔にも「リッチーに意見が出来るのは世界で俺様だけだ」と睾丸(ゴールデンボール)な吹聴をしては、好物である山ちゃんの手羽先を頬張ったとかなんだとか。
それと、新ドラマーのボブとは一切口も聞かないほど仲良しだったというドン・エイリー(Key)の鍵盤が、これまで以上にいい仕事をしているのも特筆したい。
“Spotlight Kid“をはじめ、ヘヴィメタル黎明期ならではの新しいソリッドな疾走感の中、リッチーのギターに加わり光るドンのスペイシーなソロワークは、RAINBOW鍵盤史においても屈指というべきプレイだ。
いかんせん地味とか言われがちな本作、しかもクレイドルオブぴろせが「Bent Out Shape」最高傑作説を執拗に既成事実化したせいで何だかそっちがジョーリン期最高傑作にすらなってる感がメタル村介護施設内で見られるけど、いやあんなふぉりなーより普通に考えて最高傑作は全然こっちですしおすしやすし。
(※注釈1)
関係ないけど、このアルバムの来日ツアーで名古屋公演後に同市内ホテルに泊まったリッチー先生。
真夜中にホテルでネズミが走ったのを見ただけで、こりゃジャパンのグレイトアースクウェイク遂に起きたかと腰を抜かし、メンバーやスタッフを大声でわめいて叩き起こした挙げ句、大雨の中をタクシーで東京まで高速を飛び逃げたという話は、本当なんだかよう知らないけどさすが御大ならではという気もしないでもない。
それでは、また来週。
※注釈1:いや普通に名盤だと思いますごめんなさい
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ヴァイナルカフェとは |
近年やっとアナログレコードにハマった超絶情弱時代乗り遅れ管理人、黒崎正刀が、休日の朝に趣味でコオヒイをひいて、その日の気分で持ってるレコオドを流し、まったり鑑賞している間にゆるーくSNSなどで書いているものを、こちらのブログに転用したもの。 |