やっぱりデフレパだ。~DEF LEPPARD/「Diamond Star Halos」:82p

アルバムレビュー
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DEF LEPPARD/「Diamond Star Halos」:82p

「やっぱりデフレパだ。」

良くも悪くも、最初に本作を聴いたぼくの口から自然にこぼれた言葉が、それだった。

確かに本作はバラエティは豊かだし、カラフルだし、新機軸も込められている。
例えばゲストを呼んで、そこから新色をいただき、味付けに落とし込んでいるのも、その仕様の一つだ。

それもあってかビートで躍動するようなハードロッキンさはここに後退し、反面熟成した音楽性や、往年のオールドロックへの回帰的傾倒を指向している節もある。
そうした意味では、軽量な作りというか大人しめというか、正直、インパクトの地味さも多少ながら否めない。

しかし、そうした特性を踏まえ、認めたとしても、それでもやはりぼくがここに一つ明確に思うこと、それが「やっぱりデフレパだ。」だということだ。

キャリアにすれば、すでに40年超え。
黄金期は、はるか30年以上前の80年代後期。
そこに敬意を込めてレジェンドバンドだとも言えるだろうが、言ってしまえば完全に老人バンド。
ぶっちゃけ、おじいちゃんロックだ。
そりゃあそのぶんだけのサウンド自体のフィジカルな衰えに、抗いは出来まい。

要するに、老けた。
特にはつらつとしたモダンなエナジェティックさをビビッドに見せていた前作からすれば、それらが「そげおちた」という感を否めないのも頷ける。
そのぶん、本作は明らかにロック作品として前作から大きく水を開けられている。
要するに、前作のが、上。これは素直に認めるべき事実だ。

しかし、である。
にも関わらず、それでも本作をぼくが評価するのは、そんなデフレパが、キャリア40年超えの老バンドが、無理することもなく若作りするでもなく、また枯れきるわけでもなく、そのキャリアや道のりの上で求められているものをしっかりとこなしているからだ。
しかもその彼ららしいポップなメロディックさにおいては、色あせをほとんど見せずに。
だからこその、「やっぱりデフレパだ。」なのだ。
これはちょっと、なかなかにすごいことじゃないだろうか。

でいて、しかしそこは流石の歴戦ドベテラン。
随所随所で露骨なまでに往年の彼ららしさを匂わせるフックを仕掛ける老獪な狡猾さを駆使しながら、しかし一方で、彼らの影響源たるグラムロックへの指向性を顕にし、ルーツ性をも主張。
例えば1stシングルのPV曲“Kick”(↑)のように、アルバム序盤にいかにもT-REXみたいな軽快な足取りの楽曲を散りばめているのも、これは明らかに意図的な狙いに違いない。
これは今回のアルバムの、ちょっとしたポイントだ。

しかも“Fire It Up”“U Rock Mi”などのように、そのダイナミズムの向こうにスタジアムの轟くような歓声や彼らを照らしあげるまばゆいスポットライトまでがリアルに透けて届いてきそうなところも、いい。
そこらへんもしっかりと、あの「デフレパ」だ。

つまりは、彼らの「出どころ」と、「映えどころ」と、「押さえどころ」。
今回はこれらの3点を明らかに意識的に盛り込んで、何より彼ららしいたおやかなメロディへの感性を損なうことなくしっかりと「デフレパ」をこなしてきた、というわけだ。

ただしもう少しばかり難をこぼすなら、とはいえアルバムはもう少しタイトに絞るべきだっただろう。
特にダレが生じている終盤は、いくらでも削り込んで対応出来たはずだ。

よってそこに少々物申したくはなるのだが、しかし完成度からすればこの位しか文句をつけるべき点が見られない。
つまり、全体としても、また各々の単体の楽曲としても、「よく出来ている」。
よく作り込まれている。
作られまくっている。
往年のアルバム、それこそ「Hysteria」「Pyromania」などのクラシックな金字塔的名盤と同様に、とまではいかずとも、少なくともそれらの系譜を継いでその名を損ねない程度には、よく作り上げられている。
その意味からしても、なんとも彼ららしくあるだろう。

そんなここには、この時代、彼らの出所やキャリアに合わせてうまいこと作りこまれた、DEF LEPPARDならではのDEF LEPPARDの姿が、ある。
そう、だからこそこれは、「やっぱりデフレパだ。」なのだ。

DEF LEPPARD

DEF LEPPARD/「Diamond Star Halos」

DATE
    • アーティスト名:DEF LEPPARD
    • 出身:UK
    • 作品名:「Diamond Star Halos」
    • リリース:2022年
    • ジャンル:HARD ROCK、
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