RAGE/「Resurrection Day」:86p

つくづく、RAGEというバンドは「ヘン(変)」なバンドだ。
ヘンなメロディ。
ヘンなリフ。
ヘンな歌。
なのに、どメタルで、どジャーマン。
だから「ヘン」なのに、このメタル村でやたらヘンに応援されている。
それがRAGEというヘンなバンドの存在だ。
そもそもRAGEにおける「ヘン」とは何か。
それは、価値共有ベースドにおいてこそ機能しうる辺境性、異質性のことである。
どういうことか。説明する。
まず、そもそもからして「ヘン」であるということは、ある所属集団から外れた存在であることのように思えるだろうが、しかしそうじゃない。
ではなくて、その所属集団内に属するからこそ、「ヘン」なのだ。
その集団内に所属するからこそ、その集団性から見て「ヘン」なのであって、別の所属集団の所属物なら単に「違うもの」でしかない。
つまりは、ある価値観を共有する集団のなかで、そのプラットフォームの中で、少しだけ異質なことをする。
その「ヘン」さとは、あくまでその共感価値の領域内に対する「ヘン」でしかない。
それが「ヘン」だ。いや、少なくともRAGEにおける「ヘン」だ。
このようにRAGEはメタルたらしめているからこそ、メタルの中で「ヘン」でいられ続けているのだ。
あくまで、共有する価値観を壊さない。
あくまで、プラットフォームから逸脱しない。
すなわち、ジャーマンメタル。
ヘヴィメタル。
その所属性を明言しながら、その上で「ヘン」をやる。
その価値観の、プラットフォームを、絶対に崩さない。
その信用と信頼の上で、「ヘン」をやる。
だから「ヘン」だと言われる。理解される。共感される。愛される。
つまりは、「メタル村の中心で、愛をヘンに叫び続ける」
実はこれこそがRAGEの「ヘン」さの正体だ。
さあ、そんなメタル愛を「ヘン」に叫び続けて40年近く。
「ヘン」メタルの超ベテランによる、今や何作目かすらもわからない新作だ。
細かい情報はオフィシャルや他を当たって欲しい。
やれトリオ編成がまたツインギターを擁するカルテットになっただとか、そういう変化要素も、あるといえばあるのだろう。
ただし取り敢えず、ここでやっているものの本質は何かといえば、王道なばかりの「RAGEとかいうヘンメタル」による横綱相撲。
これに尽きる。
クラシックのイントロからなだれ込む、アルバム・タイトルトラックM2″Ressurection Day“。
スラッシィなリフとパワフルなビートの疾駆が気持ちいい、剛直なM3″Virginity“。
さらには勇猛なジャーマンメタルナンバーM4″A New Land“から、ブルタリティすら匂わせるM5”Arrogance And Ignorance“へ…。
このように粒ぞろいな楽曲によって、メタリックかつ口ずさみやすい良メロが並んでいる本作だが、しかもそれでいてそのいずれもがやはりどこか、ほんの少しばかりに相変わらずな「ヘン」さをそこはかとなく伴っている。
これぞRAGEの「ヘンメタル」だと言わんばかりに。
流石だ。
流石の「ヘンメタル」ここにあり、だ。
「ヘン」で、王道をやってのける。
王道に、出来る。王道を、やりこなす。
王道をやって文句を、有無を言わせない。どころか「これぞ」とすら思わせる。
これこそがRAGE流「ヘンメタル」だわ、とその出来だけで力づくに真っ向から、唸らせる。黙らせる。
そういう力量と、歴戦のベテランならではの手腕で一切問答を問わせない充実のアルバムが、ここにある。
そして、そういうアルバムを作り続けているという既成事実。
これこそがRAGEという「ヘン」さを揺るぎなくさせている、「ヘン」さのブランド看板にほかならない。
「ヘン」さを、揺るがせない。
「ヘン」を、貫く。
つまりは、村の中心で、愛をヘンに叫び続ける。
それが出来る。
だから今尚もRAGEは、ヘンに強いのだ。

| DATE |
|

