四連休の中、一日前倒しで行う今週のチェック。
すまんね、明日早めにお出かけなんで先やっておくね。
時間と余力あったら、なんか書くわ。
そんな今週の取り扱い品まとめ。
詳しい解説は、各レビューページをご覧ください。
今週は、全体的にみんな良いですね。
オススメじゃなくても、オススメ。
オスメスみんなに、ススメル。
でもやっぱオススメ枠は一応、これいっとこうかな…。
LEBROCK/「Fuse」:80p
【今週のオススメ】
その音楽性は、80年代テイストのエレクトロニック・ロック、といえばいいのだろうか。
まあ、そこら辺はおっさんにはよくわからないが、とりあえずこのメタル村の言語に訳せば、とどのつまりが「メロハー」だ。
ただし全編、キラっキラ。まるできらめくようなシンセサイズドサウンドが、極めて明度の高いメロディで埋め尽くされたポップロックをこれでもかと飾りつけている。
まさかの無名が快挙。
英国のよう知らん、シンセとシンガーのデュオユニットによるエレクトロポップ…まあ、メタル村言語にGoogle翻訳すれば「メロハー」だ。
でもこれ、ホントに気持ちが、いい。
特にトップ3曲が優れている。
中でも爽やかなノスタルジアを運んでくれる#2″Heartstings“からきらびやかな鍵盤で開放感を受け継ぎつつ、ほんのり哀愁を小匙半杯位まぶす#3“Interstellar“(↓)は、アルバムイチのキラーチューン…とまでいかないまでもギリ数歩くらいには位置するものじゃないだろうか。
でここがアルバム最大の頂点じゃあるんだけど、その後だって悪くない。
例えば、哀愁メロハーで色味を加える#6″Hangin’ On“に、当時のMTVから流れ出しそうなイントロでキラキラポップを軽やかに弾ませる#8”Synthetic“等々…。
と、とにかくアルバム全体を通してシンセサイズドな透明感あるトーンでまとめながら、80年代レトロシンセAOR/産業ポップの味付けが施されている。
この夏のドライブアルバムは、これで決まりでしょ。
HARDLINE/「Heart,Mind And Soul」:76p
そう、全体的に、悪くない。
悪くはないが、「あの“Love Leaves The Way”の」を超えるレベルでは、ない。
いやね、そりゃ確かにレビューじゃこんな書き方したけれど、その「あの”Love Leaves The Way“」はさておいても、これもなかなかどうして良いアルバムっすよ。
ていうか正直、楽曲レベル勝負だけだと、先のLEBROCKよりワンランク上で、こっちの勝ちだ。
(勿論、比べる必要は全くないけれど)
まず、旨味あるギターリフから入り、愛情と熱感を高まらす#2″Sureender“(↓)が中でも秀逸だ。
しかもここから快活に広がる#3″If I Could I Would“、そしてちょっとどこかBON JOVIみをほんのり感じる(?)アメリカンテイストな#4″Like That“といった、この前半一連の流れ。
このようにサラっと曲紹介を流してしまったけれど、実際、良曲が詰まっている。
しかも名メロハートラックのみならず、本来のアメリカンハードロックらしさとともに、それを活かしてアルバムに抑揚あるカラーに富んだ作りもちょっとしたポイントだ。
なかでも躍動感ある#6″Waiting For Your Fall“なんかは、特に優れたスパイスかと。
勿論ながら、これらの程よくハスキーで力のあるジョニー・ジョエリの歌いっぷりも聞きどころ。
あ、前作でジョシュ・ラモス(gu)に替わって入ったギタリスト、マリオ・ペルクダニも、でしゃばらず地味にいい仕事しとるよね。
そんな、さすがはこの道のベテランといった安定感ある、安心印の完成度をもったオッサンアメハーの良心作だと思います。
なのでぼくの評点はこのくらいにしたけれど、でも人によったらあと数点は全然上がってもおかしくないだろうし、それも頷けるんじゃないかな。
ARTILLERY/「X」:76p
本作の、というか彼等の良いところは、いつも次の三点だ。
まず、ベテランの達者さに支えられた、オヤジスラッシュらしいガツガツしたキレの良さ。
そして、「あのARTILLERY」らしい、メロディックさ。
更には、「あのARTILLERY」が未だオハコな、エスニック音階。一方で本作の、というか彼等のダメなところは、いつも次の三点だ。
まず、ヴォーカルの致命的なカッコ悪さ。
そして、メロディックだからといって決して楽曲が良い訳では全くないという、コンポーズセンスのなさ。
更には、それが故に生じる中盤以降の、ダレ。
なんかもう、毎回これ↑よね、この人たち。
あれー、そういや俺2年前に前作のレビューというか感想をFacebookに書いたっけ、てか何書いたんだっけとさっき漁ってみたら、↓こんな感じだった。
★ARTILLERY / Face Of Fear
けたましき突貫ツービートによる、押せ押せの作風。
そこにおっさんGコンビが、まだ若い衆には負けられぬとばかりにガリガリと、ツインギターでつんざき斬り込んでいく。
当然、加齢スメルは濃厚なのだが、しかしまだ老け込んではいないし、錆びついてもいない。よってそんなスラッシィな激性要素に何ら不満もないのだが、しかし問題は残り成分三割程度を占めている、クリーンなハイトーン歌い上げ系Voを筆頭としたメロディック面だ。
これが悪い意味でダサいわカッコ悪いわつまんねーわで、マイナスにしか起因しないから困り者。それが未だに治りゃしないんだから最早これってセンス問題なんだろうけど、しかしその高い実力に対して勿体ないねえ…。
で、これがまんま、この新作にも使えるっていうね。
同じこと書いている、っていうね。
いやわかる。
それでもね、改善はされてるんだわ、少しづつだけど。
レビューに書いた通り、「前よりはいくぼかマシ」をアルバム毎に目指しながら進む、ちょいマシARTILLERY。
なのでこの評点には、そんな頑張りと、兄弟なくしても進んでいる応援したくなる姿勢、曲名に”In Thrash We Trust“とかやってくれちゃう心意気、それからかれこれ30年以上の付き合いなどが加算されているのを正直に認めます。
だってなあ、MV曲が(↓)これだろ?
大体ギターでスクラッチとか、そういう痛ましい「今これかな」やんの、おっさんはいらんのや…。
MAROON5/「Jordi」:75p
つまりはテンション程々に、大人のゆとりがそこにあって、耳障りがよくて聴き疲れのしない、だけど欲張りだけど、そこに寧ろ「ああいいなあ」と、そうじんわりと、ナチュラルに思えるやつがいい。
なーんて、そんな都合のいいものがあるのだろうか。いや、それがあるんだ。
丁度よく仕入れ立てのものがここに一枚、取って置きが。
全米のオシャレ人気ロックバンド、MAROON 5。何を隠そう、その新作がズバリ、それだ。
結構あれこれ書いたので、ここで加えることはさほどにないな。
だって今やオルタナロックでもなんでも全くなくなったこんな人気者が、今更メタラーオヤジに語られるほどでもないでしょ。
なんだろ、テーマもあるのか、全体的にメロウでほんのりノスタルジックなカラーリング。
人気者だけあって、お金使って、人使って、頭と技術使って、リスクマネージメントしてんのもさすがっす。
つまり、ラッパー筆頭に沢山イケてるゲスト呼んで、音像もモダンな今風ポップス仕立てにして、とちゃんとオシャレ作りを丁寧に仕込んでオワコン対策きっちり進めているのが、抜け目がない。
…おっと、門外漢がこれ以上偉そうに言うと怒られそうなので、このへんでやめときますね…。
以上、今週の4枚でした。
来週は、 KILLSWITCH ENGAGEの中の人がやってるTIMES OF GRACEや、連休気分で昨日もうあげちゃったWOLF ALICEなどを扱う予定です。
ではまた来週。