【今週のチェック 2021 6/05】THE ARMED、DINOSAUR JR、 JAKOB SAMUEL、MISTER MISERY等

今週のチェック
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というわけで、今週の取り扱い品まとめ。
詳しい解説は、各レビューページをご覧ください。

THE ARMED/「Ultra Pop」:86p

【今週のお勧め】

…そんな彼等のサウンドをぼくなりに伝えるとするならば、ズバリ「青酸カリと悪意を人工甘味料で包んだ猛毒キャンディ」。
つまりは、ニューウェイビーなピコピコシンセポップにポストパンクとノイズミュージックを混ぜ込んだ甘い甘いお菓子を作ったところ、グラインドコアの濃毒素が溶け混んでいて、食らった時にはハイ、コロリ手遅れ御臨終。
まさに極悪非道異物混入スイーツ、ここに発見せり。(略)

今週のお勧めは、何といってもこれ。
Pitchforkで8ポイント超えをゲットした他、局所的に話題となっている、このTHE ARMEDですね。

書いた後に知ったんですがこのアルバム、プロデューサーのCONVERGEのKurt Ballouのみならず、ゲストにもTHE DILLINGER ESCAPE PLANのChris Pennie 、SUMACのNick Yacyshyn、CONVERGEのBen Koller、さらにはQUEENS OF THE STONE AGEのTroy Van Leeuwen、SCREEMING TREESのMark Laneganなども、どうやら参加しているらしい。

ってマジかよ!?
いっくらKurt Ballouが手掛けているからって、たかがクソ無名のバンドでこのメンツが呼べるわけがない。
何かあんだろそれ絶対。

そう思って少しばかりこいつらのことを調べたのだけど、これがなかなか面白かったので補足説明しますね。

実はこのTHE ARMED、本「ULTRA POP」アルバムの前に何枚かアルバムを出している。にも拘わらず、とにかく情報がない。
だからこれまでも一体何者なんだ、と本国でも噂にはなっていた。

何せデトロイトの覆面バンドということ以外の情報がこれまで一切明かされておらず、メンバーは匿名で何人編成だかも判らない、ライブは数少なく、またやってもゲリラ的、インタビューはおろかネット情報もほとんどない。
そんな正体不明のバンドだったんですね。
ところが、このアルバムで少しずつ化けの皮、いや謎のベールがはがれてきた。

まずは、Youtubeでライブ映像があげられたことで素顔が出され、こいつらなのか!となった。

で、誰だったのか。
どうやらここにはCONVERGEのドラマー、Ben Kollerだとか、あと先週紹介したGENGHIS TRONのヴォーカルTony Wolski(ちょっと近い感覚があったんだけどそれかやっぱり!)、さらにはカナダのパンクバンドMETZのメンバーやらが参加しているらしい。
道理で!

で、インタビューなんかもされるようになって少しずつ正体が見えてきたんだけど、要するにバンドの実態が極めて不定形で、入れ替え自在。
場合によっては、ファンなんかもメンバーになることもあるらしい。
(実際にレコーディングにも参加しているとか?)

しかしサウンドが、まー興味深い。
ニューウェイヴにカオティックハードコアぶちこんでポップにくるめこむというこのセンス。
まさにレビューでも書いた通りの、猛毒キャンディ。
80年代インダストリアル、あるいは「ポップさをノイズの壁でくるむ」というところにWILD HEARTSの問題作(=名盤)「Endless Nameless」あたりを思うこともあるかもですが、もっとぐしゃぐしゃでカオティックハードコア。
その独特の感覚が、個性的で面白い。
そんな、今後ちょっと注目したい謎の連中であります。

レビューページに乗せたPVも最高だけど、こっち↓も変態で最高。

あ、「オヌヌメ」やめました。
だって元々はFacebookの音楽仲間向けの記事として使っていたユルいものだったからね、ちゃんとします。(笑)

DINOSAUR JR./「Sweep It Into Space」:76p

ただ一言、「染みる」。
以上。それだけ。
だからもう、それ以外の評文はこれ以降に書く程のことでもなくって、もうそれだけで終わりでいいんじゃないか。
これはつまるところ、そうとしか思えない類のアルバムだ。(略)

先のTHE ARMEDで予想以上に手間掛かっちゃったんで、後はサクサク行きますね。

ダイナソーの新作は、一言で確かに「染みる」んだけど、もう一言で言えば「変わらない」。
変わらない。
変わっていない。
変わらなすぎ。
いや、いんだよ、これはこれで。
ぼかー好きですよ、先週からこれでよくお酒飲んでました。
天気いい春の夕方から、ベランダで読書しながらこれ聞きながら飲むビールがめっちゃ美味かった。

でも、だな。
これだけは声高に言いたい。

大昔、ゼロ年代初頭になんかのラウドロック系雑誌で、「ラウドロックとは何か」という定義を音楽評論家に聞いて回る、みたいな特集をやってまして。
その中で、当時斜陽だったヘヴィメタル(特に様式美的なやつね)をdisって「あんな様式めいたものはラウドじゃない」ってのはまー一理あるから別にいいとして、だな。
それに続けて「変わらないって伝統芸能か!ロックをバカにするな」とバカがバカなことをほざきやがった、どこぞのお偉いお音楽お評論家さま。
おめー、このアルバムにそれ言ってみろよ。
おめーらが大好きなオルタナティヴ、グランジ、カレッジロックの筆頭にそれ言ってみろよ。
おめーのこのアルバム評は、当然「ダイナソーが変わらないって伝統芸能か!ロックをバカにするな」なんだよな!?
だから頭がクソだっつーんだよおめーらロキノ…おっと黒い崎っぽが出てきたのでこの辺で。

ちなみにこういう低能老害は、近代社会の「自由」の定義(積極的自由と消極的自由)を犬糞脳なのでまるっきりわかっていません。
超簡単に言えば、「変化しない」を選ぶ自由もある、ってことです。
つまり「変化しなければいけない」というのは自由でも何でもないわけで、おめーの腐ったクソ脳がほざいたことは「ロックは不自由でなくてはいけない」というのと完全に同義だということをよーく叩き込んでおきやがれ、と20年も前の話をしつこく覚えている粘着スペックな黒崎さんでありました。
俺ぁ、やられたこたあ生涯忘れねぇんだよ!

MISTER MISERY/「A Brighter Side Of Death」:74p

「ホラーメタル」とは言っても彼等の場合、どちらかといえばシアトリカルなオカルトタッチの今様メタルコア、といった色合いが強め。
とはいえそこはやっぱりお国柄、ゴシック要素とサイバーメタリックなデジタル要素をうまく取り込み、北欧らしいメロディックな音像へと落とし込んでいる。
また時折、この手の米産には見えないであろうイエテボリックなデスメタ直系遺伝子を見せるのも面白いところか。(略) 

おーい、第一人称「俺」になってっぞー。
というわけでかなりブルータルブラックメタリックな黒い崎っぽが出たみたいですが、何を言ったか覚えていないのねん。

ということで、次のこれ。

…ん-。
取り立ててあんま言うことないす。
そのレビューのまんま。
まースウェーデン産ってのが面白いとこかな。
悪くはないです。頑張ってください。

JAKOB SAMUEL/「Coexist」:81p

2018年に解散したPOODLESの元ヴォーカリストJakob Samuelによる2作目ソロアルバム、ここでの音楽性の基軸は、躍動感もあるしバラエティもある明朗溌剌スウェディッシュ仕込みアメハーと言ったものだ。
となればそこは杵柄、流石元より器用で才気も実力も備えた芸達者ならではの手腕で、つい趣味嗜好に傾きがちなソロ作品という場に置かれながらもバランスを崩すことなく、キャッチーに良質な楽曲を並べて曲粒を揃えてみせている。(略)

今週のダークホース。
ポップアメハーなんだけど、楽曲がいい。メロがいい。歌がいい。

あのさー、
ぶっちゃけWG WAM(伏字)とかPODLES(伏字)とかって、存在自体が「イタい」じゃないすか。
いや過去形で「イタかった」じゃないすか。
「いや、あのですね、ダサイってちゃーんと、判ってるんですよ!?
でも、敢えてダサいと分かっているけれどいいものを、ダサさ前面にやるのってアリじゃないですか!?」
みたいな弁明感が、なんだろアーティスト側にもこっち側にもあって、その「敢えて」にお互い乗ってやっているみたいな、その「イタさ」が苦手だったんですよ、その「イタさ」に乗りたくなかったんですよ、何せ生来のひねくれ者なんで。

で、WIG WM(伏字)とかシリアスになっちゃって「敢えて」を捨ててんじゃないですか、だっせ、じゃ最初からおめー…おーっと崎っぽ、崎っぽ!出てっから!

まあ、そんなわけで、PODLES(伏字)もイタくて苦手でした、じゃないな、「イタさが苦手」でした。
でもこうやってその音楽性に匹敵する作品作ってくれると、素直に、ああいいねえ、と思える。何せ生来のひねくれ者なんで。

いや、でもホントいいアルバムだと思いますね。
この曲もすごくいいけれど、他にもいい曲一杯あるし、実力も才能もある人だとよく判る。
POODLESもちゃんと聴こうかな…。←

以上、今週の4枚。
割と収穫のいい週でしたね。どれも悪くない。てか、いい。

さて、来週は、Voにレースクイーンさんが加入したSERENITY IN MURDERの新作(これがまた素晴らしい出来)だとか、MELVINSの新作だとかを取り扱う予定です。
お楽しみに。

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