これからAMEYOKOでNOMIKAI行く前にKONSYUのYONMAIをSAKKURIと。
MEGADETH/「 The Sick, The Dying…And The Dead」:85p

MEGADETH/「 The Sick, The Dying…And The Dead」
「病んだ、死ぬ、で死んだ!」とド直球の中学生スラッシュタイトルでイキり攻めてきた、山口エレフソン(やめろ)抜きムス様の新作。
冒頭からファストに死ね死ね病気でと焚きつけており、いたく大佐もごきげんなご様子。
しかもカウントダウンあたりのメロディックさを彷彿させつつも、ガツガツしい速い曲を冒頭から前半にかけて固めてきてるので、出だしのインパクトと威勢良さがいつも以上にめちゃ上がりしてる。
ICE-Tの無駄遣いに笑った3曲目“Night Stalkers”は長ったらしくて鋭利さを損ねるからもう少しタイトに出来たろと文句も出なくはないけれど、でも刺々しくてファストだからアリアリだし、デッケネのカヴァー曲も今更だけど予想以上のドハマりっぷり。
そう、こうなってこそあのニヒルかつシニカルなムス様の歌う思春期っぷりもバエっバエに映りあがるというものだ。
まあ、ダレるんですけどね!
でもそれはもうハナから勘定済みとしたって、このご時世にまだMEGADETHがメガメガしくこんな速くてカッコいい中学生スラッシュメタルが出来て、でちゃんとやってくれるんだから、ありがたいっちゃー十分ありがたい。
評点はそのありがたさを、概ね10~15pくらい含んだものとご理解をば。
え、90点台?
いや、ないない、ないって。(笑)
THE CALLOUS DAOBOYS/「Celebrity Therapist」:71p

THE CALLOUS DAOBOYS/「Celebrity Therapist」
サブカルイケメンども男女7人による、しかもそのメンバーの中にはキーボードやらヴァイオリンやらサックスプレイヤーやらもいるらしい、米アトランタの大所帯マスコアバンド、これが2nd。
ゼロ年代初頭のデリンジャEPみたいな暴発多展開カオティックハードコアやりつつ、ポップだったり叙情的メロディックだったりなパートを突如ぶっこんでくる。
ってそれiwrestledabearonceのことかーと思われそうだが、要するにそれ。
ただし正直、あそこまで歪んでネジぶっ飛んだ病的センスに至っておらず、サブカル崩れな普通の人が頑張ってみました、みたいなイタさがちょいチラつく。
それと大所帯ゆえのまとまりなさなのか手慣れなさなのかわからないが、その展開というのがどうにも渋滞気味でスムーズさに欠ける。
しかもいずれも使い古された手ばかりの新味のなさで、もうちょっと何かが欲しいところ。
とまぁこのようにマイナス要素しか出てこないのだけど、そのくせ時折飛び出す唐突な明朗さというのが、時々におっ!?と耳引くので油断がならない。
しかも終わりよければ案外とよし、それらを印象づけるようなクライマックスに至る終盤の数曲だけでがっつりとプラス10ポイント位稼いでみせるから抜け目ない。
何せちょいネタバレすると(というほど大したもんでもないが)ラスト、パチモンレディヘなポップネスへと染められ、何となくメデタシメデタシな雰囲気モンへと仕立てて終幕。
さながらジャンプ打ち切り漫画の最終回ばりにこいつら先生の次回作にご期待くださいとごまかされて、「まいっか5pくらいサービスしたるわ」という気分にすらなっちまうから困りものだ。
YUNGBLUD/「Yungblud」:82p

YUNGBLUD/「Yungblud」
なんだっけコイツ?と掘り返したら、一昨年出した2ndアルバムをFacebook上で「英産気鋭のポップセンスおばけ」とまで激ボメしていたことを思い出し、我ながらちぎりすぎだろと恥ずかしくなった、これは続く3rd。
(その前作レビューは後であげときます)
ビリー・アイドルとBLINK貼り付けてみたみたいなオープナー以降、きらめけポップパンク学園とえもえもしく広がるお花畑。
WILLOWまでもゲスト投入してはイマドキパンクを囃し立ててくるのだが、んまあとにかく小賢しいんだけどしっかりその小賢しさをちゃんと美味しさへと器用に立て替えてくるから憎らしい。
いや、ポップセンスおばけとまでは流石に褒めが過ぎるし、そういえば前作のほうが良かったような記憶があるんだけど、でもこれだって十分なくらいにゃイイ線いっているんじゃないだろうか。
でもあれすねー、UKからもこういうオシャレメロパンクトレンドに同調するイキのいい小綺麗な連中がポコポコと出てきてるのがこの2020年代なんすねえ。へー。(鼻毛抜きながら)
HOT CHIP/「Freakout/Release」:80p

HOT CHIP/「Freakout/Release」
トレント・レズナーをDAFT PUNKがデジデジいじくったみたいなタイトルチューンが、まず良い。
しかもファンキーなオープナーからして気合がみなぎっているし、ラストへと向かうエモーションの高まりも聴き応えあり。
(“The Evil That Men Do”でのCadence Weaponの使いっぷりよ!)
こうした貫禄のスケール感に加えて、楽曲毎に表情と色味を変えながらもそのあちこちに飾り散りばめてみせた、ノスタルジアと緩やかなメランコリアと涼やかなアーバンさとの絡み合いが、心地よくすらある。
いずれにしたって、このところ地味さしか無かったHOT CHIPにしてはやっとこの新作で久々にスコンと撃ち抜き、挽回してみせたかの手応えを感じた。
やれば出来るやん。
以上、今週の4枚でした。
ムス様頑張った新作もさることながら、実は一番気に入っているのが、HOT CHIPの新作だったり。
実はこれ聴いたのはリリース間もない先月8月の終わりくらいだったのだが、それ以来ランニングのお供入りにリピってる有様。
爽やかな残暑の清涼剤に、是非。
ではまた来週。

MEGADETH, THE CALLOUS DAOBOYS, YUNGBLUD, HOT CHIP,