THE DEFIANTS/ “Drive” :84p

THE DEFIANTS/ “Drive”
かつてのソロ活動時代、まんまBON JOVIもろパクリなアルバムに対し、Rが2つある定価500円~っ!時代の無忖度専門誌レビューにおいて、名誉の64点に添えて「こういうやつが一番嫌いだ!」とこの上ない賞賛を受けたことがあるポール・レインさん(”やつ”扱い)。
しかも同じレビュー文内には編集長の断固とした思いで「これを若気の至りと弁護してはいけない」と、同誌による若気の至りが書かれており、今これらをどう弁護するのかはさておくとして、そんなこういうポールレインのやつさんがその後1993年にDANGER DANGERに加わったのは周知の事。
(2000年に脱退、その後DANGER DANGERも今や事実上活動停止状態)
で、このTHE DEFIANTSは何かというと、要するにそのポールのやつとその残党らという、「ほぼDANGER DANGER」なやつらだ。
しかも当然ながらこれらの面子に相応しいまでの、ポップでヘアメタリックなアメハーメロハー初期デンジャーをその音楽性の射程としているので、えポールレインって「Dawn」の?などというグランジ黒歴史を決して口にしてはいけない。
とまれ1st「The Defiants」、そして2nd「Zokusho」(続章)と、これまでもシモの緩い老人どもは失禁脱糞スカトロ必至なマストオムツアルバムを出してきた彼らだが、今回のコレもなかなかなまでのガッツポーズ案件。
(半壊旧車過ぎてドライブ出来てないジャケアートも自覚的でグッドだ)
何せのっけから「うぉーうぉー、うぉーうぉーうぉー」と往年のBON JOVIまんまのポップ・ハードロックが広がってくるため、「こういうやつが一番嫌いだ!」と弁護できない若気の至りも炸裂。
更にはハツラツとしたM3“19 Summertime”から、あこれ夜明けにランナウェイするやつだなM4“What Are We Waiting For”と、DANGERらしい色々な意味でのデンジャーさを早くも発揮。
その後も、M6“Against The Grain”のFIREHOUSEカヴァー(してない)、
M10“The Night To Remember”のALIENの1stカヴァー(してない)などなど、楽曲も粒ぞろい。
キラキラ☆ロマンチックメロハーなM8“Love Doesn’t Live Here Anymore”もいいよなあ。(ブリッ)
強いて言うなら哀愁の度合いでは前作に及ばないながらも、でもこれはこれで全然十分な名ポップチューンの満載ぶり、この令和になんたるポール・レインの面目躍如。
しかも果ては時々お前のいとこのジョージ・リンチ風なDOKKEN禁止法ギターも顔を出す。(ちなギターはロブ・マルセロ)
こういうやつが一番嫌いだ!(最高だぜお兄ちゃん)
SCAR SYMMETRY/ “The Singulary(PhaseⅡ – Xenotaph)”:85p

SCAR SYMMETRY/ “The Singulary(PhaseⅡ – Xenotaph)”
まだ生きていたのかよ!
ゼロ年代ポストSOILWORK世代、サイバーメロデス派の筆頭だった、スカシンことSCAR SYMMETRY。
しばらくはその名も届いていたものだが、知らん間に解散。
そして知らん間に再結成し、知らん間に前作「The Singularity (Phase I: Neohumanity)」をリリース。
本作は知らん間に作られていた7枚目のフルレンスなのだが、アルバムタイトルに「フェイズ2」とあるように、前作からの続きらしい。(知らんけど)
というかどうもこれは三部構成らしく、次もあるらしい。マジかよ!?
「シンギュラリティ(特異点)-フェイズ2:ゼノタフ」
と、意識の高い中学生が付けたようなタイトルだが、多分コンセプトアルバムなのだろう知らんけど。
あとゼノタフの意味は説明すると少し長くなるぞ。
そんな打切り連載SFはさておき、これの何がいいって「あの時代」のサイバーメロデスの令和版をここに再更新しながら、これぞスカシンとばかりの魅力を、これでもかと練りこんでいることだ。
しかもこれ過去最高傑作なんじゃないの?(アルバム数枚しか知らんけど)ってくらいに怒涛な、鬼のメロに次ぐメロの嵐。
にもかかわらず、しっかりエクストリーム・メタルとしての攻撃性も備わっているのが好印象だ。
如何せん冒頭M1“Chrononaufilus”が幾分入り組んだプログレッシヴさ…というか、要はゴチャ付いてて流れが良くないので個人的にゃあんま好きじゃないんだが、それ以降は、割とそんなこともなし。
なにせ近年のANTHEMみたいな歌メロが印象的なPVカットチューンM3”Overworld”から、一頃のディムボギャアーっ(ボルギル何それ)みたいな炸裂メロブラ学園M4“Altergeist”へ、そしてアークエナミっくな美麗さのM5“Reichsfall”という熱血胸アツバトル展開を前に、こりゃいかんと慌てて老人用オムツを着用。(要脱糞)
いや、M7“Hyperborean Plains”のしなやかなメロディックさもメチャクチャよいぞ!?(ブリッ)
それに昔なら「スタイリッシュ」「フューチャリスティック」などと評価がなされていた、近未来サイバーメロデスの世界観も未だに健在。
そのうえでの剛性と美性、激性と劇性の調和がなんとも絶妙だ。
いやはや、うっさいのに歌えるメタルとか最高かよ。
QUEENS OF THE STONE AGE/ “In Times New Roman…” :78p

QUEENS OF THE STONE AGE/ “In Times New Roman…”
元メンバーのマーク・ラネガンや親交の深かったFOO FIGHTERSのテイラー・ホーキンスらといった友人らの死、更には元奥さんのブロディ・ダル(THE DISTILLERS)との泥沼な裁判沙汰に癌の闘病など、ジョシュ・オム曰く「人生最悪の数年」を経ての、本8th。
その環境を帯びてなのか、全体的はダークで内省的な色彩が強し。
とはいっても勿論、今更ながら初期のKYUSS的メタル色素はとっくに希薄となっており、今回もよく出来たオシャレポップロキノンな作風に。
尤も昔からの売れっ子サブカル文系ストーナーのこと、ここではプリミティヴなヴィンテージ調ガラージロックをベースにしながら、その暗色トーンの上にUKロックやポスト・パンク、ゴシックなどを曲ごとに色付け。
いやそれただWHITE STRIPESが時々CUREとKILLIN JOKEを意識してみたやつジョシュ本来の濃厚な色っぽさがニューウェイヴィな妖しさとして、随所で活かされている。
(M4“Time & Place”のギクシャクポジパン聴いて、UNDER NEATH WHATとかふと思い出したわ)
ただし前「Villains」のダンサブルな綺羅びやか、派手さを味わってしまったせいか、それに比べてしまうと今回は、良く言えばストレート、悪くというか普通に言って、地味。
途中でBEATLES風のストリングスとツェペリンが踊るM1“Obscenery”から、ラストで取り敢えずヘヴィドゥーム出しておきますねな長尺曲M10“Straight Jacket Fitting”まで、途中軽めのヒットをはさみつつも悪くないけれど突き抜けもなく、「あれ、こんなもん?」と終わってしまう。
とはいえそのぶん円熟な作りというか、聴き込むと次第に味わいも出てくるのも確か。
やはりこのバンドらしいロウで太めのグルーヴ上での、艷やかなジョシュの歌による色気のぶちまけっぷりには、流石と唸らされる。
TROPHY EYES/”Suicide and Sunshine”:73p

TROPHY EYES/”Suicide and Sunshine”
英ケランゲ!の気持ちで珍しく満点をゲットしていた他、海外大手レビューサイトでも好評な、オーストラリアのポップパンクバンドによるHopelessからのこの4th。
「自殺と太陽」というぽえみーな霊圧のタイトルが掲げられた本作は、明朗ではあるが西海岸系ファンパンク的な能天気さとは違う繊細な情感が印象的だ。
アルバムは陰陽と静動とを揺れ動きながら、ときに弾むように高揚し、ときに塞ぎ込むようにウツウツしと面倒臭若々しくエモーションを行き来する。
なかでもM4“Blue Eyed Boy”などは、エナジェティックなポップさとノイジーな多幸感に溢れたいい曲で、要するにアレだ、えーと、アンセミック。
また、メロウネスの中で一人激情を吐き出すように歌い叫ぶM8“Sean”など、ぐっと迫るシーンも。
ただし正直、傷つきました系メンタルヘルス特有の情緒過多というか、ナイーブの押し付けがすごいので、聞くタイミングが悪いとぼくら昭和平成のおっさんにはちょっとついていけないのが難。
なので個人的には、うーん、こんくらいかな…。
以上、先月末くらいから聴いていたけど親父の葬儀やらで先週に挙げられなかった、今週の4枚。
今週はどれも皆よいですね。
ま、先週はずっとフーファイ聴いていたんだけど。
ではまた。

THE DEFIANTS, SCAR SYMMETRY, QUEENS OF THE STONE AGE, TROPHY EYES,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?