【今週のチェック】KORN,GENERATION KILL,PUPIL SLICER,CELESTE,

今週のチェック
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連休、ふぁっきゅー、モンテスキュー。
やたらモノトンな今週は、お勧めなしだけど、でもこるん正直よいすよ。

KORN/「Requiem」:80p

今更感すらとうに錆びついたような遥かオワコンヘヴィロックを、飽きもせずにこの令和にまた再生産して繰り返すのってどうなんよ…と斜に構えて向かっていたはずなのに、ついその手慣れたおまかせな職人芸を前に、ハマってしまった。

作風は、ベテランらしく洗練と成熟をほどよくまとめた、マイルド仕立て。
そして、流石の大看板らしい、安定のクオリティ。
地味っちゃ地味な造りの気もするが、今更そんなもんだろと思えば、まそんなとこ。
つまりは「安全安心、90年代化石トラウマ@それもうトラウマじゃねー!」メタルを、この令和にわざわざ近代史教科書どおりに本家がやっているだけに過ぎない。
ところが、その過ぎなさの事実を頭じゃ判っているのにも関わらず、いざその「KORNでしなかなさ」に触れ、その彼らならではの重さとグルーヴとダークさと色彩を前にすると、脊髄反射でぐっときてしまうから困りものだ。

例えば、#3“Lost In The Grandaur”での重圧ビートをジャギジャギと刻むノコギリギターリフと、ダウナーに沈み絡むジョナサンの情念こもった歌メロ。
あるいは、PV曲#2“Start The Healing”のような、振り幅大きいうねりを黒ずませながらも明朗に浮かぶ、中毒性の高いメロウネス。
そんな、新味なんてない、”親味”。
そう。知っている。よーくそれ、知っている。
かつて知ったる、ぼくらのKORNだ。本音を言うけど、そこが、それが、いい。

で、結局。またもや今回も、思ってしまった。
いや、KORNっていいよね、と。
全く、困りものだ。

GENERATION KILL/「MKUltra」:64p

EXODUSの元ヴォーカリスト、ロブ・デュークスによるスラッシュメタルユニット、多分3rdか。

鋭角無骨なリフでガツガツとイカツく斬り走る、シンプルゴリ押し系クランチャー。
…と思いきや、バラエティを広げなきゃとでも脳筋でいっぱしに考えたのか、中盤以降あれこれ手を出し始めるのだが、しかしそれが功をなしているかというと、そんなことは全くなし。
どころか、さして「引き」も器用じゃないくせに出した色気でやるので、「速くないところは面白くない」という、C級スラッシュあるあるパターンの陥りよう。

トップからタイトルトラック経て物騒ダークミドルに転調する#3(↓)“Evile Eye”(なんとクリスポーランドがゲスト参加している)、そして#4“Into The Black”へと、前半部はそれこそ押せ押せの突貫パワー芸を前面に効かせたEXODUS的スラッシュメタルの美味しいところアピールが出来ているんだけど(そこまでは+10点)、途中からそれが後退して退屈さへと変わってシラけていくのが残念至極。
似合わないこたあ、やんなきゃいいのに。

PUPIL SLICER/「Mirrors」:74p

昨年の4月に出ていたことを昨日知った、UKメタルコア・バンドのデビュー作。
今頃になって、ムリクリ消化。

多展開カオティックハードコアを身上に、時折デジタルだったりアトモスフェリックだったりというモダン要素も取り込んでいる。
その意味では近年のUKモダンハードコアにも通じるのだけれど、しかし彼らの場合はもっと混沌としているというか、いかにも端整な今様スタイリッシュさに傾いていない。
寧ろ激情をあらわに、刺々しくも蹴つまづきヒキツり弾け飛ぶような、そんな峻烈な情感表出のほうを遥かに優先しており、そこがギラギラと泥っぽくてハードコアらしいというか、昨今トレンドのUK「意識高い系」メタルコアとはツラ構えが違ってて微笑ましい。
熱気にあぶられた重音が溶け尖っているのも魅力的だ。

と、かような利点もあるのだけど、しかし。
初のデビューフルという気張りのせいか、あれこれやれることを詰め込みました的なありがち新人らしい積載過多の未整理に加え、それらの手法にフォロワー以上のものが見いだせない。
結果、熱量だけは伝わるのだけれど、やってることの実質はデリンジャコンバジ以下略凡庸という、嫌いじゃないけど今ひとつ評価につながらないタイプ。
ちょっと勿体ないな、これ。

CELESTE/「Assassine(s)」:77p

しばらくROLO TOMASSIの新作を聴いていたのだけど、上っ面感しかなくてあんまりにもつまんないのでこれにチェンジしたったが、正解だったわ。

というわけで、おフランスの暗黒ポストブラック、なのかな6th。
にも関わらず、ノイジーなジャリジャリとヤスリで削り炙るようなヘヴィネスを忘れず、お文系ちゃんな小賢しさに飲まれないで漆黒の黒炎を立ち上らせているのが、まずは素晴らしい。

しかもデカダントな悲壮感をくぐらせつつ、しっかりとダークで陰惨な毒気をみなぎらした重圧メタルの暗黒美を描いており、凶悪にしてエモーショナル。
十分に品格を備えてきたとの達観さだ。

ただし、このようにやってることはそこそこレベルが高いのに、似たような曲調ばかりで飽きてくるのもまた事実だったり。
悪くないんだけどね。

以上、今週の4枚でした。

なんかもうVOIVOD新作出てるらしいね。
はよ聴こっと。
ではまた来週。

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