ビキッてきた!
さっきしゃがもうとしただけなのに、腰にビキッてやつきた!
そんな真冬のご年配に怖いやつを覚えながら、日曜朝はコオヒイひいてレコオド流して休日恒例ヴァイナルカフェ。
ポニョのママはクリィミーマミだったんだよ!なんだってー!?
PRETTY MAIDS/「Jump The Gun」(1990)
全初期ファンどもがこのアルバムを前にキバヤシに対し「どういうことだ!」となった、1990年にかけられたぼくらの呪いがこれだ。
何せこれまでオープニング疾走曲で中学生大はしゃぎなお約束胸アツ展開だったはずが、アルバム3枚目にして遂に胸に7つの傷がなくてもスロー過ぎてあくびが出るミドルスタートときた。(なんだってー!)
この愛で空は落ちてきませんでした仕様を食らった当時、リアタイとしてよもや夢見る田舎夢精童貞じゃいられないヘビメタ終了のお知らせとなったかどうかは最早覚えてもいないが、でも考え直してみれば確かにあの頃、時は満ちてのバブルメタル時代。
このプリティなメイド連中も海の向こうのよう知らんアメリカとか眺めながら、ここからロゴ変えてレーベル変えてと心機一転、新装開店の腹積もりだったんだろう。
ま言うて冷静に向かえば、別段悪いアルバムでもないし、前にウチで触れた前2ndの延長線上だと言えば、そういうとこもあるでもない。(どっち)
そもそもを言うなら、元々バラエティ豊かでポップセンスあるバンドだった、てゆーか北欧メタバンってみんなそんなもんだったんじゃね?といえばまさにその通り。
なのに何だ、この平成を終えてもずっと残り続けるモヤっと感。俺はまだ登り始めたばかりな男坂ン(ジャンプTHE未完)。
ほんと、ぼかあダメでしたね、全然。
なんすかね、捨て曲もないし、別段悪くもない。
でも、ただ、悪くないだけっつーか、コレジャナイっつーか。
いや結構良質のポップ曲も多いし、それに疾走曲もあんだろと言われれば“Attention”のことか──っ!!!となるけれど、んじゃB面真ん中じゃなく1曲目でやれよともなるのが悲しきヘボメタキッズ脳(メタル村老人会右派)。
そのあまりのフンギレの悪さに「もっとまだ何かケツから出んだろ」ってなりつつも便座を立ってパンツ上げるときの気分のような中途半端に明るいラス曲“Dream On”を前に、今まで応援ありがとうございましたPRETTY MAIDS先生の来世作にご期待くださいとしかならなかったチャゲチャザガンなこれ。
そして、そんなあの日あの時あの場所でぼくらが味わったなんとも言えないほろ苦さを、わざわざアナログで買い直してこの令和に改めて味わい直すという、大人だけに許されしあまりに屈折しきったこの侘び寂びの甘露美よ。
なお、彼らはこの後案の定解散の危機に晒されながらも「ごめんやっぱこっちだったわ」と、死んでっけどな原点回帰作を出すも、しかし世は既に直下型ニルヴァナ大震災による絶賛大津波真っ盛り。
挙げ句の果てに何の因果かぽろっと売れたカバーのバラード(しかもやつはボートラ、アルバム最弱の面汚し)というドーピングを食らって生きながらえては、パワメタバンドも今は昔、諸行は無常、プリーズドンとリーブはミー。
背に腹はなんとやらなNON爪楊枝スタイルで、禁断のアンプラグドにまで手を出しては血迷い彷徨いながら、199x年すでにモヒカングランジどもにヒャッハー蹂躙された米被災地から遠く離れたデンマークや日本市場を細々と食い繋いでは矮小化していく羽目に。
そしてやがてそこらのZERO年代コーポメロハー達の脱糞と同化していくことになるのは、また別の話である…。
※このアルバム前の2nd「Future World」についてはこちらの記事をどうぞ。
- アーティスト名:PRETTY MAIDS
- 出身:デンマーク
- 作品名:「Jump The Gun」
- リリース:1990年
- ジャンル:POWER METAL、正統派HEAVY METAL、北欧メタル、様式美メタル
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。