KILLING JOKE/「In Dub-Rewind(Vol.1)」:50p
ぼくが滅法情弱なせいなのか、はたまたチェックを怠っているせいなのか。
よく判らないのだけど、少なくともぼく個人としては、ここ数年KILLING JOKEの名をとんと聞かなくなってしまった。
あれえ、この人達、その後どうなったんだっけ。
そういえばアルバム「Pylon」を2015年にリリースしてから、ほとんどその名を目にしていない。
だから彼らがその後どうなってんだか、とっくによく判らなくなってしまっている。
まあ、ユース(B)は恐らく相変わらずプロデュース業でも勤しんでいるのが何となく想像も着くのだけれど、ジャズ・コールマン(Vo)ってどうしてるんだっけ?なんかプロジェクトでもやってんだっけか?それとも暇なの?
うーん、よく判らない。
ていうかKILLING JOKEって、そもそも今やバンドとして機能してんのかな?
ライブ活動って、やってんのかな?
それとももう活動停止したの?休止したの?解散したの?バンドとしてそもそも機能してんだっけか?
うーん。マジで、よく判らない。
そんな情報すらまともに入ってこなくなり、彼らがどうなったのかよく判らないままにやがて時が過ぎ、そしてテン年代が終わり、2020年代が始まってしまった。
するとまもなく世界は新型コロナウイルスの渦に巻き込まれ、あれよあれよと混乱に飲み込まれ、この後のアフターコロナの世界がどうなってしまうのか皆がよく判らなくなってしまってしまい、そして色々なものがよく判らなくなってしまい。
そして、いつの日にかKILLING JOKEというバンドもまたぼくの記憶の「よく判らないもの」コーナーの向こうに、入ってしまっていた。
と、そんな中のことだ。
なんの前触れもなく(チェック不足なら失礼といったところだが)、KILLING JOKEがなんと今頃になっていきなり、よく判らないリミックス・アルバムを出してきたではないか。
へえ。なんだこれは。
しばらくご無沙汰にはしていたけれど、ここに来てこんな、よく判らない音源を出してくるとは。
しかもこれがネット上を軽く見渡してみても、まともな情報らしきものがあまり見られないときた。
かろうじてユースが選曲とミックスに携わっているということだけは判ったのだけど、まあこの作りを見るにそりゃそうなんだろう、簡単に想像がつく。
にしても何なのだこれは。全くもって、よく判らない。
往年の楽曲の、ダブ・リミックス集…なのか?
仕方なく、よく判らないままに再生を押してみれば、よく判らない中に”Requiem“が流れ出した。
しかも初聴段階では、一瞬「え、これが!?」という、よく判らないリミックスだ。
(まあ聴き進めていけば勿論判るのだけど)
そんな、謎しかないオープナーから始まって、そこから雪崩込む、M2″Turn To Red“の、あのダークでクールにうねるベースライン。
思わず、うおっと身を乗り出したが、その他にも”Tomorrow’s World“や”Love Like Blood“などもセレクトされている。
これらのことから比較的80年代の初期曲に主軸が置かれているかと思いきや、一方で折角のメタリックなエッジを引っこ抜いてしまったM4″Corporate Elect“や、あるいは”European Super State”やM5″This World Hell“などといった近年(とはいってもそこそこ前にもなるが)作品からのナンバーも。
うーん。
結局のところよく判らないままに、アルバムを何度か周回する。
ダブアレンジされたサウンドは、ここのところのアルバムらしいごっそり闇を帯びたジャギジャギした黒ずんだソリッドな轟音とはまた違ったイメージで、確かに、へえ、とは思う。
思うのだけれど、しかし。
正直、ぼくらメタラーの身からすれば、それでもやっぱりぼくらが聴きたいKILLING JOKEは、これじゃない。
果たしてもうバンドは終わってしまったのか、それともまだこの先があるのか。
あるいはこのリミックスが「Vol.1」とタイトルについていることから、こっちに進んでしまうのか。
よく判らないけれど、でもどうせなら。
よく判らないけれどこれじゃないKILLING JOKEを、ぼくは聴きたいものだ。
DATE |
|