ANGELUS APATRIDA、出来ておる喃。
ANGELUS APATRIDA/Angelus Apatrida(ST):84点

(今週のオヌヌメ)
随分いなたくも堂に入った気持ちええ音出しおるなあ、と感心して調べてみたら何とスペイン出(!)のスラッシャー、しかも結成20年にもなるというベテラン連中でした。
道理で、判ってらっしゃる。
オールドスタイルながらもザクザクと切っ先の鋭いクランチを主撃に組みつつ、要所ではモッシィなダウンパートを仕掛けるなど、ハードコアをも合致させての激烈殺陣クロスオーバーがその身上。
少々楽曲センスに弱さが見えるものの、それがどうしたとばかりに剛直無頼に斬り進むバイオレントなストロングスタイルが魅力的だ。
その様を例えるならば、Vo含めて、さながらTESTAMENTとPANTERAとHATEBREEDを混ぜて現代風に仕立て上げたかのような…と言ったら些か褒めすぎか。
当方の好みのせいか幾分評点が甘め設定なのは認めるが、それでも尚。男臭いうっせーメタルこそ本物だろが、というモノの良し悪しがお分かりな賢明なる諸兄であれば、アンジェラス・アパトリーダ、その名を覚えておいて損はないはずだ。
OUT OF THIS WORLD/Out of This World:82点

老害ホイホイスメルのドギツいイメージに身構え向かってみたら、あらやだ、これが存外悪くないでやんの。←1匹捕獲
何がいいって、メロの瑞々しさもさることながら、朗らかアメハーを基調にした、高めながらもやり過ぎない絶妙な明度のライティングだ。
JOURNEYを射的に収めながら、時に光沢強めて煌びやかに、またはヨーロピアンな哀感をツボに塗しつつ、はたまたVAN HALENに弔いの献杯を示すかのハードブギー…。
いずれながらもトミー・ハートの熱帯びた歌唱と伸びやかなマルチェロギターが描くダブルタッチって本来はこんなにもカラフルでベストマッチだったのかと、KEE OF HEARTSでは見出せなかった発見ネタを示しつつ、しかしそれでいて色調過剰になり過ぎない手綱捌きは、流石の職人達ならでは。
そんな、腕に覚えある練達が自由存分にそれを振るう様を味わえる、人工企画モノにありがちないやらしさを遥かに超えた自然醸造された旨味がここにある。
TEENAGE WRIST/Earth Is A Black Hole:83点

前作で「シューゲイザー要素を加えたJIMMY EAT WORLD」との評をどこぞかで目にしたが、成る程、言い得て妙。
エピタフ発のエモゲイザー、なんてそんなもんあるか知らんがそう呼びたくなる彼等、二作目のドロップだ。
とはいえその前作に比べると、ややながらシューゲイザー要素が薄まり…というよりこれは内部に浸透し溶け込んだ、と捉えた方が適切か。
勿論それもまたバンドの成長と洗練の賜物、いやはやこんなにもいい曲を書けるバンドだったのか、その分楽曲の魅力がえらく際立つようになっている。
そもそも彼等の音楽性において、手ー芸ザーはあくまで表出の手段の一つであり、目的にあらず。そのエゴから脱却出来た分だけ本作ではより間口が広がり、一皮剥けたかの印象。
結果、健やかな手応えある2ndアルバムに仕上がっているだろう。
SMITH/KOTZEN/Smith/Kotzen(ST):62点

要するに、仲良しおっさんギタリスト同士による、のびのびイチャイチャ企画モノ。つまりは、それ以上でもそれ以下でもない。
作風としては彼等の趣味たる70年代古典ブルーズドハードロックを楽しげに二人で歌い、弾きまくるといったもの。
結果、演奏と歌唱は当然ながら文句の付けようもないものだが、で、それで?と言ったらそこまで。
よって個人的評価としては、退屈、無刺激、古臭い、懐古過多、以上。
なのでここにエイドリアン・スミスかの御仁の名が冠して無ければ完全スルーしていたんだが、しかし我が愛するIRON MAIDENの、しかも「Somewhere In Timeこそメイデン最高傑作論」を憚らぬ身としてはやはり向かわざるを得ず、このような評価に至った次第。
尤も、昔からこの人はバンドという活動枠内でこそその化物じみた才能を発揮するタイプのミュージシャンだったから、A.S.A.P.然り、部外活動産物は精精こんなもんかもしれないねえ…。
以上、4枚。
SMITH/KOTZEN、まあね…そりゃ確かにしばらく聴きこんでいるうちに染み込んできたし、古臭いだけじゃないのも判るんだけど、でもここではこういう評価にしておきますわ。
それと評文にもあるように、ANGELUS APATRIDAは完全ツボなサウンドにつき、つい評点甘めにしてしまっておりますので、悪しからず。
一般的にだと、うーん…、そこから差し引き10~15点くらい、すかね…。(笑)
でもやっぱり好きだなぼかあ、こういうメタル。

