今週は何故かゼロ年代おっさんパンクばっかり。
メタル度数ちょい少なめ週でした。
CLOUD NOTHING/The Shadow I Remember:83点
(今週のオヌヌメ)
アルビニプロデュース、何を況や。
つまりは一言で言えば、「ぼくたちのポストグランジ」、以上。おしまい。
…とマジで最初はこれだけで片付けようとしたのだが、しかし何度か周回してるうちにおっさんノスタルジーがいい具合にじわじわと沁みてくるから困りものだ。
嘗てのゼロ年代意識お文系おルタナグランジの担い手も、今や立派なベテラン格に。
ジャリついたザラザラの疾走感も、そこに絡む柔らかなポップ感性も、今やすっかり堂に入ってる。
しかも透明感やエモさに今尚染め負けないヨドミヒズミユガミが、しかと根っこのハードコアに紐付いているのも好感が持てよう。
いやはや、実にいいバンドに熟したもんだ。
A DAY TO REMEMBER/You’re Welcome:77点
嘗てゼロ年代に要領良さげなメタルコアmeetsポップパンクで、飛ぶ鳥ガンガン落としてた名門VICTORYから羽ばたき出た彼ら。
さて、あれから彼ら自身落とされた鳥になったことは置くとして。久々に目にした新作でもまた、持ち前な手先の器用さを駆使。メインストリーム路線への指針を露骨に進めつつ、時にエレクトロニカルに、時には刺々しくメタリックにと、振り幅大きく激柔自在な芸達者さをバラエティ豊かに披露している。
つーかそれってただのBMTHじゃん、とツッコまれたらぶっちゃけそこまでなんだが、でも身振り以上に手腕が優っていて普通に旨みも高いし、これは全然アリかと。
DOWN BY LAW/Lonely Town:73点
人生即ちこれパンク、アメリカンハードコア界の生き字引デイヴ・スマイリー、ここに健在。
とそんなDOWN BY LAWの新作だが、かと言って今更それ程湧き上がるもんでもなければ、別段本作に語る程のこともさして見当たらず。まあ、こんなもんだよねという、それ以上でもそれ以下でも、それ以外でもなし。
寧ろ生暖かく、こういうもんでいいよ別に目新しさなんて誰も求めてないんだからといった、いかにもさを味わいつつも、だけど正直にはやっぱり艶やハリの遜色が否めない作りではあるだろう。
とはいえ、ここじゃ衰えもまた味なり。
こういうのだってあっていいじゃないか、とこれまでの歩みがあるからこそ枯れも加齢も旨味に仕立てられる、USオヤジパンクスならではのコクと懐の深みを示した一枚だ。
MAXIMO PARK/Nature Always Wins:70点
まだ生きてたんかい!
ゼロ年代を襲ったUKニューウェイヴリバイバルの大波の中から出てきたこのバンド。
えらい懐かしくなって聴いてみたら、意外にも賞味期限が残ってて驚いた。
いや寧ろあの頃のハイプに合わせてこ生意気にこまっしゃくれていた背伸びがなくなり、自然体に〜それこそ本作のタイトルのように〜かき鳴らされている今のサウンドの方が、成熟されてるぶんだけ浸透力があり。
これなんか↓まさに然りだ。
派手さもパンチもないが、その分するりと入ってくる。
それをこいつらにまさか今になって食らわされるとは夢思わなんだ。
以上。
「ぼくたちのゼロ年代」でした。