【今週のチェック 2021 3/27】ERRA、EYEHATEGOD、KINGS OF LEON、WITHERFALL等

今週のチェック
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ERRA、元々ポテンシャルの高いバンドだったけど、抜きん出ましたな。
素晴らしい。

ERRA/Erra:84点

(今週のオヌヌメ)

見事に垢ぬけた。どころか、明らかに一皮剥けて、そして世界観が大きく広がったかのよう。
米産プログレッシブメタルコア、3年ぶりの新作を一聴して受けた印象が、それだ。
これまで同様Djentやポストハードコアを手堅く取り込みながら、しかしエモ、オルタナ側への指針をここで少々微調整。代わりに強められたサイバータッチには彼ら持ち前の叙情性の高さが加わることで、よりドラマチクスが高まっている。
併せてよりフックの強まったメロディラインがまた、これまでを増して豊潤で扇情的だ。
つまりは、意欲的にして、精力的。高まり明らかなスケール感やメジャー感といい、現段階での最高傑作と仕上がっているのは間違いないのだが、しかし彼らの伸びしろからしてまだこの先もありそうで楽しみだ。

EYEHATEGOD/A History Of Nomadic Behavor:80点

ニューオリンズ地下脈深くからスラッジコアの始祖、愛憎神が再び眠りを覚まし、何とこのコロナ時代に7年ぶりの新作をドロップしおった。
しかもダメ人間ぶりしか伝わらない、音の汚さも今尚、健在。まるで高純度の猛毒をコトコト煮詰めたような、爛れたろくでなしブルーズドプリミティブヘヴィネス引き摺ってのご帰還である。
正直に言えばブライアン・パットン離脱のせいか、往年よりリフのインパクトが些か落ちた感も否めないが(でサウンドがシンプルな分だけ実は手痛いが)、しかしそれがどうした。
粗野にして粗暴、そして素朴。即ちこれがアイヘイトだと、新味を要しないワンアンドオンリーで切った張ったに挑める強みが、ここにある。
つまるところが、貫禄バンドならではの看板勝負。こうなると何だかもう、これやってくれるだけでありがたい、そんな風にすら思えてくるから大したものだ。
なお上記評点には作品評価に加えて、バンドの唯一無二性と個人的偏愛が10数点程は加算されていることを一応断っておく。

KINGS OF LEON/When You See Yourself:50点

南部のSTROKESなどと呼ばれはやされていたのも、今や昔のこと。
いつの間にか大売れして順調に格を上げていったのはいいのだが、しかしアルバム毎に落ち着きが進行。
その分間口は広がり、人気も高まり、だけどロックバンドとしての魅力は大きく削げ落ちた。そうとしか、今の彼らのサウンドからはもう伝わらない。
ハイハイ、またそれね。その話はもう前作まででいいだろ、もうとっくにバカ売れしてんだから。そういう評価のバンドじゃもうねーだろ。
多くの肯定派は、苦笑と一緒にここにそう言うことだろう。
全くすこぶる同感だ、ホント、そう思う。だからここでぼくはもう離脱するとしよう。

WITHERFALL/Curse Of Autumn:48点

テクも、表現力も認める。やりたいことも、よく判る。
そんな彼らの致命的なところは、嘗てのICED EARTHがそうであったように、オタクスメルがキツすぎてメタルとして全くカッコよく思えないこと。それから、毎度ごちゃついてる割に肝心の曲に魅力が欠けること、その二点だ。
数枚前位までは、そのうち洗練によってやがては磨かれ解決していくだろうと楽観していたが、何やらどんどんこじらせていくばかりで改善の兆しが未だ見えず終い。で、今やアルバム毎に溢れる「そうじゃねんだよな」が募る一方ときた。
こうなるともう「これがメタルだろ」とばかりに取って付けたかのドヤ顔ピロピロギターソロに対しても「違うわ!」「いらんわ!」と漏らしたくなるし(いや漏らしてるし)、あーもー何だろうねえ、これって最早センス問題じゃないかね?

NEVERMOREやSANCTUARY、果ては初期CRIMSON GROLY等にも通じる米産らしからぬ(がそこが米産らしい)伝統的メタリックダークトーンだけは悪くないんだけど、なあ…。

以上、今週の4枚でした。
EYEHATEGODは水増し評点だから、過剰な期待はご注意あれ。

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