PRIMAL FEAR / 「Domination」 (81p)

PRIMAL FEAR / 「Domination」
コンスタントにアルバムをリリースしては、毎回なんやかんやで良作を生んできたこのバンドだが、しかし前作からラインナップが大きく変更。
結果、よう知らん女性ギタリスト(タリア・ベラゼッカ)が加わっての新顔となる本通算15thだが、やはり揺るがずの平常運転を保ち続けてるから流石だ。
心の中学生どもが慟哭血涙おーおー歌い出すM3“Far Away”を筆頭に、特に前半、疾走パワメタを軸に鉄壁のドジャーマン尽くし。
途中その走りがてらに(M4“I Am The Primal Fear”)、そうだ俺がPRIMAL FEARだと刹那みたいなことを歌いだしつつも、随所でジューダスオマージュな重厚ギターリフを囃し立てては中盤過ぎくらいまで力技決め込んで押し進む充実ぶりに、新たな名盤爆誕とはや唸りかけたんだが、しかしそこからのインストスロー展開、テンションちょい落ちに、ん?んんー?、と様子が変色。
尤も通してみれば、メインの前半戦にいかにもヅラなポイントゲッターを並べながら、後半はカラバリ含めた作りというだけで、咎める程にバラつくでもアホな方向転換するでもなし。
ギター筆頭に新加入勢が持ち込んだ新風も勿論あるんだろうが、かつって現状、屋台骨を揺らがすでもなく、程よい成熟感を伴いつつもそのぶん豊潤さを増したメロディアスさで、安全安心安定の及第点楽々クリア。
後半のいらん数曲カットしときゃスッキリしてもっと高評価イケただろ、と憎まれ口こぼしかけるけど(←こぼしてる)、でも今回もまたその「なんやかんやで良作」に仕上がってるし、あっちに比べて小粒地味ながらもこないだのカボチャの一家総出新作にもヒケとっとらんしで、んじゃ同じ評点でいいだろ。
THE RASMUS / 「Weirdo」 (79p)

THE RASMUS / 「Weirdo」
前作どんなんだったっけ?
全然覚えてないんですけど?
と遡ってみたら、60pの高得点付けて褒めちぎってたウチの過去レビュー出てきて↓我ながら笑った、このご高齢人気北欧おメロハーオルタナバンドさん。
そりゃあ、道理で覚えてねーわけだ。
でそれに続く今回の新作11th、
上と同じことでも書いてやろうとも思ってオチョクり臨んでみたけど、これが思いの外いいでやんの。(ちっ!)
冒頭から激重激痛なさいしんもだんへびねすカッコワライ、はしょうがないとして、
あこれFBI捜査官が宇宙人追っかけるの始まるやつだなM2“Breaking These Chain”あり、
M7“Love Is A Bitch”(↓)というタイトルの頭のかしこさからいかにも一昔前のガキ向け学園恋愛映画テーマソング並みのダサさが伝わる名曲ありと、きゃっちーカッコワライ且つぽっぷカッコワライなめろでぃっくはーどカッコワライが並んでいるカッコワルイ。
口内炎ジャケ含めて、そんなこいつらのダサイタさをナメてると、ベタなくせにふとその北欧思春期ゴシックメランコリアに琴線奪われて「あれ何気に結構よくねーかこれ?」っていつしかなってるっていう昔からのハメ技芸食らうから、相変わらず全くもって油断ならん連中だ。
M3“Rest In Pieces”あたりの、なんてことない曲なのに哀愁のRASMUS節で引っ掛けてくのも、ずりいよなー。
ENVY OF NONE / 「Stygian Wavz」 (87p)

ENVY OF NONE / 「Stygian Wavz」
今週の年内ベスト候補、回収枠。
2025年春頃リリース。
えーっ、このバンドってRUSHのギターだった人のやつなの!?
いや、RUSH全く知らんけど。
ということで、よう知らんアレックス・ライフソン(Gt)とかいう有名なギターさんが、無名のよう知らん女さんシンガー(マイア・ウィン)をヴォーカルに据えてのよう知らんダークオルタナ、2ndとか。(知らん)
いや、オルタナティヴというか、UKロック、ニューウェイヴにも通じる妖艶かつ端正な美性を、マイア・ウィンのぼそぼそしたウィスパーな歌をメインに淡々とした幻妖アンビエントで綴っており、その出自に誘われたプログレ/メタル村の脂ぎったこきたない小太りオヤジどもが迂闊に触ってはいけないオサレ空間発生エレクトロ・ソフトロック。(悪かったなおい)
ナイトクルージングなアダルトムードあり、爽やかなまどろみグルーヴありの不思議な耳障りのよさでありながら、しかしどこか不穏な不気味さもそこに溶かされており、独特の中毒性がある。
(どっかの海外評で、デイヴィッド・リンチの映画みたい、と書かれてて言いえて妙)
しかも音楽性含めて、RUSHの元ギターだと言われればそうかとなるけど(知らんけど)、言われなければ気づかない。多分。
だっていや知らんけどRUSHなんだから相当におじいちゃんでしょ?
なんでこんなおっぱ
WE CAME AS ROMANCE / 「All Is Beautiful… Because We’re Doomed」 (72p)

WE CAME AS ROMANCE / 「All Is Beautiful… Because We’re Doomed」
最近増殖激しいBAD OMEN系とか知った顔でいうと絶対に怒られるぞな米ミシガン出身のメタルコアバンド、これで7th。
亡き前ヴォーカルを失ったことからなのか、デジタルエフェクト多めながらもしかしチャカついておらず、むしろ雰囲気としてはシリアスで内省的。
その重暗いサイバータッチの世界観はあまりに示唆深いアルバムタイトルにも現れており、まるでBLEACHのポエ
以上、今週の4枚でした。
以下補足。
WE CAMES AS ROMANCEのこのアルバム、後半がいい説。
ていうか前半は普通っつーか、ぶっちゃけありがち感しかねーんだけど(おい)、
M9“b2tm”のデジデジ名演でぐぐっとテンションあげあげ、
ここからそのまましっとりした情感と激しさがイキリ高まっていく。
あとBLEACHはタイトルでしたね。
ENVY OF NONE、めっちゃええっすねー!
夏前位から聴きはじめてたけど、じわってから完全にヘヴィロテ案件。
幻想的な浮遊感を経てラストに至る、タイトルトラックM11“Stygian Waves”が圧巻で、毎度ぐっとくる。
非プログレなのもいい。(そういう雰囲気が全くないわけでもないが)
RUSHを知らない方々も是非どうぞ。いや知らんけど。
ではまた。

PRIMAL FEAR, THE RASMUS, ENVY OF NONE, WE CAME AS ROMANCE,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
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・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?