何やかんやで、この4枚紹介スタイルがお気楽&消化率高いので、やっぱり今年もやっていく所存であります。
あ、あと間もなくサーバーお引越ししますね。
アドレスも多分変わる予定なんですが、しばらくの間はここに引っ越し先残しときますんで、どうぞよろくすこ。
今回はどれもみな良し。
てか、この2025年の年始からヘヴィロテしてた4枚を、まずは選んでみました。
THE HALO EFFECT /「March Of The Unheard」 :78p

THE HALO EFFECT /「March Of The Unheard」
IN FLAMESの歴代同窓会に、初期メンのミカエル・スタンネ(DARK TRANQUILLITY)がお呼ばれしたような、全く新味のない90年代北欧メロデスへの後ろ向きプロジェクト、第二弾。
と言ったところで、そもそもおっさんが前ばっか向いて良かった「新味」が史上全く存在しないというのが、このメタル村では90年代グランジオルタナ氷河期から伝わりし鋼鉄の教訓。
なので、後ろも前も、向きなんざあったもんじゃねーっつーか、
んじゃアレか、イェスパー・ストロムブラードがここまで揃えたメンツの前で、例のオウム真理教みたいな白装束着てぴょんぴょん飛び跳ねるゼロ年代の激痛トラウマ再現しながら、やれブリンがミーなホライズンのぺこぺこでもやれば気でも済むのかつったら全くそういうもんじゃないので、これはそういうハロープロジェクトってことで。
ちょっとお耽美ダートラ色が強まったかな?とか、
ダークなドラマティックさが増したかな?とか、
いちいち細かいこと言ったら多少の差異はあんだけど、所詮は言うて前作と変わらずホラ来る頃ねーのノスタルジーしかないイエテボリホイホイ。
逆を言ったら、前作がアリならこれもアリで、それ以上でもそれ以下でもなし。
強いて言うなら、前半の数曲の畳み掛けは文句なくカッコイイんだけど、中盤からダレてくるというか、良く言うとメロディックな北欧風情が上昇化。
普通に言うと、(遅い曲や歌う曲になると急激に)おっさんどもらしいモッサリ感にテンションガタ落ちしかねない、ってケチも付けられなくもないわけでもないんだが、でもまーアレだよ、
思い起こせばインフレもダートラも、そもそもからしてモッサい「凶暴なぼく」の童貞自意識メタルだったじゃんか…ってあの頃の記憶をたぐってこの同窓会に席付いてみると、不思議に色々多目に許せてくるから人間年食うとそこそこ寛大になるもんだ。
シンセとギターでメロディックがわななき疾走する王道メロデスなM2“Detonate”~M4“Cruel Perception”、
あとM7“March Of The Unheard”の泣きっぷりあたりに、おじさんあの時代の血が滾らされちゃったので、評点増やしておきますね。
VOLA / 「Friend Of A Phantom」:80p

VOLA / 「Friend Of A Phantom」
新しもの好き向け、今週のマストチェック枠。
デンマーク出身のプログレメタル、4th。
プログレメタル、っていうか、ユーロ・ゴシック意識高い系コジャレメタルコア、ていうのかな。
幽玄な暗黒美を、djentと哀愁メロとコンビニ弁当EDMの合せ技によって、独自路線でこじ開けようとしている。
なんつーか、DARK TRANQUILLITYのお耽美おメタル系譜に、TOOLとUKロック(てかMUSE)と今どきポスコアオルタナを経てきた令和世代感覚でゼロ年年代北欧ゴシックメタルとニューウェイブの美観に触れながら、ブレイクビーツやエレクトロニコアをもつまみ食い、
でも怨黒DIZZY MIZZパイセンマジリスペクトっす!、みたいな感じだろうか。(知らんけど)
なのでマシーナリーなサイバー感も、ヤンキー贅肉ピザオヤジなFEAR FACTORYものじゃなくて(いや実は若干あるんだが)、もっとイギリスっぽいイケメンファッショナブルなシュっとしたスマートさがあり。
しかもモダンプログレdjent、というと「djentはジャンルじゃないんですけど」と返ってくるクソレスバは置いといて、その重厚かつ知的なドラマティックスに、北欧のバンドらしい侘しい情感と哀愁あるメロディックさ、その作りの丁寧さなどをプラス。
更にそれらにのるのが、ヴォーカルによるロマンチックゴス的な妖しい色気と透明感というのが、このバンドのポイントだ。
(冒頭のオープナーで、ゲストで呼ばれたアンダース・フリーデンのおっさんがイキり吠えかましてくるのでそっちなのかなと思ったが、他は美麗クリーンヴォイスがメインの主軸)
正直、まだ小粒さが否めなくて、ぽんと抜きん出たインパクトを出しきれてないようにも思えるのだが、でもそのポテンシャリティといい、ちょっと面白い存在感だ。
ファルセットでひゅんひゅんデジ走るM2“Break My Lying Tongue”(↓)とか、才気冴えててめっちゃええすね。
次作に期待。
STICK TO YOUR GUNS / 「Keep Planting Flowers」 :80p

STICK TO YOUR GUNS / 「Keep Planting Flowers」
2022年にここでも取り上げた前作から、3年。
米オレンジカウンティのベテラン・ハードコアバンドによる、ええと多分、これで8tなのかな。
毎度、硬派で無骨、実直で質実剛毅。
相変わらず、ストレートで、パワフル。
かつシンプルにして、ソリッド。
これぞ西海岸の男メロディックハードコア、というギラギラしい熱度はいつも変わらないが、でも逆に言えば、それ以外が特にない。
今回もそれは同様で、手と品変えた異能スキル戦やチート転生全盛なこのご時世に、平成期チャンピオンみたいな素手ゴロバトルの王道格闘で最強目指すかの脳筋連載ぶつけてくるようなところすらあって、
それは確かに胸アツ泥臭ロマンじゃあるけど、このメタルコアレッドオーシャンであまりに芸が無いっちゃー、そうとも言える。
でもね、
「こういうのは、これで、いい。」
不器用でいんだよ、こういうロックは。
何だったら、その不器用さこそが、いい。
そう思ってやまないぼくみたいな向きにはこれ、新作出して続けてくれるだけでありがたいし、嬉しい位だ。
噛みつかん豪快な咆哮と、汗臭い男気シンガロング。
特攻上等の暴虐ファストビートから、肉軋む重殺ブレイクダウン。
ハードな喧騒さが増したかと思えば、ぐっと沸点まで胸高まるヤロウ哀愁コーラス…。
たまらん。バチクソに”圧”くて、熱い。
大体、地獄疾走からのヘヴィな獰猛シャウトに高ぶらされて目頭熱くされそうになる、って何すかそれ。
(M6“More Than A Witness”のことかー!、からのM7“Keep Planting Flowers”の男泣き展開に、今回一番ぐっときた)
すまん、
純粋に個人的な好みからだけ言えば、今回選出のでダントツいっちゃんコレが好きだわ。
なのでこちら、自覚的エコ贔屓レートにつき、世間一般的には-5pくらいを目処に受け取ってください。
SLOWLY SLOWLY / 「Forgiving Spree」 :72p

SLOWLY SLOWLY / 「Forgiving Spree」
オーストラリアはメルボルン出身のエモロック・バンド、そろりそろり。
どうやらこれが5thらしく、ぼくはこの前の彼らを知らないのだが、これがなかなか爽快だ。
優男っぽいインディーロック風の繊細なメロディから、意外にもしっかりした力強い躍動感に至るオープナーのタイトルトラック、M1“Forgiving Spree”。
成る程、このままそういう木漏れ日のような柔和ナイーブ路線で進むのね、と思いきや、続くM2“Gimme The Wrench”でまさかのいきなり尻見せアーバンAOR展開。
何このシティボーイヅラ?と戸惑っている間もなく続々と続く、きらめけ80年代風シンセサイズド。
まるで日和ってる奴がいるか問いただすかのタイムリープスタイルに、えー、こういうやつだったのー!?
さらにはファンキーなアダルトポップM3“How Are You MINE?”に、軽やかカッティングからサックスまで流れ出るに至るM7“That’s That”などと、いつカツヤコバヤシが出てくるのかな昭和レトロAOR煉獄。
尤も、それのみに終止&傾倒しているっていうわけでも実際はなくて、ま「ちょっと80年代テイストの感じられるパワポ」程度かと思えばそれまで。
とはいえ、全体的に出来の良質なポップロックに仕上がっているし、その出しゃばらない爽やかで晴れやかなタッチも心地よし。
丁度、今日みたいな早春のおだやかな小春日和に、ちょっと流し聴きしてみるのもいいかもしれない。
あ、あとそれらを静寂に〆終えながらも、ドラマティックかつヘヴィに折りたたむラストも良き。
以上、今週の4枚でした。
しっかし、わっしゃ好っきやなあー、STICK TO YOUR GUNS。
20分強で全10曲、畳み掛けてハイ終わり!ってその潔さも、昔カタギな正しきハーコーマナーで微笑ましいよね。
ではまた。

THE HALO EFFECT, VOLA, STICK TO YOUR GUNS, SLOWLY SLOWLY
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?