【今週のチェック】MAMMOTH WVH、GARBAGE、BORN OF OSIRIS、TIMO TOLKKI’S AVALON等

今週のチェック
スポンサーリンク

あれこれ、梅雨ってもう明けたの?
朝からクソみてーにギラギラ照り付けてクソあちーんですけど。

そんな今週の取り扱い品まとめ。
詳しい解説は、各レビューページをご覧ください。

今週は、もう誰が何と言おうともオススメは、「アレ」。
その他も悪くないけれど、でもやっぱりもうアレしかない!
アレに決まりでしょ?というやつです。

はい、それは…

DREAM THEATER/「Lost Not Forgotten Archives :Images and Words-Live in Japan,2017」:90p

【今週のお勧め】

とにかくこのアルバムは、そんなオヤジメタラーどもの、記憶という記憶、情景という情景、心象という心象、毛穴という毛穴を、生々しい音像でだっぱんだっぱんと次々と容赦なく開いていくからたまらない。
何せ、名オープナー”Pull Me Under”から、そそられ、あおられ、あがりまくりだ。
ライブ音源ならではのちょいアップテンポ気味で、しかもガリガリにスラッシィなリフによって、程よくダークなサウンドでステージの幕が開けられる。

ええーっ!?
レビュー枠じゃねーのかよ!?

そうなんだよ。
レビュー枠じゃねえんだよ。

黒雑記でのテンションを見ていただければお判りの通りなんだが、そりゃ確かにこんなもんドベタ以外の何者でもないんだけど、いやそのドベタ故に、聴けばそりゃどうしたってクソあがる。

近年のアルバムについては個人的にゃ株が下がりっぱDREAM THEATERだけど、でもこうやってアーカイヴに向かえばやっぱりスゲエバンドだなあ、って思わざるを得ない。
そのベタならではの圧倒的パワーが、嬉しい。

有無を、
文句を、
ケチを、
難癖を、
力技で一切、言わせない。
黙らせる。
唸らせる。
頷かせる。

それが、ベタの持つ圧倒的な力だ。
そしてここには、それがある。

だからこそ、”Pull ME Under“に、引きずり込まれ。
Another Day“に、魅了され。
Take The Time“に、心踊らされ。
Surrounded“に、身震わされ。
Metropolis-Pt.Ⅰ“に、血沸き戦慄き。
Under A Glass Moon“に、突き動かされ。
Wait For Sleep“に、胸穿たれ。
Learning To Live“に、昂らされる。

そうだ、これが「Images And Words」だ。ドリムシだ。

とまあ、久しぶりにこの名盤の凄さを再確認させられました。

そりゃね、ライブ音源としてそれほど出来がいいのか、パフォーマンス面で他に比べて優れているのか、というと必ずしもそういうわけでもない。
演奏のダレやブレ、それにラブリエたんの劣化も否めない。
でも、「往年の傑作再現ライブ音源」として見たら、そこそこ出来ている。
で、それでいい。
だってライブ音源ってそういうもんでしょ?

なんかもう今週ずっと毎晩これ聴いてお酒飲んでる。
なんだったら、今夜もこいつ肴に飲んでるかもしれん。

てことで、これが今週のお勧め枠決定は、やむなし。
そしてまもなく発売の今月号、そして来月の「月刊どりむし」にも期待しています。
いっやあ、毎月極上の肴が届くなんて、ロック好き飲兵衛この上ない幸せだわ。

MAMMOTH WVH/ST:82p

伝説的存在の父を敬愛しながらも、しかしそれになろうとするのではなく、あくまで自分は自分と彼自身の音楽でロックに挑む。
だから音楽スタイルも似せることなく、ただ自分の望む”好き”を求めてロックする。
それが、その姿勢とサウンドが、ぼくは気に入った。
願わくばそのロックが、かのギターヒーローのいる天にまで響くといいのだが。

なんかもう、今週はレビューで書きつくしちゃった感あるなー。
というわけで、以後はサクサクいきますね。(多分)

今週のレビュー枠4枚中、個人的に一番良かったもの。
それがこのMAMMOTH WVHでした。

正直、ほとんど期待していなかったんですけど、聴けば成程いいよねってなる。
これは敢闘賞じゃないでしょうか。

前にネット上で、FOO FIGHTERSのナチュラルなロックとALICE IN CHAINSのグルーヴ、と書いていたもののを見たけど、ああそうだわ、確かにそんな感じだわ。
この曲(↓)とか、まさにそれだ。

VAN HALEN的というよりも、90年代オルタナティヴというUSスタンダードのハードロックを現代感覚で屈託なく明朗快活に表した感じで、普通に等身大で気持ちいい。
この「普通に等身大で気持ちいい」ってのが、いい感じだ。

GARBAGE/「No God No Master」:75p

デビューから、25年。
すっかり成熟したオルタナ・デジタルポップバンドが初めて見せた、激しく、そしてストレートにポリティカルで、そしてメタリックなまでのGARBAGE。
勿論ながらぼくはそんな本作も、全然嫌いではない。
そう、ポップでロマンティックなだけが、GARBAGEじゃない。
これはピンク色の世界の天使GARBAGEの、もう一つの姿だ。

ヘヴィでポリティカルな、いつもより数倍マシの毒素を備えた、2021年の成熟した大人らしい棘を備えたGARBAGEの新作。
これ、なかなか良いですね。

ぶっちゃけレビューでそう煽っているほど、いつもからそうかけ離れているわけでもシリアスでもないのだろうけど(笑)、でもほんの一匙、いつものGARBAGEにダークでメタリックな色合いを加えているのが、面白い。

まあ、アルバム本編についてはレビューに書いたままなので、ここでは「デラックス・エディション」に付いてくる、ボートラについて加筆しておく。

このアルバムの「デラックス・エディション」(Spotifyにも収録)には、ここしばらくの未発テイクが収録されており、それもまた興味をひくものばかりだ。

例えば、”Starman“は、ご存知の通り、デヴィッド・ボウイのかの有名曲、アレのカヴァー。
まあ、これは割とありきたりのアレンジか。

寧ろやや意外…では別にないけれど興味深いのが、PATTI SMITHの”Because The Night“か。
そりゃハマるわな、というシャーリー・マンソンの歌だが、なによりもギター弾きまくりのアレンジで、グランジィなロウさながらも熟練しつつも熱気ある演奏がカッコイイ。

それからTHE DISTILLERSブロディ・ドールとのW姉御共演な”Girls Talk“。
そしてブライアン・オベールと共演した”The Chemicals“が、ざらついたドライな哀感を滲ませ歪んでいてかっこいいので、ここに貼っておく。

BORN OF OSIRIS/「Angel Or Alien」:74p

つまりは、Djent表現を使ったプログレッシヴ・デスコアから、よりメジャー感のある広いメタルへのアップデート。
敢えて言うならば、「Djent系オサレメタル」への彼ら流ジョブチェン。
前ミニアルバム(?)では果たせなかったそれを、ここではかなり踏み込んで実現している。
それが本作最大の、見どころだ。

これも、もう言うことないなあ。

前作の「これ実際どうなん?」を、なんとか語りきった感じだけは、しました。
ああ、これやりたかったんだね、もわかった。

でもなあ、正直、インパクト弱いんだよなあ。
がっつんとまだ、つき抜けていない。
何処かにモヤっが、正直、少し残っている。
あれもこれもで中途半端、ってのがまだ残っている感じもするかな。

TIMO TOLKKI’S AVALON/「The Enigma Birth」:70p

本作の最終スコアはといえば、平均点のちょい下位の出来、といったところか。
冒頭での失点が余りに痛すぎるが、とどのつまりが難点を言うなら、ズバリこれ。
ミドルチューンが明らかにつまらない。
つまりは、速い曲しか魅力がない。テンポを失うと、途端に魅力が消え失せる。

これはもう、好きな人だけ聴けばいいと思うよ。

あ、でもこの ラファエル・メンデスというシンガーは、いいですね。
ブルース・ディッキンソンばりのゴリゴリと力強い雄々しさを備えた野太いウホウホシンギングで、いたく気に入ったウホ。

そこでちょっと調べてみたら、ブラジルのICON OF SINというバンドのヴォーカリストなのだということがわかった。
なんでも、元々はYoutubeの「歌ってみた」系動画でブルース・ディッキンソンの物真似をしていた人のようで、それを見た「Fronties Records」がスカウトし、彼がバンド活動できるようにお膳立てを行い、このICON OF SINとしてデビューした、という流れまでは理解した。

で、このICON OF SINはどうやらセルフタイトルで今年デビューアルバムもリリースしているという。
そこで興味を持って、早速それを聴いてみた。

…のだが…。

うーん。
どこをどう聴いても、どこをどうひっくり返しても、本作のほうが全然、いい。

すまん、レビューではやもすれば、ぼくがティモ・トルキをdisっていると読んだ人もいるかもしれない。
(書き手としてはそのつもりはあまりなくて、ここはいいんだけれどここはダメ、少なくともぼくのメタルやロックに対する価値観からすれば全然ない、という意味なのだが)

でも、言うても流石は、一流だ。
流石は、第一線で戦ってきた歴戦のトップミュージシャンだ。
しっかりとシンガーの個性を生かし、本来のバンドを遥かに超えて彼の持ち味を引き立てながら、優れた楽曲を用いて、しっかり見栄えある演奏によって、こうやってアピールしている。

だから事実、こうやって門外漢のぼくにすら、「このシンガー、いいな!」って思わせるという結果を現実に出している。
恐らくぼくがこの「ICON OF SIN」を最初に聴いてれば、「ディッキンソンの猿真似シンガーが、野暮ったくてダッサくてしょうもないD級田舎メタルやってるだけ」としか思わなかっただろう。

今更だけど、好き嫌いはさておいても、そこにおいては凄いと認めざるを得ない。
ごめん、
なんだかんだでティモ・トルキ、やっぱり大したものですわ。

以上、今週の4枚でした。
じゃないな、5枚だな。

来週は、メロハー率多めにHARD LINEとか、知らない間に出ていたARTILLERYなどを扱う予定です。

ではまた来週。

タイトルとURLをコピーしました