NEMOPHILA / 「Apple of my eye」(2025) :72p
今や飛ぶ鳥を落とす勢いな、ジャパニーズ・ガールズメタルバンド、NEMOPHILA。
しかし昨年、アルバムリリース後にギタリストのSAKIが脱退。
4人編成となって、待望のニューアルバム4thが、早くもこの2025年を迎えてリリースされた。
昨年2024年初頭の前傑作「Evolve」から、たった一年足らずで出してきた本ネクストアルバム。
こちとらこの年初に昨年の私的年間ベストアルバムトップ勢にまで選んだばかりなお気に入りようだったので、当然ながら喜び勇んで向かってみたわけだが、しかし。
結論から先に言ってしまえば、インパクト弱くて、とても前作に及んでない。
彼女らしくはあるのだけど、良くも悪くも、
いや、ぶっちゃけ後者的な意味において勢い先行といった印象で、正直なところが、肩透かし。
いやぁ…
どしたん、これ?
パンチはあるけど、フックが弱い。
スピード感はあるけど、決め手に欠ける。
躍動感も凶暴性もあるんだけど、右から左にスルスル抜けていく。
はて気付けば後半のバラード“Beautiful days”で、ようやく「おっ」と座り直してみたし、そりゃ前から毎回いいバラードやるのは知っているけど、でもそうじゃないだろ。
よう知らんし、お家の事情も制作背景もあるんだろう。
確かにバンドが今、自分のやりたいこと、自分でやれることをやったらこうなった、と作りからもそんな意気が伝わってくる。
あるいは4人体制での心機一転、いち早くその次のステップを伝えたいということもあるのかもしれない。
が、如何せんその逸る気概に内容の充実感が、残念だけど至ってない。
間口広めな仕込みと作り込みが効いていた前作から、良く言えばロウでラギット、
分かり易い色鮮やかさでカラフルな着色がなされていた前作から、良く言えば狙いストレート、
コロコロ表情豊かながらも愛想良さめだった前作から、良く言えばいなたく攻撃力重視な硬派路線。
ポップさを際立たせていた前作から、良く言えばゴリゴリでメタリックに、またロックらしく、
あれもこれもで手数の多い前作から、狙い絞っての焦点重視に。
おそらくは周囲の力量に沿っていた前作から、おそらくはバンドのセルフワーク主体に。
勿論、決して悪いアルバムではないし、気合のこもった彼女ららしいハードな作りであるのは否定しない。
オープナー“Just Do It!”を筆頭に、威勢の良いパワフルな疾走チューンが並ぶ。
その剛直さを弱めることなく畳み掛ける、前半戦のパワーゲームのテンポの良さはどうだ。
反面、それらの個々の突き抜けが弱くキラーチューンと呼ぶにまでに至っていないのはさておくも(さておいちゃいかんのだが)、
そこは持ちあわせたバンドの魅力と実力が支えあう。
ギターは減ったがやはりガッツィなアンサンブルサウンドに、そしてイキりカッコカワいいmayuの秀逸ヴォーカル。
なかでもその中で映えるバラード(“Beautiful days”)が、今回は際立って出来がいい。
でもなー…この曲、確かにいいんだけど、でもそれが一番じゃないだろ、このバンドの本来って…。(二度目)
この満足感不足の原因は、前作からの期待値のハードルを勝手にこちらが高めすぎたが故なのか、
あるいは、この物足りなさを埋めるパーツの正体こそ。
…いや、最早それを言っても仕方がないことだが、やはりそれこそがSAKIの存在の大きさなのか…と、誰もが言わずにわかっていることをついつい思いかけてしまう。
よって、個人的には申し訳なくも評価低めの結果になってしまったのだけど、
ま、でもこれも体制立て直し時ならではな、ある種の過渡期なのかもしれない。
本来からして非凡な才能の塊の彼女らのこと、次回にこそ!とその期待を持ち越すことにするとしよう。
(マジで次は問答無用で平伏必至なの、頼んます!)

NEMOPHILA / 「Apple of my eye」(2025)
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- アーティスト名:NEMOPHILA
- 出身:日本
- 作品名:「Apple of my eye」
- リリース:2025年
- ジャンル:HEAVY METAL, JAPANESE HEAVY METAL, POWER METAL, LOUDROCK, METALCORE,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
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