なんだおい、まさかの平日週頭フライング更新かよ!?
いいだろ別に、聞き溜まってんだから。
RAGE / 「A New World Rising」 :87p

RAGE / 「A New World Rising」
なんでおっさんら、こんな元気なんだよwwwww
ドイツが誇るベテランパワー・ヘンメタルRAGE、昨年リリースの前「Afterlifelines」に続くこれで27thとか。
って、あれ2021年の「Resurrection Day」(↓)から聴いてねえぞ!?
やば、一枚飛ばしたか。(別にいいや)
そんなRAGEさんも、これでバンド活動40年以上。
といっても今やメンツはピーター俺が!俺がRAGEだワグナー他、よう知らんトリオ編成らしんだけど、しかし。
これが「RAGEのジャンルはスラッシュ」と間違わん威勢っぷり無骨っぷり怒涛っぷりに加えて、メロよしパワーよしスピードよし三方よしのパワメタ三大要素まるっと揃った充実の出来に驚くばかりだ。
前作、2枚組のフルボリュームしかもオケ入り大作しあとりかるカッコワライとか、そんなんコイツらに絶対いらんだろ(聴かんで良かったわ)を経ての本作は、そこで憑きもの洗い流し落として(多分)程々シンプルながらも攻め気質なゴリメタ路線。
特にリフもエッジザクザクにしてソロもぐっと聴かせるギターが、え誰これ誰なん?と数度見するレベルでめっちゃ良くて、ジーン・ボーマン?え誰これ誰なん?あーウチで86p付けてた前々作から参加したやつね。ていや知らんわ!(もっとやれ)
そんな男どアホウジャーマンパワメタならではの硬派重厚剛直さを保ちつつ(ドカドカしいビート決め込むドラムもいいぞ)、お馴染みピーヴィーパイセンのヘタウマヴォーカルは、相変わらずおーおー拳ンガロン誘うキャッチーさながらも、ところどころでは荒ぶりデスラッシィなブルタり咆哮すら披露。(もっとやれ)
勿論、そんなヘヴィネス新基軸を交えつつ、ベテランらしい安定感は言わずもがなの北千住、硬軟バランスも考慮してのちゃんと激ありメロウありで、このご時世に13曲も詰め込んではおっさんバンドのくせにヘタレずギリラストまで完走しきるのも高評価ポイントだ。
なかでも、いかにもなRAGE節にANGRAスパイス隠し味したかのM2“Imovation”に、てすちゃめんとでもやる気なのかなM5“Cross The Line”、やってんなやってんなトラックタイトルやってんなM3“Against The Machine”あたりがお気に入り。
あでもFIGHTの1stをメロディックにちょい寄せしたようなザックリ感あるM7”Next Generation”とかも最高だぜお兄ちゃん。
しかし、この令和に27枚目にして新たなる名作誕生させるってのもやっぱりすげえなRAGEさん。
改めて、おっさんジャーマンなめんなよ!
THE ARMED / 「The Future Is Here and Everything Needs to Be Destroyed」 :81p

THE ARMED / 「The Future Is Here and Everything Needs to Be Destroyed」
夏くらいに出ていたものを今頃回収。
「力が欲しいか?」と左手に込めた内なる魔王が中学生に聞いてきそうなバンド名のこれ。
米デトロイトの覆面ハードコアパンクユニット(どうやらCONVERGEのカート・バロー(Gt)やQUEENS OF THE STONE AGEのトロイ・ヴァン・レーウェン(Gt)などが関わっているようだが、メンバーはかなり流動的だという)による、2年ぶりのニューアルバム。実はもうこれで6thとか。
おアートジャケと長ったらしいタイトルの思春期こじらせ感に、向き合う前から沸き起こる不安しかなさよ。
(何でも世界恐慌が今回の作品テーマらしい)
というのも、2023年の前作「Perfect Saviors」(↓)では割と真っ当なインディーロックを「ちゃんと」奏でており、確かにそのギザギザしたマスコア的攻撃性は残っていたものの、デトックスが進み過ぎた結果、多田野耳馴染みよくすっきり目で小賢しいオサレ爽やかサブカルロック仕上げだったことが、かなり、いや相当に不満不服だったのだ。
そんなわけで訝しみマックスの腕組み警戒態勢で怖怖と挑んだこれだが、しかしいい意味での裏切り具合。
以前に見られていたどす黒いド混沌とノイジーな狂性が復活した上に、さらにスラッジィな泥みまで流れて混んでおり、前々作「Ultra Pop」で書いたような
「シンセポップとドリームポップとシューゲイザーとほんのりノイズミュージックを混ぜ込んはずが何故かグラインドコアの猛毒素が加わってた、悪意まみれの極悪異物混入スイーツ」
といった様相がまた前面化しているから嬉しい限りだ。
ポップとエクストリームメタルの毒々しき魔改造、
ゆえにカラフルなメロディックさは、しかしブラストビートとファズのノイズにまみれていて、支離滅裂かつ偏執的。
しかもハードコアパンクの衝動と火力を受けて、きらめき目まぐるしく色変わっては、叫び転げて駆け抜けていく。
その果、ラスト近くのM10“Heathen”で、ジャズサックスも混ざって淡く甘いアンビエントのまどろみが轟音ポストロックの涅槃を経た後に、デリンがエスケイプらん混沌地獄どん底へと溶けただれていくさまが見事だ。
そうそう、このバンドはこうじゃなくっちゃ!
DEAFHEAVEN / 「Lonely People with Power」 :80p

DEAFHEAVEN / 「Lonely People with Power」
これも年内回収物&路線回帰物。
春~初夏頃にリリースされていた、DEAFHEAVENの目下最新アルバムを。
米ブラックゲイズ最前線の旗振り役バンドがポストブラック脱却を完全に成し遂げ、多田野シューゲイザー化してた前作「Infinite Granite」から4年。
大手ROADRUNNERに拠点を移しての本6thでは、なんとまたあのメタリックな激烈さが戻ってきてる。
何があったか、それとも前作ツアーの客席が少しゆったりしていたからなのか、クリーンヴォイス何それとばかりな絶叫ヴォーカルと鬼ブラストビート&ブラッキートレモロリフによって誘われし、「やっぱこっちだったわ」な学園ラブコメギターロックから地下格メタルバトルものへの強引連載テコ入れ。
結果、前作での光射していた柔らかな明度は、また一転して悲哀の暗黒の深淵へと向かい直され、センチメンタルなアンニュイさで星空に月の小舟浮かべてたデリケートに好きしてな浮遊感は再び轟轟と唸る奈落へと叩き落され泣き叫び、そしてラジオ頭の中のオアシスに咲いためでたきお花畑は壊滅焼け野原。
しかもリードシングルのM3“Magnolia”など、曲によってはおシュ芸座要素すら薄い漆黒ルーツィさも披露するなど、え前作は一体何だったの?とばかりに陰毛たらん軌道修正っぷりでささくれ立った鋭利な凶暴性を俄然戻してる。
無論、よく聴けば前作を経ての美感の洗練やアルバム数なりの成熟がみられており、やもするとメロディックさは以前より強靭化。
ポップめなM9“Body Behavior”あたりはその最たるもので、「これなんてフェス向けゴスパンク風情」と某所で書かれて笑うなど。
特にクライマックス近くでブラスト畳み掛けつつも、美しい救いの希望にすら向かうM11“Winona”の昇天っぷりが圧巻で、ていうかこの後のやつ蛇足じゃね?と思うほどな、ここで終わっとけ感。
この振り戻り路線変更ぶりに昔からのファンや前作からのリスナーの反応はどうなんだろといったクソ余計な心配さえしたが、どうやら概ね良いめなご様子だし(そりゃそうか)、それにこのバンドはなんだかんだでこっちのがカッコいんだから、もういんじゃないっすか。
AFI / 「Silver Bleeds the Black Sun…」 :69p

AFI / 「Silver Bleeds the Black Sun…」
で、そのフェス向けゴスパンク風情がこないだ新作を出してたので、早々にチェック。
通算12th。
毎回、アルバム毎に手を変え品を変えでそのイメージを変えるのが最早ネタというか、今ややめるにやめられん自己目的にすらなってんじゃねーのかAFI。
今回もいちいちカラーリングを変えてきているのは、英ケランゲの気持ちが、「つーかそれよりゴスっこフロントマンのデイヴィー・ハヴォックが多田野海賊の亡霊オヤジになってんのどうなん」とイジってることからも伝わってくる。
それはさておき、2021年の前作「Bodies」(↓)では、ニューウェイヴ、ポストパンク、プラスそこにちょいニューロマを加えてみせた色彩だったが、それでも幾ばくかは残っていたソリッドなオルタナ、そしてパンクならではの疾走要素。
しかしここではそれをさらに虚弱体質化させ、ミドルテンポ中心のメランコリック過ぎてすぐ風邪引いてバイト休みそうな、白塗り顔お耽美ダークサイケギターと低音域ヴォーカルをメインスタイルへと変換してのうなだれ鬱展開。
結果、多田野80年代初期~中期英国リメイカーに思いっくそ振り切っており、最早往年のハードコアやエモコア、メロパンクといった要素はほぼ皆無なまでに削られてる。
「今や中学生やおじいちゃんも着ていておしゃれの”お”の字すらない、完全なる時代遅れおっさん御用達筆頭アイテム」とトップファッションインフルエンサーが本当はまともに聴いてすらないJOY DIVISIONのそのTシャツを物知り顔でdisりまくるこんなポイズンすぎる令和に、そのJOY DIVISIONの他、これなんてスジバンやCUREやNEW ORDER、BAUHAUS、サザントトカルト等の黒き亡霊どもを次々に蘇生してはダサジジイどもの頬を反魂ビンタ。(※1)
そんな昭和平成の老害の身からすりゃこれまでに増して完全に元ネタがはっきりしてて、狙いは明確この上ないんだが、んじゃこれが面白いかと言われたら擦られすぎて新味なんかあるでもなく、結構に微妙。
何よりかにより、パンクせめてポジパンならではのアップな軽快さが全体的に足りてなくてくっそタルいしで、正直、90~ゼロ年代初期からリスナーにすれば今更だけど、AFIは改めまして、コレジャナイ。
あでもラストのM10“Nooneunderground”だけは速くてちょっとSEX GANG CHILDRENぽいとこあってアリかなって。(違
まどうせこれもネタだろうしまた変えてくんだろうから、もう次に期待でいいよ。
以上、
クッソ忙しいここ最近なのに珍しくお休みがあって暇だったので、サクっとフライングで挙げてみました。
まこれからまたおしごと多忙モードに戻るからしばらく更新出来そうにないんですけど。
年内ストックも溜まりまくってんで吐き出したいんだけどねえ。
てことで、またしばらく後に。
※1:すみません冗談です元初期ラボメンです。

RAGE, THE ARMED, DEAFHEAVEN, AFI,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?