ここんとこガツガツと聴きごたえある新作が出まくってるので、消化に大忙し。
そんな今週の4枚は、こちらで。
といいつつ、先月からもうずっとドリドリしてましたね。
そんくらい今回のは、ええ。
あ、それと。
もう少ししたら、サーバーお引越しします。
アドレスも多分変わる予定なんですが、しばらくの間はここに引っ越し先残しときますので、よろしくです。
DREAM THEATER / 「Parasomnia」 :86p

DREAM THEATER / 「Parasomnia」
ここに来てオリジナルドラマーのマイク・ポートノイが、出戻り。
2010年以降ドラマーとして支えてきたマイク・マンジーニとの交代劇を挟んでの、16thニューアルバム。
ちなみに本作はバンド結成40周年記念作となるが、そう言われても「ふーん、まあ言われりゃそん位経つだろ」って感じだ。
さて、そんなマイク・ポートノイ電撃復帰作!と騒がれている本作、
同じマイクのドラマー程度が入れ変わる位で何がそんな変わるの?ともしかしたら思っている方もおられるかもしれないが、馬鹿野郎、名字が全然違うだろ!という位に全然違う。
何せ、ここ十年くらいのドリときたら個人的にはおぷろぐれこjirasekusattaooburoshikinowarininakamikusotaikutsunaアルバムばかりで辟易していたのだが、前作「A View From The Top Of The World」(2021年)(↓)になって、ようやくそこそこ位には解消。
続く本作において、やっと、いや遂にそれが果たされたという思いに至っている次第だ。
恐らく、本作は睡眠の病気のコンセプトアルバム、なのだろう。(多分)
曲間やらでちょいちょいSEやセリフが入ってくるので、あこれメトポリパート2でやったところなシネマティックな世界観がある上、作風にもそのメロディックさや全体を通底する艷やかな哀感、切ない抒情性で通じるところ、多々あり。
(睡眠や愛憎のテーマ共通で結ばせといて、これぞメトポ2な極上メロ展&ポートノイ使いさせるM3“A Broken Man”の絶品さたるや)
なかでも今回は、冒頭からラストまで擦り使い回され繰り返され強調される、悲哀あふれる必勝メロフレーズが一つあって、
でそれを毎曲毎曲でこれでもかと流用しては、「ね?ね?せつないでしょ?ねっ!?」と畳み掛けてくるので、せつなくなる。
とはいえその一方で、睡眠というテーマ故なのか、全体のトーンとしては幻想的かつ重暗いダークさが強く、またガリガリしたエッジィなスラッシィさも前面に出ており、その意味では「Train of Thought」を彷彿させたりも。
(ンめ、ンめぢゃりがっ、だいじゅぎっ!じゅ、じゅゅぎなのボおおーーーっ!炸裂なM5“Midnight Messiah”の微笑ましさよ)
しかもその鋭角なアグレッションと、メロウで色っぽい流麗な情感(こういうのを歌わせるとホント表情豊かで達者に歌うから、全くラブリエさんは最高だぜ)との剛柔カラーリングの抑揚を重ねながらも、ちゃんと「いいメロ」「いい曲」「いい歌」に縁取られた楽曲勢によって、「技巧派プログレであること」に逃げこまないヘヴィメタルバンドとしてのキャッチーでわかりやすい魅力を打ち出しているのが、本作のメチャ推しポイントだ。
おかげで、これまでならその収録分数聞いただけで、ぐへえ、と項垂れるクライマックスの長尺情弱上長大作曲も、20分超えの割にファストパートやら擦りまくり泣きメロやらの黒閃連打で、全然イケんのがありがたい。
あと少しだけ、避けがたいマイク違いのドラマー選抜について。
ぼかあプレイヤーでも全然ないのでそういうのは他に譲るのだけど、セルフ無茶ブリで一言言っておくと。
マイク・ポートノイのドラムは、軟質でしなやか、ある意味で表情や色付けが雄弁(出しゃばり)というか、その作品の物語をはやし立てる「構成」要員な実感が強い。
かたやマイク・マンジーニのドラムは、硬質でより裏方側にがっつり重く控えた、バンドサウンドの土台を強固に支える「構造」役といった感じ、といった印象か。
って、門外漢がしたり顔で言うことではないので、そこらは軽めにスルーしてもらうとして。
そんな本作は、過剰にこまっしゃくれが過ぎていたここしばらくに比べると、とにかくメロディックで、メタリックで、ポップで、ドラマティックで、ダークで、なのにロマンティックが止まらない。
いいじゃないか、こういうのでいいんだよ、
DREAM THEATERはこういうので。
てことで個人的にはこれ、「Octavarium」(2005年)以来、ようやく出きたましなびる(注)
L.S.DUNES / 「Violet」 :76p

L.S.DUNES / 「Violet
2022年に、CIRCA SURVIVEのヴォーカリスト(アンソニー・グリーン)とマイケミのギタリスト(フランク・アイイアロ)、COHEED AND CAMBRIAのギターにTHURSDAYのリズム隊という、衝撃のウルトラビッグネームで組まれた夢のスーパープロジェクトバンド、ていうかこいつら誰?なL.S.DUNESが、なんと3年越しに2ndアルバムをリリース。
あー、L.S.D.ね。
そういえば、いたわ。
うん、いたよね。
ああ、うん!いたいたーwwwwww
と完全に忘れててもはや草も生え放題なこの2025年だが、何気に普通に良かった前作から順当な作りを持ち越している様子。
メンバー各々が「よろしかったらこれもこれも」と過去バンの引き出しん中にぶっ転がってた遺産持ち寄っては、ポストハードコアところによりTHURSDAYを標榜していた前作だったが、方向性は正直さほど変わらずながらも、楽曲レベルはじめなんとなく散漫気味だったまとまりが微妙に馴染んで、こなれてきたというか。
メランコリックなメロがふと耳につくイントロから、
やっぱりTHURSDAYからニューウェイブ/ゴスっぽいのやってみたり、そうだねオルタナだね、はたまた時々昔のRADIOHEADみたいなところもあったりしつつも、さっくりなんとなくこの陣営らしさを手堅い落としどころに上手いことこさえてきてるの、流石は手練れ揃いの手さばきだ。
相変わらずヴォーカルはチャイルディッシュというよりは「ゴレ欲じい゛ーっ!」とだだっこ並みなエモーショナルさだが、これはこれで人懐っこいメロディックさに乗ると子泣きじじいみのある独特の味がついてくる。…気がしなくもない。
尤も、その割には中途半端つーか、
3年も待って(忘れてたけど)完全に予測範疇内じゃねーかよとか、
面子の割に地味じゃねーかとか、
いや割じゃなくて通りだったわとか、
でもそりゃそういうもんだろ、所詮は片手間プロジェクトなんてとか、
うん、知ってた。とか、
そういうケチもつけようと思えば如何様にも全然付けられるんだけど、しかし。
んじゃこれが悪いのかって開き直られると、いや別にそういうつもりでもなくって、
なんだかんだでこの連中のギャラ分程度には普通に良かったりもするので、今回はこんな評点でお許しを頂きたく。
LOVE IS NOISE / 「To Live In A Different Way」 :74p

LOVE IS NOISE / 「To Live In A Different Way」
「LOVE IS NOISE」
という、まるで黒装束のオシャレ死神の単行本で見たことありそうなほど中学生ポエミーなバンドネームのデビューアルバムを、先月の2月14日のバレンタインデーにリリースするというオシャレさに、ファッ!?ってちょっとなった、
新鋭UKオルタナニューゲイザーのデビューアルバム。
尤も名前の元ネタはどうもTHE VERVEの曲名らしいんだが(てゆーかそのバレンタインキッス商戦も、ただし我が血にまみれし、なんだろう)、それらからもわかるような音楽性ながらも、のみならず現代的な感性をもそこに示したもの。
つまりはシューゲイザーとハードコア(ゼロ年代スクリーモ)を合わせながら、ポストロック、インディーロック、ドリームポップ、デフトンホワポニ、UKロック、ていうかレディヘを指向。(すのっぶ注意報発令)
耽美で端正な美感を紡ぎながらも、メタル出のいなたいハードさと、
ときにブラストビートと叫びで刺々しい狂性アピ。
甘美なる黒き轟音、ゆえにLOVE IS NOISE、
そんなこのTo LOVEるダークネスなんだが、ただし問題なのはそういう意識の高さに対して面白さがアルバム一枚持たないために、半分も過ぎたあたりからそのすのっぶさを曲ごとに
「で?」
「で?」
「で???」
と真顔に戻って問い詰めたくなるという、文学的連載打ち切り鬱展開。
とはいえまだこれ、デビュー作だからね。
ここら辺の未熟さをどう補って育つのか、
LOVE IS NOISE先生の次回作にご期待ください、ってことで。
ポスコアグルーヴが柔和に浮遊するM3“Jawbreaker”とか、メタリックでかなり好きなんだけどな。
ALT BLK ERA / 「Rave Immortal」 :70p

ALT BLK ERA / 「Rave Immortal」
ラストは、某少年汚い音マガヅンでべた褒め甘やかし満点を取ってて、ファッ!?ってちょっとなった、
2人の姉妹による新鋭UKオルタナデュオのデビューアルバム。
オルタナ、つってもかなり雑食というか、そこに拘りもクソもないというか、薄っぺらっつーか、
そりゃ時々グランジじみたリフやらアブリルのパチもんみたいなの扱ったりしてっけどそれがどうし(注:いい意味で)。
むしろそのおルタナ上澄み液を、エレクトロニカ、ドラムンベースなどのEDMをはじめ、さらにはインダストリアル、ハイパーポップ、インディーロック、ポップパンクなどなどに多様に混ぜ込んで美味しいところだけつまんだような、ま今どきの令和Zジェネうすらパリピメタル、と思っていいやつだ。(知らん)
とはいえ、そこにも慢性疾患の当事者たる彼女らの、現代社会への生きづらさに対する強い主張があって、へえ大変ですね。(注:いい意味で)
それよりこれが想像以上に良く出来ており、30分強で計10曲、バラエティと起伏をつけながらラストまで失速することなくカラフルに盛りつけているので、ここ最近漁ってみたコンビニ弁当子の中では一番イケたほう。(注:いい意味で)
…あ、いや。
「おめーコンビニ弁当なめんなよ、どんだけ企業が作り絞りこんだレベルの高さで争ってると思ってんだ?」っていつもの話で。
深みやら音楽偏差値の高さとかそういうのではなく、消費商品としての即効性と機能性の高さはちゃんと備わっていて、あと何よりキャラ的にもそこそこ立っていて、その意味でお花火ポップとしてありなんじゃないかなっていう。
しかもさー。
これ、今やEARACHEが契約しとんのなー。
いやはや、時代の移ろいはなんとやら…。(注:いい意味かは不明)
以上、今週の4枚でした。
てかもう、今回はドリムシでいいだろ。
ではまた。

DREAM THEATER, L.S.DUNES, LOVE IS NOISE, ALT BLK ERA,
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?