今週のチェック(2025/04/29) / ARCHITECTS, SILVERSTEIN, GOTTHARD, MOMMA, -The Weekly Reviews

ARCHITECTS, SILVERSTEIN, GOTTHARD, MOMMA, 今週のチェック
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ARCHITECTS / 「The Sky, The Earth & All Between」 : 86p

ARCHITECTS / 「The Sky, The Earth & All Between」

ARCHITECTS / 「The Sky, The Earth & All Between」

前身時代を入れれば苦節二十数年にして、ゼロ年代UK地味メタルコアとしての下積みからようやく逸脱。
ここんとこ急激にアルバム毎の洗練とモダン化を現してきたARCHITECTS、早くもこれで11thとか。

リードギター、トム・サールの死去など諸々の紆余曲折で挑んだ2021年の前々作9th「For Those That Wish To Exist」でのポスコア・シフトチェンジが思いのほかに受けて、母国他で好評に。

勢い受けての即レイフでわずか1年足らずで出した前作10th、「The Classic Symptoms Of A Broken Spirit」(2022年)はそのデジデジ路線を推し進めた存在感アピな良作だったが、そこから更に3年。
そっち側へと本腰入れては、ジョーダン・フィッシュとかいうブリングをホリズンしたのはミーなやつをプロデューサー起用して、ここで王手な以上、今北何業。

「天と、地と、その間の全て」
というアルバムタイトルからしてオシャレ死神の卍解ばりな中学生メタルっぷり。
流石に中学三年かけて作りこんだだけの隙のなさに、
めきめきと力つけてきた新参ヴォーカリスト、サム・カーターによる歌モノメタルとしてのスケールアップとキャッチーさの増強に、ゴリゴリの現代性アップデートな仕上がりよう。

その充実ぶりと話題性、そして研鑽の年季に足りうる相応しい風格で、
はい、ついに出ました最高傑作&最上スペック確定な完成度、おあがりよ。

前作からの順当な延長線上ながらも、ジョーダン・フィッシュ効果でここんとこ見せていたインダストリアル、エレクトロニコア成分をぐっと増しながら、
でいてちょいゴスめ裏声パートも含めたクリーンヴォーカルの歌要素をも拡充に。

しかも改めて前作を振り返ってみると(いやこれ聴いたからこそだけど)、カラバリ増しの反面で、今だからこそ感じる「取って付けた」なやっつけインスタント感が、ちゃんと改善。
要するに一皮ズル剥けアカぬけて、無論ここらは予算とプロデュースのバフも大きかろうが、でもそれ言い方変えれば出力ややりようで彼等の元々高かった地力がダイレクトに伝わったともいえる話かと。

猛突アグレッションの緩急でいきなりシンガーとしての力量を知らされるオープナーM1“Elegy”から始まり、サビメロが近隣パーキーなM2“Whiplash”を経て、
アンセミック、あーそうそれそれなM4“Everything Ends”や、目下赤丸売り出し中キャラアミラ・エルフェキー客演のM8“Judgement Day”(このデジゴシっぷりたまらん)、
あるいは重厚リフに哀愁あるメロディックさがどこかニッケラー刃牙らへんなM10“Curse”(そうか?)へと至る、そのバッチバチな無双さよ。

はたまた近くデビューが期待されている元FEVER333アリック・インプロタステファン・ハリソンによるHOUSE OF PROTECTION組がゲスト参加したゴリ押しデジコア味たっぷりなM5“Brain Dead”なんかもめっちゃイケてるなど、聴きどころのみながら一作品としてのドラマティックスの描きようも、盛り沢山。
(なので聴きこんでいると、その中にこそなチルチューンM6“Evil Eyes”が良く見えてくるんだわ)

何だおい、
どうせコスパ勝負な若向けチェーン居酒屋だろと軽んじてた昔のイメージから、実はちゃんといい素材をちゃんと活かせて美味しく、しかもバえて出せる名店だったんかいーっ!

ってわけで、前回のスピリチュアル箱とともに、これはいい2025年上半期良品メタルコア。
ナメてた詫びも含めりゃ、そりゃ当然、相応の高評あげたるしかないわな。

SILVERSTEIN / 「Antibloom」 :82p

SILVERSTEIN / 「Antibloom」

SILVERSTEIN / 「Antibloom」

しっかし毎度、昔っからさほど目立たねえくせに、
全くブレねえのすげえよなこいつらは。(褒)

カナダ出身、ゼロ年代前半のスクリーモ鉄骨渡りからしぶとく生き残りながら、その後も辛うじて数年単位でのアルバムリリースを継続中。

なのに意外にもヘタれず令和にまで良作を生み出し続ける信頼の安定さ、
あのゴミのようなメガーのくせに存外バルスされず、よう生き残っとんなーというこのシルバー人材捨てインようよ。

今回も三年ぶりのスタジオアルバムながら、しかしいつもと若干毛色が違ってるようで、なんでもアルバム二部構成作のうちのこれが一枚目として出されたらしい、クククやつは面汚しな前編よだという。
(なお彼等は今年内に、その後編となるやつは二作目の面汚しよな「Pink Moon」をリリース予定なんだとか)

ふーん、要するに去年のPERFUMEおっちんおっちんおちんこディスコなやつねーというこれだが、とはいえ8曲20分強でフルレンス換算一枚というライトさ。
手軽に聴けるといえばそうだが、物足りなくて中途半端っちゃー頷けなくはない。

まつっても所詮こんくらいの感じが丁度いいよねなマママママカロニバンドだが、
でも相変わらずレンジ広めで硬軟剛柔自在にメロ良く味よくポップとヘヴィが共存するという、良く言えば彼等らしい期待に応えた、悪く言えば想定内通りの需要供給パワバラ外れぬ安定的作りよう。

大体、メタリックなきょーぼーオープナーからポップパンキッシュなM2を経て、押すなよ絶対押すなよでアンセムるM3“Confession”に至っては、全リスがシンガロン確って「はーめーにでー」するしかないという、このお約束ぶりたるや。
(しかも次にも開放的なポップトラップ、M4“A Little Fight”とか仕掛けてやんだよこの野郎)

その後も含めて、大概のバンドがやれ2枚組となればガチガッチな大作主義に陥って、あれやこれやと盛り込みむさぼっては、
「大作、じゅーぎっ!じゅ、じゅぎなのンボぉーーーっ!!!」
となるところをソツなく程なくコンパクトにすますところ、やっぱり嘗てのスクリーモ大戦を生き抜いた歴戦だいしゅくりーモ職人の手堅さ強かさは伊達じゃない。

流石は、駅外れに佇む一見こざっぱりした店構えで、いっつもそう代わり映えもないくせに、でも何やかんやで味だけは何頼んでもいつも外さない満足出来るやつ出てくるっていう、昔ながらの街なか名店定食屋。

誰だ、とうの立ったジジバア捨てんだとか、たわけたことほざいとんのは。なかなかええぞ、これだって。
(意:平常運転喜んで

GOTTHARD / 「Stereo Crush」 :70P

GOTTHARD / 「Stereo Crush」

GOTTHARD / 「Stereo Crush」

歴史は語る、マサイトーも語る、90年代冬の時代。
そう、あのニルヴァナ直下型大震災の直撃惨劇地獄絵図の後の、
極寒と呼ばれた世紀末メタル氷河期のことだ。

 

進む火の玉、一億玉砕(バンドどもが)。
「欲しがりませんヘビメタは」と、
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでは、泥(オルタナもどき)をすすってまで生きさらばえてきた我らが貧しきメタル村の、あの時代の闇市にレア流出されてきた、
その名も「スイスのBON JOVI」。(※1)

そんな当時の多くの飢えたトラウマ戦中派を救ってきた、あのGOTTHARDさん、
え、まだやってたの?5年ぶりの14thらしい。

母国のアルプス山ん中じゃ国民的人気だかなんぞ、正直、全く知らんわっつーか「それがどうした」なんだけど、
(今思い起こせば)当時からして真っ当とはいうものの、冴えなく抜きん出ない微妙なもっさりハードロックで踊(ダンス)ってきたこの連中。
あれがそのまんま年食って令和になりゃこうなるだろっていう、
むらのこうれいしゃのかたがたがかんがえたさいきょうのアメハー、
はいそうですか、以上。終わり。

なので、もうどう評価すんのこれ?ってしかぶっちゃけならんのだけど、
んじゃこれがそんなダメなんかと問い詰めらると、んんんー?
意外やおっさん的にダメ出し点が全く見当たらないので、割と答えづらい。

しかも、おめーもあの焼け野原なミドル90sで異端者のメタル者がいるぞと石を投げられてはディスクユニオン中古CD棚の一角に逃げ駆けこみながら輸入クソメロデスや脱糞ゼロコーポ駄メロハーの残骸で食いつないできたレジスタンス残党組だろうがと言われると、昔から知ってるだけに、今や内心クソダセえとしか思えないBEATLESのカヴァーM5“Dribe My Car”も、「いやでも当時からこの人たちの芸風これですから」とすら真顔で答えそうになる始末。

大体、それすら含めて名曲といえるものが全く見当たらないのも、寧ろある意味こいつららしいっちゃらしいし(あの頃から大して名曲なかったもんな)、
未だにウワウワとスイスで呑気にまるでぼんぼびやってんのに苦笑も浮かぶが、今やそれも逆に微笑ましくもあるか。

ま、あれよ、
なんつーか良く言えば、骨太でガッシリした30年来の王道おっさんロックンロールやり続けてる、スイスの平成ノリB’zメタル、
でもぼくも同級生だから、愛のためにわがままなそれはそれって感じかな。
だっておっさんだもの。

※1:あれそれってCHINAだっけ?(違)

MOMMA / 「Welcome to My Blue Sky」 :80p

MOMMA / 「Welcome to My Blue Sky」

MOMMA / 「Welcome to My Blue Sky」

そこまですげーいいかって言われると、別段そうでもないし、
ありがちっちゃそこらへんに転がってそうな気もすんだけど、
なんとなくその心地よい歌が、この春陽気にやたら合ってて、ついそれとなくこの4月に知らん間にヘヴィロテしてたと気づく。
それがこのアルバムだった。

ママ?モマ?
米ブルックリン出、女性デュオ含む男女混合4ピース構成による新鋭インディー ロック/オルタナ・バンド、
前作が界隈でそこそこ話題になり、名を高めてのこれが4thらしい。

アコースティックを主軸にしながらも程よくグランジポップなサウンドは、ぶっちゃけあからさまなソースにスマパンやらな90年代グランジ、パワーポップ、ソフトロック、あるいはゼロ年代エモなんかを混ぜ込んだような、言ってしまえばベタっつーか凡庸なもの。

しかもこれっていうキラーチューンはないんだが、でもそのぶんだけ、塩梅や雰囲気がいいっていうか、そのデュオシンギングによる柔らかさや淡い色味が小春日和な気分にとにかく合ってて、何となくリピりたくなる。

趣としちゃソフトさ高めだけど、過剰に繊細ってわけでもなし。
その全体をとりまく優しめペールトーンが居心地やすいうえに、加えて仄かな暗さやザラつきが甘ったるすぎない情感をキープしてる。
だから、春風みたいな爽やかな躍動感のM2“I Want You(Fever)”も映えるし、
他方に転じてはピリッと働くほわぽにヘヴィリフをアンニュイな歌唱でバランスを整えた、メタリックなM7“Last Kiss”なんかもアクセントとして悪くない。

ん-、でもそうはいえど、つい緩んで結構評点甘くしちまったか。
まだ声高に勧めるにはツメも甘いし、小粒で決定打も欠けるしな。

なのでこっからマイナス7、8点差っ引いたあたりが一般的、客観的には相場かな、と。

以上、
本当は4月上旬にあげようとしていたのにGWも迎えた今頃になっての、今週の4枚でした。

まずはARCHITECTS、よき。

それとSILVERSTEINも、ええよね。
そういや今月頭くらいに花見ランしてたら、AirPodsからシャッフルでいきなしこれ流れてきたんで、おっちゃん思わずぶわーっ、と目頭熱くさせなが諸手あげて全力ダッシュしつつ「はーめーにでー」と合唱しちまったよ。
(誰もいない河原に変態出現)

え?
おめーみたいなRが二つもある過疎村の端っこで生かされてきた、呪われの異教徒風情が今更GOTTHARDとかご丁寧に扱おうとするからこうなんだろ、だって?

あはははははー。
さーせん、その通りでしたあーーっ。
つっ、まんねえええーーーーっ!
(注:あくまで個人の感

ではまた。

ARCHITECTS, SILVERSTEIN, GOTTHARD, MOMMA,

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一応しとく注意
・レーティングはあくまで書いてる人の個人的な気分と機嫌のみに基づいたものです。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?
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